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騒がしい夕食


「あー、うめぇ!」


 鶏の唐揚げを頬張りながら、シュンは大きな声を上げた。嬉しそうに次の唐揚げをつつく。


「馬鹿者。当然ではないか!」


 と鼻を鳴らすのはディスト。自身も上品にサラダをつつきながら、したり顔で言ってみせる。


「ロニン様のご料理はな、それはそれは美味なのだぞ!」


「けどまあ、味付けがもうちょいだな。人間の料理を覚えたらもっと美味くなるぜ」


「なんだと貴様。ロニン様のご料理様にケチをつける気か!」


「ご料理サマってなんだよ。馬鹿かてめェは」


「なんだと、言わせておけば!」


「もう、二人とも!」


 いてもたってもいられず、二人のやり取りを制止するロニン。


 結局、ディストは晩ご飯の時間にはきっちり起きた。

 いわく、「ロニン様のご料理の匂いを、身体が覚えているのですよ!」とのことだった。


 ディストも目を覚ましたことだし、このままシュンとの出会いを話すものかと思いきや。


 よほど空腹だったのだろう、二人は一目散に料理にありついた。さっきまでの緊張感が台無しである。


「もう……」


 と、ひとりため息をつくロニン。


 だけど。


「うめェな。ロニン、おまえ、やるじゃねえか」


「う、うん……」 


 こうしてシュンに褒められるのは悪い気がしなかった。なぜだか頬が熱くなってしまう。


「ま……まさか」


 そのやり取りを目撃したディストが目を丸くする。


「ロニン様……まさか、この村人にご好意を……」


「え、こ、好意だなんてそんなっ」


 まんざらでもなさそうにロニンが両頬を抑えてしまい、場はさらにややこしくなってしまう。


「村人、貴様、よくもロニン様をッ!」


「うっせぇな。静かに食えねえのかボケ」


「誰がボケだ誰が!」 


 そのまま、三時間にも渡って騒がしい夕食が続いたのであった。

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