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膨らみの中央部分

「ねえ、シューーお兄ちゃん、久々に構ってよぉ」

「なんだよ、もう構ってんじゃねえか」

「違う、そうじゃなくて、もっと、えぇっと……前みたいなことをさ……」


 王城の客室。

 天蓋つきのベッドにて、ロニンはシュンにべったりくっついていた。下からシュンを覗きこみ、甘えるように尻尾を振っている。


 シュンは肩を竦め、あえて顔をそむけてやった。


「前みたいなことってなんだ。口に出して言ってみろ」

「むー。トルフィンを産む前は、散々お兄ちゃんから求めてきたくせにぃ」

「ばーか。いまのおまえは《産後》だろ? せめて一月くらいは休ませないと身体がしんどいぜ」

「それは《人間》の場合でしょ? 私は魔王なんだよ! ま! お! う!」

「わかったわかった。わかったからうるせー声だすなよ」


 言いながら、シュンは大きな膨らみの、中心部分をちょいとつついてみる。


「んっ」


 ーーコンコン。

 瞬間、部屋のドアがノックされ、シュンとロニンは慌てて服を正した。


「はーい。どちら様ですか?」

 ロニンが半ば上擦った声でノックに答える。

「セレスティアだけど。入っていいかしら?」

「うん。いいけど……」

「ありがとう。失礼するわね」


 ガチャリ、という音ともに、扉が開かれる。姿を現したセレスティアに、ロニンは小声で聞いた。


「あの、いま、変な声とか聞いてないよね……?」

「へっ? わ、わからないけれど……」

「そ、そう、よかった……」


 ほうっと胸を撫で下ろすロニン。さすがは王城というだけあって、防音はしっかりしているようだ。


「で、どうしたの? 私たちなら一緒の部屋で大丈夫だよ」

「ううん……そうじゃなくてね」

 セレスティアは一瞬迷ったようにシュンをちら見し、やや恥ずかしそうに言った。

「私もその……二人と同じ部屋に泊まってもいいかしら……?」

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