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小学生からやりなおし

「あれ、トルフィンくん、元気ですか?」

「……えっ?」

 ぼけっとしていたことに気づかれたのだろう。レイアに名指しで呼ばれた。

「申し訳ありません。私は静かに聴いてますから、どうぞ続きをお願いします」


「え、ええ……」

 目を瞬かせるレイア先生。


「ちょっと。ちょっとトルフィンくん」

 今度は隣のリュアが腕をつついてくる。

「いまのしゃべりかた。やめたほうがいいよ。子どもっぽくないもん」

「いまさら直せるかよ。無理なの。断じて無理」

「うぅ……」

「そんな顔すんなよ。マジで無理なんだっての」


 精神年齢だけを見れば、トルフィンはとうに成人しているはずなのだ。大の大人が「はーい!」とか間違っても言えない。

 まあ、仮にもトルフィンは王子。言葉遣いを徹底的に仕込まれていることにすれば、みんな納得してくれるだろう。実際にはそんな教育など受けたことないが。


 レイアは気を取り直したように教室を見渡し、笑顔で語りかけた。

「まあいいでしょう。今日はみんなと、《ステータス》のお勉強をします」


 ――ステータス。

 その言葉を聞いた途端、寝ぼけていた意識が一気に覚醒した。


 前々から疑問だったのだ。

 この世界の住人は、ステータスなるものを《当然のもの》として認識している。


 いわく。

 人の強さは数値で表記できるものである。

 そして、《職業》に応じた働きをすることによって、その数値を高めていくのである――と。


 しかしながら、トルフィンの前世にそんなものは一切なかった。ステータスなぞ、正直ゲームのなかだけの世界だった。

 だから違和感が拭えないのだ。ステータスをすんなり受け入れて、当たり前のように暮らしている住民たちに。

 各ステータスの説明を、レイア先生は以下のように行った。



 HP……その人物の生命線。なくなったら死ぬ。

 MP……その人物の活力。これが尽きない限り魔法が打てる。

 物理攻撃力……その人の腕力。素の力。

 物理防御力……物理攻撃への耐性。

 魔法攻撃力……その人物の魔法の威力、強さ。

 魔法防御力……魔法攻撃への耐性。

 俊敏性……素早さ。高ければ高いほど早く動ける。


 これとは別に、《職業》という要素がある。剣士や商人、僧侶などがそれである。


 それぞれの職業を得るには条件があり、それさえ満たせば晴れてジョブチェンジとなる。ちなみに、前職でのステータスはそのまま引き継がれるらしい。

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