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雪の精霊   作者: 時坂雨愛
1/2

出会い

初めての小説投稿です。

サイト自体の使い方すらまともにわかっていないですが何卒宜しくお願いします。

雪の精霊



 俺は冬が嫌いだ。

寒いのが嫌いだとか、

厚着をするのがめんどいとか、

別にそういうのじゃない。

雪が降り積もり、

全てが凍りつき、

いろんなものが止まってしまいそうな。

全てが終わってしまいそうな。

俺はそんな冬が、

嫌いだった。






*出会い


「はぁ〜。さっみぃ〜。」

ため息混じりにそう呟いた俺の口から出る白い靄は辺り一面雪に覆われた真っ白な世界に溶けてゆく。

もう季節は冬。しかも今の時刻は午後十時半。このど寒い中、先日壊れてしまった自転車の事を思いながら俺はバイトからの帰り道を歩いていた。

「やばい。流石にやばい。寒過ぎる。」

このままだと自分の中の臓器やらなんやらが全て凍ってしまいそうな予感がしたので、近くにあった公園の自販機で温かい飲み物を買うことにした。

【あったかぁ〜いココア】と【あったかぁ〜いコーンスープ】の二つで迷ったが、なんとなくココアの気分だったのでココアを買って、ベンチに積もった雪をはらい、座る。てか、なんだよ「あったかぁ〜い」って。「ぁ〜」をつけるな。

分厚い手袋をつけたまま、なんとかフタを開けようとしたが、健闘虚しく、結局凍える手に直接温もりを与えてやることにした。ふぅふぅしながら少しずつ飲んでいく。

黒く淀んだ液体が冷えきった体を満たしていく。

全く。まだ十二月、冬の頭だってのにちょいと寒過ぎやしないか。

こんなんじゃ先が思いやられるな…。

そんなことを思ってると公園のど真ん中にある噴水が凍っていることに気がついた。もうそんなに気温が下がっているのか。水が吹き出しているとこまでも凍ってしまっていて、透明なゼリーみたいな形になっている。

小学生の頃に学校にあったメダカのいる池が冬になると凍ってしまっていて、その中でメダカ達が苦しんでいると思い泣きじゃくっていたのを思い出す。あれって実際メダカ達はどうなってしまうのだろうか。

…なんだろう。今はとてつもなくどうでもいいことをしたい気分だ。

こんなこと小学生の時でもしない。だけど、最近いろいろうまくいってなくてちょっと病んできているのだ。まぁ言ってしまえば自暴自棄に近いか。そこまで滅入っている訳ではないと思うけど。

強いて言うならメダカにでもなりたいんだろうか。まぁ絶対違うか。なんでもいい。

噴水に近づいてみる。近くで見てみると氷はあまり厚そうではないし、所々割れ目みたいなものもあるから、あの時のメダカ達はもしかしたらこの中で頑張って生きていたのかもしれない。

この厚さで大丈夫かな…。まぁいいか。メダカはこの中でも生きているんだ。知らんけど。

カバンをその辺に放っておいてもう一度噴水を見てみる。やっぱり危ないかな…。

いや、ここで逃げたら男じゃない。何時も挑戦だ。まぁ何から逃げてて、何に挑戦してるのか自分でもわからないが。

意を決して溜まった水全体に張った氷につま先からゆっくりと足をつけていく。

踏んでみた感じでは思ったより厚みがあるのか…?もしかしたらいけるかも。

慎重に右足をつけ終わり、左足を乗せようと体重をかけた時、案の定だ。

俺は豪快なダイブをかました。

「あはははは!!」

っ痛ってぇ…てかつめたっっ!!

やばいやばい。足の痛みとか以前にこのままじゃ全身…ん?

「あんた何やってんの!?ほんと…っもう超ださくて笑えるぅ!」

落ちた衝撃で気づいてなかったが、謎の少女が俺が失敗した離れ業名付けて氷上歩きを当たり前のようにこなしながら俺を見下ろして笑っていた。

辺り一面雪景色の中、一際白く輝くこの少女。

と、氷上歩きに失敗して全身びしょ濡れの俺。


この出会いが、俺と雪の精霊との長くて短い冬の初まりだった。


これで章分け?的なものができているか分かりません。

きりのいいところで投稿できるようにしたいです。

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