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「ということで、某国のスパイも無事につかまったし、マリアちゃんは辺境の教会での奉仕活動で反省してもらうことになったの」
腹筋を崩壊させた後、ようやく全員が復活し、アリシアはマリアの事を話した。
「ま、今話したマリアちゃんの恥ずかしい記憶は誰にも話せないようにしてあるから、残念だけど2度と話題にはできないけどね」
「え?まさか言葉に魔力を乗せた?」
「まじ?全然気が付かなかった」
「おばさんやっぱ最強!」
「そうでしょそうでしょ、もっと褒めていいよ~」
えっへんと威張るアリシアにダンは苦笑している。
「あの、おばさん、俺ちょっときになってることがあるんだけど・・」
「お?ハインツ君どした?」
「俺の親父、マリアに魅了されていなかった?」
「あ~」
「俺たちには魔法を無効化できるチャームが付いているって、なのに親父にはついていないってことにならない?」
「なるね」
「本当だ、どういうこと?おばさん」
「う~ん、ハインツ君鋭いねぇ、う~ん実は・・・父伯爵様のチャームはこっそり外されてました」
アリシアの返事に全員が驚きを隠せないでいた。
「な、なんで?親父が何か王家に対してしでかしたってこと?」
「違うよ」
「ハインツ父、もしや浮気?」
「残念、違う」
「もったいぶらずにおしえてくれよ、母ちゃん」
「母上!」
「母上様~お願いします」
ダンが両手を合わせて頼み込むと、アリシアはしぶしぶ話し出した。
「気色悪い話だからね」
ハインツがマリアを連れてきた日、マリアはハインツ父にわかりやすく甘えた態度をとったらしい。
それもハインツ母の前で。
若くて可愛らしいマリアに対してハインツ父は鼻の下が伸びっぱなし。
それはそれは気持ち悪かったらしい。
ハインツはそんな父の姿を、家族と仲良くしてくれようとしてるんだ、などと思っていたという。
「ハインツ、マリアさんがうちに来る頻度を減らしてくれない?
それと、もう少し淑女らしいマナーを取れるようにしてほしいの」
母親がそう言ったこともあったが、ハインツははいはいと聞き流していたという。
「ハインツ、マリアさんがわたくしの宝飾品をねだるのをやめさせて。
とてもはしたない事よ」
そう相談された時も、
「マリアの両親は遠く離れた田舎に住んでいてなかなか会えないのです。
母上を本当の母親だと思って甘えてるんですよ」
そういったらしい。
それを聞いた全員がスナギツネのような顔になっている。
「ハインツ・・・・」
「お前・・・」
「鈍っ・・・」
「鈍い鈍いと思っていたけど」
「脳みそも筋肉だったか」
「やっぱりねえ、本当に節穴だわ」
「目玉は鍛えられないしね~」
「ちょ、みんなひどい。
俺はそんなにひどかったのか?」」
皆の意見にハインツはしょんはくしゃく
「で?ここまでは別に気持ち悪くないけど?」
「いや~それがね、ここからが気持ち悪いの」
ハインツがいてもいなくてもマリアは伯爵邸に頻繁に来たらしい。
伯爵がいればベタベタと甘え、伯爵もマリアに好き放題にさせている。
伯爵夫人が何か注意をしようものなら、マリアが泣きまねをして伯爵が夫人を叱るのがルーティン化してしまった。
「伯爵夫人としふさわしい態度をとれ」
「マリア若くて可愛いからって嫉妬か?」
「なんて派手なドレスだ、まったく似合ってない、年を考えろ」
「少しはマリアに譲ってやれ」
「マリアはもう娘のようなものだ、もっと優しくしてやれ」
伯爵夫人はなんとか我慢祖し続けていたのだが、ある日のパーティで伯爵が笑いながら言った一言がトリガーとなった。
「昔は妻もまあまあ見られたものだが、年を取ったら平凡以下。
まったく俺の人生は損したな。
マリアちゃんみたいに素直でかわいい娘がおれの妻だったら良かったのに。
今からでも交換できるもんなら息子に頼んで交換したいくらいだな、わははは」
「「「「「「き、き、きめぇ~~~~~~~~~~~~」」」」」」
ほぼ全員がそう絶叫した後、椅子の背もたれに寄りかかってぐったりしてしまった。
「ま、まさか父上が・・そんな・・・」
第二王子が床に崩れ落ちたハインツの頭をポンポンとたたいて慰めている。
伯爵が気持ち悪い発言を大声で話しているのをアリシアはしっかり魔法で全方位から録画していた。
「気持ち悪っ、えいっ」
「ぎゃ、なんだ?尻に何か刺さった?イタ、イタ、あ、前もイタい」
伯爵は下半身に謎の痛みが走り悶絶してしまった。
「ざまあみろ、けっ」
「アリシア、あんた電撃を下半身攻撃したの?」
「んにゃ?尻から針状にした雷撃の輪を巻き付けてやったの」
「えげつないわ~、ま自業自得かもね」
これは子供たちには話せないな~とアリシアはぐったりした子供たちを渋い顔で見ていた。




