戦いの呼水
数日後、焔は少しだが、クライドに打撃をかすらせ始めた。次の瞬間クライドの腹に一撃が決まった。
『水流よ我が前に逆巻け。水逆柱』クライドが水の中で唱えると、自分達の周りの水が水の柱にさえぎられた。
「よくやったな。これである程度の戦う力をえたはずだ。次は陸での組み手だ。だが私は方術は使わないが反撃はするぞ。」
「ハイッ」焔は嬉しそうにこたえた。
夕暮れまで続いたこの訓練。焔はいつの間にかクライドの攻撃をかわしはじめた。
そこに伝令がきた。「一時訓練を停止する。少し私は王宮に行ってくる。君は兵舎に戻っていてくれ。」
その夜、休養している者も含めセアルド隊は食堂に集められた。
クライドが皆に話始めた。
「この度、遠征任務についているセアルド様達が・・・敵国に捕縛された。情報によれば現在拷問されているらしいが生きているらしい。私は敵国に乗り込む考えだ。皆で行けば怪しまれるだが、先発隊として私が潜入し、脱出経路を確保しておいてほしい。これは副長命令ではない。私個人の頼みだ。」
「俺達は動けます。」四人が挙手した。
大斧のガイン 双剣のクレイン 龍拳のフェイル 蒼弓のブリック
四人とも戦士長で力はセアルドが認める強者だ。
「私も行きます。」焔も挙手した。「わかった。では、私はこの五人とともにセアルド様達の奪還任務につく。他のものはすまないが連絡があるまで待機していてくれ。療養に関してはセロが面倒をみるとのことだ。準備が出来次第出立する。」