あれ?もう終わり?
先生が次の種目を言う。
「次はシャトルランな」
「「「おい待てこら!!!」」」
おお、皆の気持ちが揃った。
「何か不満でもあるのか?」
首を傾げ純粋に聞いてくる先生。ちくしょう、女性なら許してた。
「大ありだ!50mの後だぞ!」
「いま走ってへろへろじゃ、ボール投げにせい!」
男子が猛反発している。あの‥、まだ元気じゃん。
「それだけの声が出せるんだ、まだいける!」
先生が笑顔で言った。
そして、休憩なしでシャトルランが始まり、さらにその後も過酷なテストが行われ1日の幕を閉じた。
「あれ?もう夕方?速くない?」
帰り道、マツダが変なことを言いだした。
「俺もそう思う、いつ夕方になったんだ?」
吉春までもが変な事を言い出した。どうしたのん?
「お前らどうした?いつもと同じだろ?普通に授業があって……」
あれ?思いだせない。どうしてか、スポーツテストの後が思い出せない。あれ?くそっ!全く思い出せないというより……
「その後の記憶がない……」
「そうなんだよスポーツテストの途中から記憶がない」
そう考えると物凄く寒気が襲ってくる。もうやめだ……
「もしかして誰かに魔法かけられてるのかもな!」
吉春が場を和ませるために冗談を言って来た。
「魔法なんて現実にないだろ」
「ははは、だよなー」
「吉春はマンガ読みすぎなんだよね!」
「お前に言われたくないぞっ」
その後は何故かマンガの話で盛り上がり家まで帰った。
そういや、スポーツテストの時目つきの悪い奴が窓ごしにこっち見てたよな……二年生か?
俺たちはもう高校3年か、早いな…………
今日の空は何故かいつもより紅く見えた。
「…………」