成長期
夕暮れにセアルドは王に呼ばれ謁見に来ていた。
「前戦の働き御苦労であった。戻って直ぐではあるが東方の国 シナイグに我が国に攻め混む気配があるらしい。そこで貴公に調査して貰いたい。」
「シナイグは周辺の大国と敵対し、我が国に攻めいるほど戦力があるとは思えませんが。」セアルドが問うと王の横にいる軍師テラスが割ってはいった。
「私が話そう。シナイグは自国の侵略を恐れ悪魔と手を組んだと言う。本当に悪魔に魂を売ったのなら他国だけでなく平安を求む者の敵だ。」
「世の平安の為に頼む。」王がいうと、セアルドは了承した。
その夜、兵舎にて部下を集めた。その中には焔もいた。
「皆わかっていると思うが今回、ここにいる焔が我が隊にはいった。」皆から拍手が上がった。
「それでは、王からの命を伝える。我が隊は東方の国シナイグに向かい我が国にシナイグが攻めいる動きがあるか調査せよとのことだが、前戦の化け物の被害で満足に動けぬ者が多くいる。そこで私と共に遠征に行く者を5人選出する。焔はすまないが今回はつれていけない。君は副長指揮のもと訓練をしていてもらう。」
「明日よりすぐ戦場に行けるよう鍛えてやる。」そう副長がいった。
次の日
セアルド達はシナイグに向かった。
「あらためて今日より君を鍛えるクライド・レイズだ。この隊で副長をさせてもらっている。」「焔です。お世話になりますレイズ副長。」
「君はセアルド様から聞いた所で、確か火炎方術が使えるんだったな。」「まだ、ふなれですが。」そう言うと焔は手のひらに火の玉をだした。
「君は力の引き出しかたを学ぶ必要があるな。方術とは魂に刻まれた力であり、人々を守るため神が授けた力であるとされる。つまり想いが強ければ強い力をひきだせるんだ。」そう説明すると町外れの川に連れてこられた。
「まずは基礎からだ。力に見合う身体に鍛る。川に潜りわたしと組み手をし、まず一撃をいれてみろ。私は一切手を出さない。」
二人同時に川に潜ると、焔は真っ直ぐ殴りにでた。だが、身体が鈍く呼吸もままならず、クライドは陸とかわらずよけてしまう。この鍛練は毎日続いた。