厄介な息子
シュンは二つの条件を提示した。
セレスティアと親密な関係になることは構わない。
だが、シュンにとって本妻はロニンであり、彼女を裏切るわけには絶対にいかない。それは人間として当然のことであり、明確な線引きをしなければならない。
なので、過度な身体的接触は絶対禁止。これが第一の条件である。軽いスキンシップなら良いとしても、セ○クスまでするのは相当まずい。色々と。
第二に、理想の結婚相手が見つかったとき、シュンに引け目を負ってはならない。余計なことは考えなくていいから、さっさと結婚しろということである。これはセレスティアのための条件だ。妻子持ちのシュンに依存しても、良いことは何一つないから。
「……ほんと、意外とそこんとこはしっかりしてるんだね、シュン」
言いながら、シュンの胸に顔を埋めるセレスティア。
「おいおい、過度な身体的接触は……」
「これくらいなら……いいじゃない。ずっと会いたかったんだからさ」
「……ったく、おまえって奴は」
「聞いたんだけど、トルフィンくんってかなり問題児らしいじゃない? 幼いけどもう女の子好きなんでしょ?」
それを聞き、シュンは後頭部を掻く。
「……はあ、思い出したくねえことを」
「ふふ。だけどお父さんはお堅いのね。意外だわ」
セレスティアたちのお陰で、シュロン国の施設もだいぶ発展してきた。学校や図書館など、教育のための施設もすでに完成している。学校は来年に開校する算段だ。
来年六歳になるトルフィンも学校に通う予定なのだが、色々やらかしそうで心労が絶えない。クラスの女子のスカートめくりとか。
「まあ、俺が校長を務めるし、変なことはさせねえさ……たぶん」
決して、いいぞもっとやれなどとは思っていない。ちっとも。ちっとも。
あの年頃は限度を知らないから、校長兼父親の俺がしっかりやらねえとな……と心に決めるシュンであった。
これにて三章は終了し、新章・学園編へと突入します。お読みくださいましてありがとうございました。
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