武器屋にて
「うお〜すごいな!!これが城下町か!」
今俺がいるのは、セイル王国にある城下町だ。日本に住んでいた俺にとってはこういうところに来たのは当然初めてで今すごくテンション上がりまくりナ状態なんだよな。
城下町には見たことの無い果物や野菜があって俺はなんだかやっと異世界に来たんだなっていう実感が沸いてきた。
「はしゃぐな鬱陶しい。君がはしゃぐとこっちが恥ずかしいだろうが少しは静かにできないのか!!」
「だってさ〜どれも初めての事ばかりですっっっげえたのしんだもん!!しょうがないじゃん。」
「まぁ、楽しいのは分かるが、それでも少しは抑えろ。さっきから町の人達がこっちをみてるだろうが。」
本当だ、通り過ぎる人たちがこっちをちらちら見てる。うわ〜やばいな少し恥ずかしくなってきた。
「すいません。少し抑えます。」
「まったく!!もういい。ほれ、武器屋に着いたぞ。好きなだけ見ていいからな。私は、仕事があるからもどる。夕方になったら迎えに来るから、それまでに選んでおけ。」
「ふ〜ん仕事か。そういえばエリスはなんの仕事してんの?」
「私は、国直属の近衛兵の隊長をやっているんだ。」
「へ〜っって!!お前こんなところで油売ってていいのかよ。仮にも隊長だろ。」
「いいわけなかろう。だからこうして今から仕事に行くのではないか。」
「ああ。そうだったな。引き止めたりして悪かった。いってらっしゃい。」
「いや、別にいい。それより蓮、ちゃんと武器選んでおくんだぞ。」
そういってエリスは俺を置いてせっせと仕事に行ってしまった。
「はあ〜これからどうしよう。とりあえず武器でも見るか。」
そして俺は武器屋に入っていくのだった。
ガチャ
「いらっしゃい。」
武器屋にいたのは4〜50代位の白髪白ひげのおっさんだった。こっちを見向きもしないで新聞みたいのを読んでいる。
俺は店に飾ってある武器を文字どおり端から見ていった。
「何かいいのないかな〜〜。」
飾られている剣はいろんな種類があった。エリスが持ってるような両刃の長剣や片手剣、大剣など様々な種類の剣があった。その中で俺の興味を引いたのは右端にある日本刀に似たような剣だ。なぜその剣に興味を引かれたかというと、他の剣には無いオーラのようなものがあったからだ。まるでこの剣が俺に買えと言ってるみたいに感じられた。なぜかは分からないでもそんな感じがした。
「少年、その剣を買うのか?」
!!
いきなりおっさんが話しかけてきた。
「ああ。これにするつもりだ。」
「ほう、少年なかなか剣を見る目があるみたいだのう。でもそれはやめておけ。その剣は魔剣じゃ。魔剣は持ち主を選ぶ。今まで約15年その魔剣を抜けたものはいない。」
「へ〜そうなんだ。でも俺はこの剣を買う。この剣が俺を呼んでる様な気がするんだ。」
「なるほどな。魔剣が呼んでいるか。では少年その剣を抜いてみろ。そして見事にそいつを抜くことができればその魔剣をただでやってもいいぞ。どうする少年抜いてみるか?」
そういっておっさんはニヒルな笑みを浮かべた。
「分かった。抜いてみる。」
俺は剣を手に取った。剣はスラっっっと言えるほど簡単に抜けた。刀身は黒一色輝いていた。俺はやっぱりすげぇと思った。抜く前でもそのオーラは他よりもすごかったのに、抜いてみたら抜く前よりも遥かに上まっていた。
「なんと・・・なんという輝きじゃ。」
おっさんは地面に膝を着きながらいった。
「これが魔剣かすごいな。すごいとしか言いようが無いほどすごいな。
おいおっさん!これ抜けたんだしただでもらっていいんだよな?」
「ああ。20年武器屋をやっていてやっと現れた魔剣の持ち主じゃ。逆にこっちが貰ってやってくれといいたいくらいじゃ。」
「よっしゃーー!!武器げっとだぜ」
「ところで少年よ、分かっているとは思うがその剣が魔剣だということは誰にも言ってはならんぞ。魔剣はどの時代においても忌み嫌われる存在だからな。」
まぁそりゃそうだろ。魔剣って名前がつくぐらいだからな。
「ああ。分かったよおっさん。誰にも言わない。」
「うむ、それが長生きする秘訣じゃ。」
それからはエリスが仕事から帰ってくるまでおっさんと無駄話をして過ごした。
第4話up!!
全然話が進まなくてすいません。次か次の次位には旅にでますので。