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武術大会へ

 シュンは大きなため息をついた。

 今回の敵は厄介である。魔王やエルノスのように、明確な《敵》がいるわけではない。悪魔という、掴みどころのない種族が相手なのだ。しかもたぶん、村を襲撃したのはその悪魔ではないだろう。


 ――なにがどうなってやがる……


「セレスティア。ひとつ聞きたい」

「ん? どうしたの?」

「もし、仮にだが……王都が悪魔に襲われたとき、おまえたちは対処できるか?」


 王女はしばらく眉根を寄せ、考える素振りをしていたが、数秒後、首を横に振った。


「……厳しい、と言わざるをえないわね。騎士たちはかなり疲弊してるし、一般の国民は戦い慣れてない。そこを付け込まれたら……」

「そうか。そうだよな……」


 シュロン国でも同じことが言える。

 シュンやロニン、ディスト、それからゴルムは飛び抜けて強い。しかしながら、その四人がいなくなってしまえば防御力は著しく落ちてしまう。


 今回のように、シュンの目の届かないところで、無惨な大虐殺が繰り広げられてしまう可能性も否定できない。


「……念のため、剣と魔術の教師を雇っておいて正解だったぜ……」

 ぽつりと呟くシュン。


 五年前、シュロン国に攻め込もうとする勢力は潰えたはずだった。

 しかも、長らく人類と争っていたモンスターとは和解の道を辿っている。

 だから剣や魔法の教育はもう必要ないとは思っていたが、シュンは念のため、それらを教育カリキュラムに練り込んだ。なにかが起きてからでは遅いからだ。


 そう遠くない将来、間違いなくなにかが起こる。一国の王として、それに備えるのは義務であろう。


「……セレスティア、武術大会を開かないか?」

「えっ?」

「有事に備えて、だ。人界とシュロン国で大会開こうぜ。参加者はなにがなんでも鍛えようとするだろ」


 引きこもりの《職業》を暴露するのも良いが、その場合、ジョブチェンジに最短でも一ヶ月を要する。さらにそこから膨大な期間を引きこもらなければならない。そんな悠長なことをしている時間はない。


「……わかったわ。明日には国民たちに発信する。詳しい日程とかは後日でいいかしら?」

「ああ。頼む。悪魔とかワケわかんねー奴らに、これ以上好き勝手させるわけにはいかねえ」

 

今後の参考にしますので、アンケートにご協力をお願いします。

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