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ハーヴェイが化物になった日


ハーヴェイ二十一歳が失恋した!

友人三人は酒場に誘った!


「うう、どうせ僕なんて…」

心優しき非モテ野郎、魔族と人族のハーフ、ハーヴェイ!


「おい、ハーヴェイ、その顔で僕とか言うな。笑えるだろう」

さらりと酷い、人族のライヤ!


「止めてあげなよ。今日はハーヴェイを慰めに来たんだから」

そのヌメりは三人のオアシス、魚族のダリ!


「あっはっはっは、いい酒のネタにもなるぞ!」

ただの酒好き、獣族のガーゴ!


今日は何回目か、数えるのも馬鹿らしくなる程には行っている、ハーヴェイ失恋反省会だ


「一応聞いてやるが、今回はどうしたんだ? 相手はアレだろ?お前と同じで魔族と人族のハーフの」

「確かハーヴェイとは違って毛が生えてなかったけど触手もあったよね」

「おーい!もう一杯くれ!」


「お揃いだね! とか言われて惚れたんだろ?お前チョロすぎ」

「惚れてない! ちょっといいなと思っただけで」

「それで、告白して振られたの?」

「おーい!肉も一品頼むぞ!」


「道を歩いていたら彼女と彼女の友達が話してるのが聞こえた」

「ああ、そのパターンか」


〜彼女達の会話〜


「ねえ、最近ハーヴェイと話してるの見るけど、どうなの?」

「どうって?」

「好きとか」

「ええ〜!? 無い無い! ハーヴェイっていい人だけど私毛が生えてる触手の人はタイプじゃないし」

「なんだぁ」

「ハーヴェイってああいう見た目だから、モテないだろうなぁって可哀想だとは思うけど」

「ふーん、確かに私も恋愛対象には無理かなぁ」

「だよねー」


「「……まあでも、友達としてはいい人だよね!」」


〜彼女達の会話終了〜



「典型的なハーフ振られパターンじゃないか! 飽きた! もう一度話を練り直せ!」

「パターンとか言うんじゃない!!」

「まあまあ、彼女とは縁が無かったって事だよ」

「そうだぞ!そういう時は飲むに限る!飲め!」


「う、うわあああああ!」


ハーヴェイは酒に呑まれてしまった!



「そもそもそんなにも僕の姿は駄目なの?キモいの?」

「ハ、ハーヴェイ、飲みすぎだよ。口調も可笑しいよ? もう止めた方が…」

「うーん、キモくは無いらしいんだけどな。

おーい! そこの魔族の綺麗なお姉さん。こいつの姿見てどう思う?キモい?」


「え、キモくは無いんじゃない? …でも、何か、ハーフよね? あれ?」

「こいつね、魔の部分は頭部だけなの。体は完璧人間」



ぶっ!



「あはははははははははははははははははははははははははははははははっ!」



「とまぁこんな感じでキモくはないみたいだぜ!」

「ライヤ…鬼だね」

「ひどいっ!もっと僕を慰めてよ!」

「だははははっ!愉快だなぁ。酒が美味い!」


「こうなったら僕の真の姿を見せてやる!」

「よっ!ハーヴェイ! お前の男気見せてみろ!」

「嫌な予感がするよ…」

「やんややんや」


ゆらりとハーヴェイが立ち上がり、椅子の上に足を掛け、魂を削るが如く叫び出す。


「僕の触手が物を掴むだけの便利な物だと思うなよ! この混沌の世から現れたは漆黒の魔! その目は紅く何人も魅了し狂わすは罪深く! そして赤子の頃から共にある二十の邪眼を宿すは我が愛すべき触手共! 」



「何か訳わからないこと言い出したっ!?」


「ぎゃははははははははは! キャーダレカタスケテー! ぎゃはははは!」

「ああ〜! 止めてよ〜、君にそんなチカラは無いよ〜」

「………ぐー、ぐー」


触手の目が次々に開き、運悪く近くにいた一人の人間の男に絡み出す。

「ひぎゃーーーー!」

男は目玉に囲まれ失神してしまった!


「わー!! ハーヴェイ不味いよ!落ち着いてー!すみませんすみませんすみません」

「何だぁ、玉の小さい野郎だな!」

「すぴー、すぴー」


「ぶぁっはっはっは! 見たか! 僕の触手共の素晴らしさを!」



その酒場!正にカオス!



もう駄目だ、そうダリの心が折れかけたその時!!



「お前ら……」


ダリは見た。

顔面が朱く染まり、血管が怒りで膨れ上がっている、憤怒の形相をしたこの酒場のマスターを!!



「出ぇてぇけーーーーーっ!!」







出禁になりました。まる




絡まれた不運な人間男性(こっそり屋敷を抜け出して遊びに来てた子爵のお坊っちゃん)+酒場のお客さんなどにネタにされ、駄目な方へ噂が出来上がりましたとさ。

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