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引きこもりの力を見せてみな

 ーー待ち伏せ、されてたんだ……


 ロニンは思わず下唇を噛んだ。


 相手とて馬鹿ではない。

 ロニン達の策などお見通しで、その上で対策を練ってきたに違いあるまい。


 さっと三体の敵を見回す。


 全員が魔術師のようだ。


 しかも同じような格好をしている。

 全身に大柄のローブをまとっており、顔がまったく見えない。首から骸骨を模したペンダントをかけているのも、三体共通だ。 

 異なる点があるとすれば、ローブの色か。

 それぞれ、赤、緑、黒とローブの色が分かれている。


 長い長い沈黙を、赤ローブが破った。


「ロニン殿。あなたを手にかけるのは心が痛むが……これも世の定め。世論は確実にセルス様に傾いておられます」


「セルス……」


 シュンがオウム返しに呟いた。


 セルス。

 ロニンと敵対する、もうひとりの後継者の名だ。ロニンとしては二度と聞きたくない言葉だったが。


 黙りこくるロニンに、今度は緑ローブが言った。


「しかし、ロニン殿。これはどういうことですかな。そこにいるのは人間か」


「そうだ。なにか問題あっかよ」


 あくまで毅然と答えるシュン。そこに恐怖のようすなど微塵もない。


「おお……魔王様のお子ともあろう方が、よもや人間などと手を組むとは! ロニン殿。これで心おきなくあなたを葬れるというものだ!」


 その発言を皮切りに。

 三体の四天王が、さっと両手を突き出してきた。魔法を使用する構えである。


 その迫力、気迫。

 さすがは四天王というべきか。


 一般のモンスターとはもはや比べ物にならない。


「ふう……めんどくせぇなあもう」


 事ここに至っても、シュンはかったるそうに後頭部をかくと。

 あろうことか、ロニンを四天王の前に立たせた。


「え……えっ!?」


 さすがにびっくりし、素っ頓狂な声をあげるロニン。二人で戦うんじゃなかったのか。


「おまえひとりで戦ってみな。こいつらごとき、おまえなら簡単に倒せる」

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