表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

99/263

意外と可愛い皇女様

「まあ……その、あれよ」

 セレスティアは腕を組み、顔を逸らしながら言った。

「あなたがどうしても残ってほしいと言うなら……残ってあげなくもないけど」

「なんじゃそりゃ」

 シュンが素っ頓狂な声をあげる。


 ーーツンデレかよ。意外と可愛いとこもあるじゃねえか。

 それを言ってやろうとしたが、それより先にミュウが口を開いた。


「なーに強がってんの。素直に《残りたいですぅ》って言えばいいのにさ」

「あ、あんたなにを……!」

 セレスティアが顔を真っ赤にして立ち上がる。

「素直になればって言ってんの。いつもあたしたちに聞かせるようにさ、王様の良いとこを言ってみなよ」


「ほーん」

 ニヤニヤ笑いを浮かべるシュン。

「陰で俺の良いところをねぇ……やっぱ、意外と可愛いトコあんじゃねえのさ」

「い、いい加減にしなさいあんたたち!」

「いてっ」

「ああんっ」

 セレスティアが順番に二人の額をつつく。


「あー皇女様が殴ったぁー。いーけないんだぁ!」

「あんたが大人を馬鹿にするからです!」


「……はは」

 二人の痴話喧嘩を見ながら、シュンは思わず笑みを浮かべる。

 セレスティアに初めて会ったときは、正直、プライドの高い女にしか見えなかった。だから本音を言えば、シュンは彼女を苦手としていた。


 だが、彼女には子どもっぽい一面もあるらしい。なにせ子どもとマジの喧嘩をしているのだから。


「なによあんたも! 悟ったような笑いを浮かべちゃって!」

 セレスティアが真っ赤な顔でシュンに食いかかってくる。


「どうどう。王になるとな、色々と見えてくるものがあんだよ。ーーんなことより、だ」

 シュンはこほんと咳払いをし、真面目な目でセレスティアを見据える。

「マジな話、俺はおまえに残ってほしい。この国にはおまえが必要だ」

「……あ」

 一瞬にして固まるセレスティアと、

「(ニヤニヤ)」

 隣で嫌らしい笑みを浮かべるミュウ。


「し、仕方ないわね! それなら残ってあげるわ!」

 ふんと顔を逸らし、あくまでも尊大に言い放つセレスティアであった。


お読みくださいましてありがとうございました。

ブクマ、評価、レビューなど、大変励みになりますので、よろしければお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ