武道大会2
俺とミラはそれぞれ違う控え室に入った。この大会では、男と女は別々で戦うシステムになっているそうだ。
だから控え室も別々になったってわけだ。ちなみに控え室は全部で50室ある。
それにしてもムサイ!!!なんなんだこの異様なまでのむさくるしさは!!ていうかなんで俺の控え室には筋肉質のムサイ奴しかいないんだ!!ああ、いやだ〜誰か控え室代えてくれ〜
俺がそんなことを切に願っていたときアナウンスが入った。
「すぅ〜お前ぇら〜!!よくぞこのアルカニア王国武道大会来たなこのやろ〜!!!」
息の吸う音の後に発せられた言葉は鼓膜が破れるんじゃないかと思わせる程の大きな声だった。
思わず耳を塞いでしまったがそれでも聞こえるその言葉に少し苛立ちを感じた。
うっせぇな〜もうちょっと静かにできないのかな〜ただでさえこんなむさくるしい所に入れられているだけでも腹が立っているのに加えてこの声、ぶっ飛ばしたくなるな〜
と蓮が物騒なことを考えている内にルールの説明やらが話されていた。説明やら何やらはあらかじめパンフレットみたいのに書いてありそれに眼を通してきたから聞かなくても大丈夫だ。
そしてここからが本題。この大会ではまず予選から始まると書いてあった。しかしその内容は書かれていなく何をやるかはわからない。
「よぉ〜し!お前ら準備はできてるな?ではこれより予選を開始する!!その内容は・・・
・・・戦いだ。今この放送を聞いている奴らは全員控え室にいるはずだ。
そしてその控え室こそがお前らが戦う闘技場だ!!そこで勝ち残った2名が本戦出場の権利を得る事ができる!!
最後に一つ・・・健闘を祈る!!始め!!!!!!!!!!!」
その言葉と同時に皆が動き出す。考える事は一緒。弱そうな奴から潰そうという事だ。
「はぁ〜うざいな。」
「おい、まずはお前だ、痛い目見たくなけりゃあ棄権することだな。どうする?」
クックックと筋肉質のムサイ男達が俺にその巨体を向ける。
はあ本当にうざいな。全員動けなくしてやるよ!!
男の一人が俺に触ろうと手を伸ばす。
ヒュッッ
「え??」
ぼと!!
何かが落ちる音がした。蓮に向かって手を伸ばしていた男は、肘から先が無いことに気づいた。
「あ・あ・あああぁぁぁああああああああああ!!!!!腕が!!俺の腕がァァぁああああああああ!!!!!!」
「うるさい。」
ドッ!!
黒帝の柄の部分で首を一突き、その男は気絶した。
「弱いな、この程度かよ。なら技を使うまでもねぇ。
5秒だけ猶予を与えてやる。この男のようになりたくなければ今すぐ棄権しろ。」
全員がその言葉に込められた殺気にたじろいだ。
「5」
「4」
「3」
「2」
「ゥォオオオオオオオオ!!」
集団の中に居た男の一人が雄たけびをあげた。おそらく気合を入れるためだろう。そして蓮に
突っ込んで来た。そしてそれに合わせるように、全員が蓮に向かってきた!!
「1」
ワァァァアアアアアアアア!!!!!
「0」
低く殺気の篭った声、黒帝を握り締め向かってくる奴らを片っ端から斬っていく、もちろん誰も殺さないように、かつ動けないように四肢を斬る。
数分後、そこに立っているのは蓮一人だった。