土曜日の午前中
私は土曜日の午前中が好きだ。
土曜日の朝は平日と変わらない。
野球のサークルがあるからだ。
9時から11時までみっちりと練習する。
野球の練習が終わると更衣室でシャワーを浴びる。
冷水はどうしても受け付けないが、こんなに運動した後にお湯を浴びるのも気持ちよくない。
シャワーの温度調節のノズルを回してちょうどいい温度に合わせる。
冷水を示す青いマークと温水を示す赤いマークのちょうど境目だ。
シャワー室から出て、私服を着る。
汗でびっしょりになったユニフォームとアンダーシャツをビニール袋に入れてリュックに詰め込むと更衣室から出た。
部室棟の前にはすでに着替え終わったサークルのメンバーが集まっていた。
今回は私が一番最後だったようだ。
「すみません遅くなりました」
小走りで円に入る。
キャプテンは特に気にすることもなくミーティングを始めた
「お疲れ様です。何か連絡はありませんか」
誰も何も言わない。いつものことだ。
「では、中央食堂で昼ごはんにしましょう」
土曜日の練習は練習後にそのままみんなで学食に行く。
食堂に続く山道を自転車で下っていた。
このキャンパスは山を切り開いて作られたため、ずっと坂になっている。
そして、運動部が使うグラウンドはそのキャンパスの山の一番上にある。
行きはきついが、帰りは風がとても気持ちがいい。
途中でパイクに乗った先輩や原付に乗った先輩が追い抜いていった。
食堂前の自転車置き場に自転車を止めて、先に食堂前に来ていた先輩に混ざる。
学校巡回バスに乗った先輩たちが到着して全員揃ったので中に入った。
人数分席取りをした後、食べたいものの列に並ぶ。
私は毎週鶏のから揚げ定食だ。
定食を受け取って、レジに並ぶ
「こらこら、後輩は財布をしまいなさい」
副キャプテンが笑ってそういうと私の前に割り込み
「会計一緒でお願いします」
とレジのおばちゃんに言った。
サークルとは言え、運動部だから先輩に奢ってもらえる。
1年生は私だけだし、唯一の女子部員なので先輩たちにかわいがってもらっている。
「いつもありがとうございます」
副キャプテンはいいよいいよと手を振った。
「1年のうちにたくさん奢ってもらえよ」
全員揃ったらいただきますをして食べ始める。
先輩たちはサークル旅行や次の飲み会の話をしている。
この人たちは本当に飲み会が好きだ。
私もだけど。
「今日、夜からスマブラするから来たい人は来ていいぞ」
キャッチャーの先輩が言う。
ちなみに毎週言う。
私もたまに行っているが、スマブラやったりポケモンやったりお酒を飲みながら麻雀やったりしているため、大体徹夜になってしまう。
これぞ大学生という感じだ。
みんなが食べ終わるとごちそうさまをして食器を配膳車に乗せる。
最後に全員で食堂前に集まる。
「全員来た?はい、じゃあ解散」
キャプテンの言葉でみんなが散らばる。
「「おつかれさまでしたー」」
先輩たちとお別れした後、外へ出る。
日差しがまぶしい。
もう夏なのか。
これからどうしようかな。
休日の予定を考えていた。
夜、先輩の家へ行くから、それまで映画でも借りて見るか。
明日は何かあったっけ。
一日暇だった気がする。
今日は徹夜確定だから、明日は10時くらいに起きるだろう。
午後は、気になっているバイトの男の子誘ってショッピングにでも行こうかな。
そのまま、夜ご飯まで食べてしまおう。
休日の予定を考えているこのときが一番楽しい。
部活で大好きな野球をして、
先輩たちとおしゃべりしながら昼食を食べて、
休日の遊ぶ予定を立てる。
だから私は土曜日の午前中が好きだ。
洗ったばかりの髪からほのかに香るリンスの匂いを嗅ぎながら、
私は自転車で坂を下って行った。
お読みいただきありがとうございます。
モデルは私です笑
小学校のころは金曜日の夜が一番好きでしたが、大学生になると土曜日の午前中が好きになりました。
なんでだろう?笑
皆さんは一週間でいつが一番好きですか?
感想お待ちしております!