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初日の解放感ってあるよね

 レイアは美女である。

 そこに疑いの余地はない。

 自他ともに認める真性ロリコン――すなわちトルフィンのストライクゾーンからは外れるが、間違いなく美女である。


 白い肌。お堅そうな黒縁眼鏡。大人らしい色気を放つふっくらとした唇。そして巨乳。巨乳。巨乳。


 特に父親たるシュンはああ見えて乳好きである。ロニンとの行為との際、罪悪感を抱きながらもチラ見してしまったが、結構な頻度で胸部に手をやっていたように記憶している。ちなみに当時羨ましいとは思っていない。まったく。ちっとも。


 そんなレイアの風貌は、トルフィンには理解できずとも、大多数の男性のハートを射止めるに違いなかった。実際にも、ちょっと早く色気づいた数名の男児が、若干食い気味にレイアの乳を凝視している。


「やん……みんな、なんで先生のおっぱい見てるの……?」

 隣の座席になったリュアが、怪訝そうな声を発する。

「ふっ……大人になったらわかることだぜ」

「やだもう。子ども扱いしないでよ」


 と言われても、こちとら前世の分も含めれば二十一年も生きているのだ。どうひっくり返っても、六歳児のリュアとは対等に話せない。というか対等に話せたら色々とやばい。


「はいはい、皆さんお静かにー」

 ざわついている教室に、レイアは笑顔で抑制をかける。


 さすがは幼き少年少女の集まり。若い女性教師の呼びかけにも、「はーい!」と素直に応じる。リュアも素直に前を向き、レイアの話に耳を傾けている。これがあと数年したら、たぶん聞く耳を持たなくなるであろう。


 ――やれやれ、この風景も懐かしいもんだぜ。

 ひとりだけクールぶって頬杖をつきながら、トルフィンはレイアの話に意識を向けた。


「入学式お疲れさま! みんな、シュロン学園に入れて嬉しい?」


 うん! うれしー!

 などという素直な返事を満足そうに受け止めながら、レイアは話を続けた。


「明日からはみんなで一緒に勉強することになるからね! いっぱいお友達をつくって、いっぱい勉強していこうね!」

「はーい!」

「今日は初日だから、あんまり勉強はしません。ちょっとだけ授業をして、今日はおうちに帰ることになります」

「はーい!」


 ――えぇ。

 黄色い返事をあげる少年のなかにあって、トルフィンだけはがっくりうなだれていた。

 ――今日から勉強あんのかよ。初日くらいなにもしなくていいだろ。

今後の参考にしますので、よろしければアンケートに答えてくださると嬉しいです。

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