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胸を大きくする方法

 セレスティアの突然の申し出。

 もちろん断る理由はない。

 だがシュンは、ある種の予感めいたものを感じ取っていた。


 セレスティアにとって、ここ王城は生まれ故郷のはず。仲の良かった部下もいるだろうし、皇女としてやるべきこともあるはずだ。


 なのに。

 それらすべて捨て置いて、シュンとロニンの客室にやってきた。しかも今夜はここで寝るという。部屋の大きさだけを鑑みれば、三人で寝泊まりするに足る大きさはあるのだが……


 考えうる可能性はひとつ。

 彼女はなんらかの《仕事》でここにやってきたということだ。


 たとえば。

 シュンやロニンを暗殺するーーとか。

 抜け目のないエルノス国王のことだ、そうやってセレスティアをたらしこんだ可能性はある。今日王都にやってきた三人のうち、最も付け入る隙があるのはセレスティアに他ならない。


「…………」

 そこまで考えたとき、シュンは思考を辞めた。

 セレスティアとて立派なシュロン国の国民だ。

 王として、部下のことくらいは信じてやらねばなるまい。


 シュンはいつものへらへら笑いを浮かべながら、ロニンの頭をぽんと叩いてみせた。

「いいぜ。このガキんちょがうっせーから、相手してくんねえか」

「ガ、ガキ……」


 ロニンがぷくーっと頬を膨らませる。


「あら。ロニンちゃんはもう立派な大人よ。料理もうまいんだから」

「ね! そうだよねティアちゃん!」

 そのようにして、明日の《褒美》を受け取るときまで、セレスティアも部屋に加わったのであった。


 


「それにしても、ロニンちゃん」

「ん?」

「モンスターの食事のなかに、胸が大きくなるものってあるのかしら?」

「えっ……わ、わからないけれど」

「そうなの? 人型モンスターの女の子って、その……大きい子多くない?」

「ま、まあ言われてみれば……」

「なんの話をしてンだてめーらは」


 ベッドでひそひそしていた女子トークに、のっそり入り込む国王シュン。


「あ、シュンさんいまは女子限定のお話だよ!」

「だったら俺の耳に聞こえる声で話すなよ……」


 そのとき。

 ーーコンコン。

 ふいにドアがノックされた。

「失礼致します。お食事物を持って参りました」

「わーご飯だご飯!」

 ロニンが喜んでドアを開け、トレーに乗った食事を受け取った。


ブクマ、評価、レビューなど、大変励みになりますので、よろしければお願い致します(_;ω;)_バァン

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