旅立ちの日
夜が明け眩しい日の光で俺は目を覚ました。起き上がり早速旅立の準備を始める。そのとき黒帝も起きだしたみたいで声をかけてきた。
「よぅ!蓮おはよう。今日もすがすがしい朝だなぁ。」
「あれ、黒帝も起きたんだ。おはよう。」
「おうよ。今日は蓮が旅に出る日だもんな。久しぶりに外の景色が見れるからなすげぇ楽しみなんだよ。」
「へ〜そうなんだ。あ!!エリスが来たみたいだよ。」
ガチャ!とドアが開くような音がした。コツ、コツ、コツ、と規則正しい音がしてエリスが現れた。
「やあ。おはよう蓮。昨夜は良く眠れたかな?」
「ああ、おはようエリス。よく眠れたよ。」
実際は黒帝と夜中まで話していて、あまり寝ていなかった。でも俺はそれを言うほどバカじゃない。
「そうか。それはよかった。旅の準備もできているみたいだしもう行くか?」
「ああ、そうするよ。あまり長くいてもしょうがないしね。」
「そうか。じゃあ着いて来い正門まで案内してやる。」
そういってエリスはもと来た道を歩き出した。俺もその後に続いた。
しばらく歩くと、正門が見えてきた。正門には門番がいてこっちを向くとエリスに挨拶をした。
「おはようございます。エリス隊長。そちらの方が今日旅に出るお方ですね?」
「ああそうだ。門を開けてくれるか?」
「分かりました。」
そういって門番は大きい門の右下にある小さい門を開けた。さっきエリスに聞いた話だが、この大きい門はよほどのことが無い限り開けないらしい。10〜15年位までは開いていたらしいのだが、この大きい門が仇となり大規模な盗賊がどんどん国に入ってきたらしい。それ以来大きい方の門は貴族や商人が出入りする以外使われなくなったそうだ。
「蓮よ、ここから先は魔物も多くいるだろう。十分気をつけていくのだぞ。君の安全を祈っている。ではさらばだ蓮。旅をしていればまたいづれここに来る事もあるだろう。その時は君を歓迎しよう。今度は不審者扱いではなくな。」
「はは、まったくだな。不審者扱いはまっぴらだ。エリスも元気でな。今度来たときは歓迎してもらおうかな。じゃあねエリスまた会おう!!」
こうしてレンは旅に出るのであった。