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ArcanaReWrite  作者: 上月琴葉
第三部ステラ・マリス
23/33

第十九幕 受け継がれし記憶

 ーー貴方は【記録者】です。【海の民】と【人魚】そして【海から来るモノ】。我らが辿った歴史を次にここを訪れる人に伝えなさい。


「....命令を受諾しました。レコードキーパー、個体名【】はマスターに従います。ところで、スリープモードに移行する前にマスターにひとつ質問です。遠い未来にその使命を果たし終わった時、私はどうすればいいですか?」


 ーーそうだな。新しい未来を【記録】すればいい。誰かと一緒に世界を巡って、美味しいものを食べて、美しいものを見るんだ。


「私はマスターの願いを受け入れます。それでは、また、マスター」


 ーーまたな【】。



**


「晴れたねえ」


「カストルとボクに感謝!」


「ナーヴェ船長だけでは海が荒れて目的地まで辿り着くことができないので特別ですよ」


 トリチェッロ区の湾岸地区を一隻の船が出航する。目指すは【海の夢跡】と呼ばれている、かつて海の民が築いた巨大な海洋都市だ。


「【海の夢跡】は天気がいいだけで行けるわけじゃない。海流や潮の満ち引きなど複雑な条件があるんだ。それに大体海が荒れる。ソーレ、ラピョージャ。お前たちは間違いなく呼ばれてるぜ」


 ナーヴェの船は見た目こそ中世の帆船だが、中身はもちろん現代シルクス仕様になっている。目的の海域までは自動航海だ。


「呼ばれてる、確かにな。トリチェッロ区の区核石であるアクアマリンは今朝までずっと眠ってた。けど、今は目覚めている感じがある」


 ラピョージャの言葉にソーレも頷く。


「ああ。おかしな話だが少し懐かしい感じがする。前世で【海の夢跡】になんらかの縁があったんだろうか?」


「前世、ねえ。ま、そういう縁もあるのかもしれねえな」


「前世とか言ったら笑われるかと思ったぜ」


 ラピョージャの言葉に、


「まさか。トリチェッロ区の人々は結構信じてるよ。まあ、生まれた時から自分たちが【海の民】の末裔であることを刷り込まれて育つからね。少なくとも【海の民】は前世を信じていたようだ。【海の夢跡】にまつわる伝説の話をしてあげるよ」


 リメニアは静かに唇を開く。


 ーー古代の【海の民】は、相次ぐ【海から来るモノ】の襲撃でなんども過去を喪うことになった。それは【人魚】という力を手に入れた後も変わらなかった。


 巨大な海上都市は繁栄してはまた壊滅を繰り返し、巨大な海上都市を治める者は【海から来るモノ】によって地区が壊滅するたびに変わった。


 ある長は、ひとりの【人形師】に依頼する。


「わたしたちの歴史を、ここにあった歴史を語り継ぐ【人形】が欲しい」


 人形師は依頼を受けた。


 遠い北の雪山から取り寄せた特別な水晶に、術式ーーレコードキーパーを刻み、それを核とした【人形】が生まれた。


【人形】は人間として生き、【海の民】の中で暮らし、海上都市の歴史を記録し続け、都市の滅びとともに眠りについた。


「……まあ、あくまで言い伝えだけどね。で、そのレコードキーパーを探すのがナーヴェの夢なんだよ」


 ナーヴェは「ああ」と頷いて睫毛を伏せた。


「俺は、レコードキーパーに会いたいし、会わなきゃいけない気がしてるんだ。昔から不思議な夢を見た。海に半分沈んだ廃墟に、真っ白な髪で海の色の瞳の青年が佇んでいる。ただ、それだけの夢だ。けどさ、忘れられなくて。そいつを見つけるために勉強して船舶の免許を取って……だけど、【海の夢跡】のあった海域がわかってもその先には進めなかった」


 その海域に入った瞬間、海が荒れる。雷鳴が轟き、海流が変わる。何度挑んでもそうだった。それでも諦めない俺を皮肉るように、湾岸地区の人々は俺を【最強】と呼ぶようになった。必ず荒れる海から無傷で帰ってくるからと。


「けど、リメニアもカストルとポルクスも俺のことを笑わなかった。リメニアの、「今は、その時じゃない。いつか道は開ける」って言葉を信じてるから、俺は仕事のない時は迷わずあの海域に挑めるんだ。だって、そのいつかが、今日じゃない保証はないだろ?」


「オレは好きだぜ。そういう考え方。そもそもオレも、ソーレを目覚めさせるのには苦労したからな」


「ラピョージャ、その話は……」


 ラピョージャは、長い睫毛を伏せる。


「……シルクスの【人魚姫】がどういう話かはトリチェッロ区でも有名だと思う。人魚姫は住む世界の違う王子に恋をする。そしてその恋が叶わないことを知る。だけど元の世界に戻るためには、王子を殺さないといけない。……【色欲】の七罪【人魚姫】を背負う俺たちが辿ったのもほぼ同じ道だ。だけど、俺は、【人魚姫】は……【王子】を……ソーレを殺せず、迷った末に王子は自分自身を刺したんだよ」


 ーー【童話の魔女】が【童話の檻】に抗うことは許されない。だから【童話の魔女】の資格を剥奪された上で、俺たちは消えるはずだった。


 けれど、誰かが助けてくれて、今ここに立っている。


「それでもソーレは眠りの罰を受けることになって……目覚めさせるまでには百年ぐらいかかった……だから、オレはナーヴェを笑わないし、笑えないんだ」


「百年?じゃああんたたちは百年前の人間……いや、人間なのかい?」


 ラピョージャは静かに頷く。


「人間……ではあるんだと思う。少なくとも、人間でありたい。けれど、俺の記憶には少しだけ欠けがある。だから、よくわからない。これはソーレも同じだ。確かなことは俺たちが【人魚姫】の能力を分け合っていることと、誰かが助けてくれたこと。俺たちが旅をしているのは、欠けた記憶を埋めるためと、助けてくれた誰かを探すためだ」


 ソーレは静かに続ける。


「ああ。その誰かが人間なのかもわからない。パフェには懐かしいものを感じたがその誰かではない。彼にももちろん感謝はしている。……目覚めた時、見慣れた世界はどこにもなかった。そんな世界で俺たちを普通に受け入れてくれたからな。だから、俺たちは【童話】に協力して、情報収集……諜報のようなこともやっている。海上都市の記録に手がかりがあればいいんだがな」


「きっと見つかるさ。最強の船長がついてるんだからな。よし、海域に入ったぞ」


 ナーヴェはポン、とラピョージャ、ソーレの肩を叩く。


「海域に入ったにしては静かですね」


「そだね。それに、いつもと違う。あれ、【海の夢跡】じゃないかな」


 カストルとポルクスは行く手に浮かぶ廃墟群を指差す。


 ーー待っていました。マスター。そして、記憶の【継承者】たち。


 穏やかな声がして、船は引き寄せられるように海流に導かれ、ナーヴェたちは【海の夢跡】の地を踏んだ。


**


 【海の夢跡】。トリチェッロ区で今はその名で語り継がれるかつての海の民の海上都市。その都市のかつての名を知る者がいるなら、レコードキーパーのみだろう。


「足元、気をつけろよ」


 ところどころ崩れてはいるが、城壁も広場も昔日の壮麗な面影を遺していた。


 ナーヴェは先頭に立ち、何かに導かれるように音なき海上都市を奥へ進んでいく。


「ここだ」


 彼は、ある崩れかけた神殿の前で足を止める。


「……アクアマリンの気配だ」


 ラピョージャはそっと神殿の扉に手を翳した。


 ーー認証。


 不似合いな機械音声とともに、神殿の封印は解かれた。


「……地下からだ。ナーヴェ、ここからは俺たちが先導する。【文字喰い】や【紙魚種】の気配を感じるからな。……ソーレ」


「ああ……我ら【色欲】の七罪を背負う【人魚姫】。……【共鳴】」


 ラピョージャとソーレはそっと手を合わせる。青い光に包まれたふたりは一部が異形化し、水を纏った。


「珊瑚のツノ、重いんだよな。ソーレみたいに鱗だけなら良かったんだけど」


「それは俺に言われても困る。無駄口を叩いてないで行くぞ」


 ソーレは迷わずに地下へ続く螺旋階段を降りていく。


 ナーヴェたちも後に続いた。


 地下神殿は壁自体が淡い青に発光していた。長い巡礼路を埋め尽くす【紙魚種】や【文字喰い】はみな、海洋生物を模した姿をしていた。


 例えば、蟹。固い甲羅はナーヴェの銃弾やカストルとポルクスの暗器を防ぐ。


「……燃えな!」


 リメニアは戦闘用の炎呪文で蟹型紙魚種の対応を一手に引き受ける。焼き尽くされた蟹の紙魚種は灰になった。


 一方で呪文が効きにくく毒を持つ海月の紙魚種相手にはナーヴェとカストルとポルクスの暗器と銃のコンビネーションが炸裂した。


 紙魚種の上位種である鮫の文字喰いには戦闘能力の高いラピョージャとソーレが対処する。接近戦型で水を纏ったレイピアで確実に敵の急所を貫くラピョージャと、呪文型でバフデバフのサポート能力を持つソーレ。互いの弱点を補い合うふたりの前に、鮫型の【文字喰い】は抵抗虚しく一掃されるしかなかった。


「さて、これで螺旋階段もおしまいだな」


 巡礼回廊をいくつか抜け、螺旋階段をいくつか降りた先には、青い光に満たされた空間があった。その中心にアクアマリンがあり、寄り添うように置かれた培養槽の中で真っ白な髪の青年が眠っていた。


「……夢で……見た。何度も」


 ナーヴェは引き寄せられるように培養槽の前に歩いて行き、ガラスにそっと触れる。


「……ユナタ」


 口から自然に溢れたのは、レコードキーパーではなく、かつてレコードキーパーのマスターが彼を呼んでいた名前だった。


 ーーああ、その名前を知るあなたは。転生したマスターなのですね。


 培養槽の中の青年は一筋の涙をこぼし、応えるように培養槽のガラスが砕けて。


 ユナタは海の色の瞳をゆっくりと開いた。


**


「お久しぶりです。マスター。そして記憶の【継承者】たち。レコードキーパー、ユナタは再び覚醒いたしました。海上都市ネタンシアへようこそ。これよりアクアマリンの力を借りて、【継承者】たちに私の記憶を開示し、【継承】します」


「ユナタ、ナーヴェ達はトリチェッロ区の人間だが、オレとソーレはトリチェッロ区の人間ではない。それどころかおそらく【童話の魔女】や【童話の檻】はこの世界の外に由来している。それでも継承していいのか?」


 ユナタは頷く。


「ネタンシアの記憶は、結局のところはただの歴史にすぎません。私は、人間として権力者ではなく、名もなき人々の記憶を記した。本来なら歴史に埋もれるはずの取るに足らないような、だけどとても愛しい日々を」


 アクアマリンが淡く輝く。


 ナーヴェ達が見た映像は本当にただの市民の日常でしかなかった。


 時折起こる海から来るモノとの戦い。都市の一部の壊滅と修理、年に数回あるお祭り。ユナタが好きだった街の食堂。そして、ネタンシア最後の日。


 ネタンシア最後の日は、特に大きな戦いや壊滅によって訪れたのではなかった。


「これで市民のみなさんは船に乗れましたか?これが最終便ですよ!新都からここへの船便はもう永久に出ませんからね!!」


 そうアナウンスがあって、ネタンシア住民が去ってからほぼ十年目の朝。


「よし、これで完成だ。君たちの協力にも感謝するよ。【人魚姫】と【王子】。そして「」。もちろんユナタにも」


「おめでとう。私たちは人魚の国に行くけれどクリス、あなたはどうするの?」


「そうだ。もう船便はこの都市には来ない。ユナタもスリープモードに入った。「」もここに長くは留まれないだろう」


「ああ、それについてはこの金髪の彼から面白い話を聞いた。【界渡り】の能力が私にあると。だから別の世界に行こうと思う」


「それがいい。少なくともここで独りで死んでいくよりはね。アクアマリンもまもなく眠りにつく。発つなら今夜の満月がおすすめだよ」


 話し終えると四人は別々の道へ歩き出し、そしてその道が交わることはなかった。


 静まり返る研究室。ユナタのマスターだった男は、自分と同じ姿をした人形をユナタの横に置いた。


「ユナタ。私は魂を分けておこう。半分は別の世界にこの人形の体とともに連れていく。だけどもう半分は、いつか遠い未来に君が目覚めた時に生まれ変わって側にいられるように、置いていく。君が寂しくないように。百年の孤独を強いたせめてもの償いだ」


 そして男は特別なナイフで、心臓を突いた。


 本当に男が別の世界に行けたのかを知る者はいない。確かなのはネタンシアの最後の晩、開け放たれた窓の外の満月に一瞬男の影が映ったことと。


 アクアマリンの記憶によると、翌朝、人形が姿を消していたということだけ。


「……アクアマリンの記憶は、私が眠った後のものです。記憶が確かなら……」


 ユナタは培養槽の横に残る人骨を見つけそっと手に取る。


「……マスター。私は目覚めました。そしてあなたの生まれ変わりであるナーヴェに出会い、【継承】も終わりました。この世界の貴方の役割は終わりました。安心してお眠りください」


 長年の潮に侵食されて脆くなった骨は静かに砕けた。


「……ユナタ。俺の船に来い。お前はもう自由だ。そしてマスターの生まれ変わりが俺だって言うならきっと、あんたがずっとここにいることを望みはしないさ」


「はい。ナーヴェ。マスターは最後に言いました。使命を果たし終わったら、新しい世界を記録すればいいと。あなたがいいなら、私はあなたの側で世界を見たいのです」


「決まりだな。よろしく、ユナタ」


「よろしくお願いします、ナーヴェ」


 かつてのマスターと記録人形はこうして時を超えて再会を果たしたのだった。


**


 ネタンシアを後にした船の上、ラピョージャとソーレは浮かない様子で潮風に吹かれていた。


「なあ、あの名前がわからない金髪の男と、【人魚姫】に【王子】。あの男は……なんだかとても懐かしい気がした」


「同感だ。それに【人魚姫】に【王子】……彼らは俺たちの前世なのか?」


 ラピョージャは少し考えて、


「わからない。彼らは【人魚の国】に行くと言っていた。その場所の手がかりがわかるまでは何もわからないだろうな。ただ、現代シルクスの【童話】はただのお伽噺ではないかもしれない。もしかしたら各地区に【童話元型】――アーキタイプスがいるのかもしれないな。それらと【童話の檻】――メルヒェンケイジや【童話の魔女】、それに【七罪】は……流石に無関係ではないと思うぜ」


「そうだな。ただ、今は考えても仕方ないだろう。目下の問題はアクト・フィグメントと鏡像事件の解決だ。大丈夫。俺たちには普通の人間よりはずっと……時間があるはずだから」


 ソーレの言葉に、ラピョージャは頷く。


「それもそうだ。戻ったら何食べるかな」


「ナーヴェの奢りで何か美味しいものでもーー」


 急に、船が揺れた。


「あ、ふたりともちょっといいかい。今、この船はまっすぐ寄港するんじゃなくてある島に停泊した。なんでもカストルとポルクスの使い魔がアクト・フィグメント幹部を見た島らしい」


 慌ただしく姿を見せたリメニアの言葉に、ふたりの緊張は一気に高まった。


「アクト・フィグメント……!よし、出番だな」


「ああ、元々パフェからの任務はそれだ。こなせるなら都合がいい」


 リメニアはため息をつく。


「血の気が多いのは結構だけど出てるのは救難信号なんだ。アクト・フィグメントをボコボコにしても構わないけど、助ける人間は助けてくれよ?」


 その後、船は島に到着し、洞窟にて青年がふたり保護された。


 ひとりはトリチェッロ区の美大生フィオレ。


 そしてもうひとりはアクト・フィグメントの【棒】としてトリチェッロ区の新聞に顔写真が載っていたリキ。


 だが、リキの説明と動物たちの証言により、リキはアクト・フィグメントの【棒】ではなく、本当の【棒】は金山財閥の社長であることが明らかになる。


「……ナーヴェ。湾岸地区に寄港した後、すぐに北地区に船で運んでもらえないか。金なら払う」


「ああ。事態は急を要する。中央地区の【物語】にも今連絡を入れた」


 ナーヴェはニヤリと笑う。


「はは。金なんか要らねえよ。トリチェッロ区でアクト・フィグメントは散々色々悪事を働いててね。個人的にぶちのめしたかった」


「はいはーい、ボクも行くよ!」「協力します。トリチェッロ区の平和を乱す者は許しませんので」


「もちろんアタシもね。フィオレが無事だったのは良かったけど、湾岸地区の【魔女】の末裔として、引き続きあんた達に力を貸すよ。ナーヴェの夢を叶えてくれた恩もある」


「……ありがとう」「感謝する」


 こうしてナーヴェの船が寄港後に北地区を目指すことが決まった頃。


「ふむ。ではこちらも動こう」


「シレーナ。僕を信じて。きっと君の運命を変える方法はある。それに……あのよくわからない勇陽って人も、行方不明になってるなら助け出して色々聞かないと」


「うん。ひとりじゃないならきっと大丈夫。勇陽さんを見つけ出して、【鏡像】と入れ替えられた人々も助けるよ」


 霧に包まれた島でも紡、グーフォ、シレーナの三人が動き出していた。


「ふたりとも忘れるな。トリチェッロ区は偽りと真実が折り重なった区だが、それゆえに【信頼】はもっとも大きな武器になる。北地区へ転移する。目を閉じていなさい」


 中央地区。夜の闇に紛れながら緋弦、ユエ、紫穂は北地区へ向かうゴンドラに飛び乗った。


「まさか、そんなことになってるなんて思わなかった……ユエさんや紫穂がいてくれて良かった……」


「流石にお姉さんもびっくりよお。待ち合わせは【水鏡の館】だったわね?大丈夫。お姉さんがいる限りは緋弦ちゃんには指一本触れさせないわあ」


「ああ、切り刻んでやる」


 緋弦は、頼もしいふたりを横目にそっと【栞】のメッセージに目をやった。


 緋弦。俺は無事だ。安心してくれ。【水鏡の館】で会おう。


 ひと雫だけ、涙が落ちて画面を濡らした。


「……そろそろ俺たちも傍観者ではいられなくなるんだろうな」


 水鏡の館で人数分のドルチェを切り分けながらパフェは呟く。


「……だろうな。けど、今は目の前の問題だ。【童話の檻】、【童話元型】、初代の【童話の魔女】。正直初耳だったし、パフェだってラピョージャとソーレの事情は知らなかったって言ってたよな」


 シトラスはその横で人数分の紅茶とコーヒーを準備している。


「うん。そうだね……正直、謎が増えた感じだけど、今は【鏡像】と入れ替えられた人々の救出、そして勇陽くんの捜索だ」


 ーーそして、会議が始まる。


 物語は収束し、結末へと動き出す。



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