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第2話『竜騎士 アベル・ワールウインド』①

1、

「ねえ、アンナ、テルテル坊主って知ってる?」

エマとアンナは、ボーデ聖殿の裏庭にある東屋のベンチで、休憩をとっていた。

聖殿は丘の上に立っているので、いつもなら遠くの山々まで見えるのだが、ここ数日はずっと雨が降っていて、丘のふもとの街だけがぼんやりと靄の中に浮かんでいた。

「知らない。何それ?」

「東の地方のおまじないで、白い布で作った人形を軒先に吊るしておくと、翌日晴れるんだって」

「へえー。初めて聞いた。」

「ちょっとやってみようか」

そう言って、エマはハンカチとリボンで人形を作り、東屋の軒先にぶら下げた。

「こんなことで天気が良くなるなら、私100個くらい作ってもいいけど」と、アンナが立ち上がりテルテル坊主を揺らすと、

「あそこ見て!ちょっとだけ晴れてる」とエマが東の空を指さした。

見ると、雨雲に切れ目が出来て、そこから日の光がまるで柱のように差し込んでいる。

「すごい!これ、本当に効果あるじゃない。じゃあアンナ、あと100個お願いね」

「たまたまよ、たまたま。ただの偶然」とアンナも空から差し込む光を眺めていたが、ふと何かがおかしいことに気がついた。

光の柱が、凄いスピードでこちらに近づいてくるのだ。しかも、明らかに雲の流れと関係ない方向に動いている。

さらによく見ると、その中を何かが飛んでいた。

「ねえ、エマ。あれ、何?」

「え?」とエマも光の中を見つめた。


二人並んで凝視、10秒経過、そして完璧なシンクロで叫んだ。

「「ドラゴンだ!」」

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