大手進学塾⑮
以前、副社長の岡本さんが言っていた。
「数字は嘘をつかない。皆さんの日々の取り組みが数字に現れます。」
数字は嘘をつかない……、しかし、嘘の数字は作り出せる………。
今回は、そんなお話
「秋さんの校舎って、毎月入会目標を達成してますよね? 具体的に何か努力されていることあるんですか?」
「……黒井さん、これは絶対に誰にも言わないでくださいね……、黒井さんだから話すんですから……。」
秋さんが言った。
秋さんは、名取さんの一件以来、俺のことを信頼してくれている。
「実は………」
「え、架空の生徒を入会させている!?」
俺は驚きのあまり、大きな声を出してしまった。
「シーっ!! 黒井さん、声が大きいです!」
「遠藤さん、圧がきついじゃあないですか?入会目標が達成できなかったら思うと………。あぁ~、怖い、怖い……」
(え、あなた 遠藤さんの上司だったのでは?)
「月末になると憂鬱で……、ついやっちゃったんですよ。入会契約書の偽造を………。」
「え、月謝って、どうしているんですか?」
「私の銀行口座から引き落としされてます。」
(@ ̄□ ̄@;)!!
「毎月ですよね? きつくないですか? それに秋さんの口座から引き落としされるなら、流石に分かるのでは……?」
「いやぁ~、それがですね~、月謝引き落とし用の口座を開設しちゃったんですよ~ 架空の生徒は、全員小学生なので最低限の出費に抑えてます。」
!!(゜ロ゜ノ)ノ
「え、全員………、一人じゃないの?」
「何だかんだで、先月で10人になりました。」
「え、えぇ~ (@ ̄□ ̄@;)!!」
(ヤバい、ヤバすぎる……)
「だから、私の校舎は小学生の割合が大きいんですよw」
(いやいやいや、「大きいんですよw」じゃなくて、え、なんでこんな話したん? 俺、今の話を聞いたら、共犯じゃん。)
根本的な原因はパワハラにあるが、秋さんのズレた感覚のヤバさに気づいた……。




