怪奇体験談_帰宅途中
私の、ちょっと怖かった体験談です。
怪奇体験談シリーズ、どうぞお楽しみください。
昔からその土地に住んでいる人達に伝わる
「いわれ」のある土地って、何かしらあるようですね。
うちの近所にも、そういう土地がありましてね
ある日、そこに家を建てて家族が越してきたのですが
勿体ないことに、すぐ出て行ってしまったんです。
その後、別の人が住んだのですが、すぐに出て行くとか
意外と長く住んでるなぁって思っていたら
住人の様子がおかしくなっていたとか……。
古くからいる地元住民だけが、その理由を知っているのですけどね。
よくある話であっても、実際に自分が経験するとなっては別問題です。
それは20年程前の事。
冬の19時くらいで、まだ普通に人が歩いている時間帯。
田舎なので、辺りは街灯と窓の明かりしかなく
車のライトの範囲までしか前が見えません。
たまたま、その「いわれがある家」の前を通って帰宅したある日
普通車1台が通るのに、やっとの幅しかない道なので
門からの飛び出しにも注意しながら車を走らせていたら
おじいさんっぽい人が道の端を歩いていました。
てっきり近所の人だと思い、ゆっくり抜かしながら見ると
全然知らない人でした。
「どこの人だろう」と思って
サイドミラーでチラ見しながらゆっくり走っていると
だんだん透明になって消えちゃったんですよ。
最初のうちは
あ~見えちゃったってヤツ?って感じだったけど
間もなく ゾゾゾっと恐怖感が襲ってきて
『絶対、バックミラーを見るもんか!!』と心に誓って
とりあえず自宅前を通過。
万が一 それが霊で
もしも自宅に付いて来ちゃったら嫌でしょ?
だからコンビニに寄って、
怖かった雰囲気を勤めて明るくして
それから自宅に帰りました。
当然、さっきとは別の道から
家路に着きましたよ。
だって、もしもまだそこにいたら……嫌でしょ?
<終>