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そういう戦い

 騎士たちが片手をあげると、二枚扉が内部から開かれた。ゴゴゴゴ……という重々しい音を響かせながら、ゆっくりと扉が城の内部をさらけだしていく。


「おお、すげえな……」

 シュンが感嘆の声を発する。


 辺り一面、豪華絢爛ごうかけんらんな装飾の数々だ。壁面は薄い灰色に彩られており、汚れがまったく窺えない。天井には大きなシャンデリアが目映い光彩を放っている。メイド服を着た女性たちが、上品な仕草で料理を運んでいる姿も見られた。


 シュンとロニンが呆気に取られている間、騎士のひとりが頭を下げた。

「私が案内致します。どうぞこちらへーー」

「いえ、結構です」

 セレスティアは首を横に振った。

「会談室に行けばよろしいんでしょう? 自分の家なんですから、わざわざ案内なんて不要です」

「いえ、それがですね。国王様は『謁見の間』でお待ちだということです」

「はっ……!?」


 セレスティアは大きく目を見開いた。


「どういうことよ!? 国王が国王に謁見なんて、おかしいじゃない!?」


 謁見の間ーー玉座に座る国王に、平民や貴族らが頭を垂れて話をする場所。

 だが《謁見》という言葉からもわかるように、それは格上と格下がやり取りをする場所なのだ。

 小国とはいえ、曲がりなりにもシュンは国王。そんな彼に対して《謁見の間》で対応するということは……


「シュンくん。どうやらあなた、喧嘩を売られてるわ」

「……やっぱり?」

 薄々感づいていたらしい、シュンも微妙な表情で頷く。

「お父様は、シュロン国を《国》とは認めないーーそう仰っているのよ」

「な、なにそれぇ!」


 魔王ロニンが憤慨したように声を張る。


「怒るなよロニン。それと剣も魔法も使うな。今回はそういう戦いだ」

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