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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

誕生日の日に

作者: 工藤
掲載日:2026/07/31


 今日、私の誕生日です。


 そんなめでたい日に、ふと死にたいと思いました。


 学校、趣味、勉強、ほとんどの事に、興味が湧かないのです。


 心臓一つの鼓動が、呼吸の一つが、私のナニカを鷲掴みにして、とても気持ちが悪い。


 試しに首を絞めてみました。


 両の親指をクロスさせて気道を挟み込んで、しっかりと力を込めて絞めました。


 唾を飲み込もうとしたら、喉仏が上手く動かなくて飲み込むのに時間がかかった。


 苦しかったはずなのに、それをどうでも良いと思ってしまう自分が怖かった。


 死への恐怖よりも、息が出来ないという事で手を離してしまった自分が、悲しいと感じてしまった。


 人より忘れやすい、他人に興味が無い、感情の起伏があまり無い。全部、家族に言われた事です。

 生きるか死ぬか、それを悩んでいた自分すら忘(・)れ(・)か(・)け(・)て(・)い(・)る(・)私は、何なのでしょうか。


 ここ数年、私は笑った事があります。ですが、笑った事を覚えていて、なぜ笑ったのかを思い出せないのです。

 部活の事も、勉強の事も、家族の事すらも、私にとっては簡単に消えてしまう物だったのでしょうか?

 

 私は今、高校生です。中学校1年以前、私は何をしていたのか、ほとんどの事が抜け落ちています。


 昨日の晩御飯すら覚えてない私が、覚えてるわけがありません。


 何をしたのか、どう過ごしたのか、私はそれをまるで映像の様にしか観れません。

 目の前で何が起きようと、私はそれを当事者として感じ取れないんです。

 その時私がどう感じたか、昂ったはずの感情が、コロリと落ちて消えている。記憶の中の私が無機質な人形の様に見えてしまう。


 学校での私は、汚れてるんです。


 真っ白なキャンバスじゃなくて、その汚れ(記憶)が落ちない(忘れない)ようにする為に、私は自分を偽る以外無かったのです。


 死にたいわけじゃ無い。ただ消えたい、それだけです。

 首に残る微かな気持ち悪さを抱えて、17歳になりました。


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