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お○ぱい



 モゾモゾと。

 自身の布団がめくられている音がした。


 うっすら目を開けると、そこには見慣れない女の姿が。

 長い黒髪に、凛とした顔立ち。

 そして柔らかそうな白い肌と、目を見張るほどの巨乳。

 それら艶やかな肢体が、シュンの目の前に露わになっている。


 つまり、四つん這いの女に覆い被されている。


「なっ……んだ、こりゃ」


 シュンが言えたのはそれだけだった。

 視界のど真ん中に、豊満な二つの膨らみがあるのだ。

 思春期のシュンには刺激が強すぎる。


「あ、あう……」

 思考が停止状態になる。

 自身の激しい息づかいを、どこか他人事のように聞いている自分がいた。

「抱いて……ください……」

「っへ?」


 かすれるようなーーあるいは妖艶な声が、耳元で囁かれる。

 ぞくりと鳥肌が立つのを意識しながら、シュンは言った。


「い……いいのか?」

「はい……。抱いて、ください」

 ここまで来れば、シュンとて男だ。

 しかも今年で十六になったばかり。いかなきゃ男じゃない。

「じ、じゃあ、遠慮なく」

 シュンはおそるおそる二つの丘に手を伸ばす。


 瞬間、言いようのない快感が痺れとなって全身に達し、シュンは無我夢中で《それ》を揉んでいた。


 そう。獣型モンスター、《オーク》の両乳を。

「オホッ、そうそう、シュンサンうまいでオホッ」





「ぎゃああああああ!」 

 自分の悲鳴で目が覚めた。

 がばっと上半身を起こし、いまのおぞましい出来事が夢であったことを悟る。

「は、はぁ……」

 ため息をつき、シュンは視線を下向けた。


 たしかに最近飢えを感じていたが、よりにもよってオークの乳を揉むなどと……。さすがにそこまで落ちぶれたくはない。


「……ん?」

 ふと気付く。

 ここはどこだろうか、と。


 数年引きこもっていた自分の部屋ではない。

 無機質な灰色の壁。

 頑丈そうな鉄格子。


 そしてシュンはいま、お世辞にも寝心地が良いとはいえない固いベッドで寝かされていた。恐ろしいことに、血痕のようなものが至るところに染み着いている。


 まるで囚人のようである。いったいどうして……

 そこまで考えたところで、シュンはやっと昨日の出来事を思い出した。


 ーーそうだ、たしか俺は……


「目ェ覚めたかよ」

 ふいに脇から声をかけられた。

「いまやテメェら《村人》は大事な人質だ。おとなしくしておくんだな」


 そう。

 昨晩、シュンの住む村に、突然多くのモンスターが襲いかかってきた。彼の村にはろくに戦える者がおらず、呆気なく全員捕らえられてしまったのだった。 


「ひひひ、テメェらを人質に取りゃ、《勇者》にも隙ができるってもんよ。テメェらのおかげでオレたち魔物は安泰だぜぇ?」

「お、おまえは!」


 しかし、シュンはまた違ったことに衝撃を受けたのだった。


「さっき夢に出てきたオーク! おおおおおいおい、まさかおまえ、俺に欲情してるんじゃねえだろうな!」

「ああん? なに言ってんだテメェ?」

「馬鹿やめろ! 近づくな!」


 自身の尻を必死に隠すシュンに、オークは目をぱちくりさせる。

お読みいただきありがとうございます。

よろしければ、ブクマ、評価(最新話の下部にページがあります)、レビューなどお願い致します。

完結までに10000pt……頑張りたいと思っております。

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