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ブラック企業での日々  作者: 黒井 新
第四章
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大手進学塾⑨

「お疲れ様でした。お先に失礼します。」

江原さんが来て、寺内さんに今日の業務の報告をして帰っていった。


「私も帰ろうかな。」

寺内さんが言った。


「細川さん、まだ残っていくの?」


「はい、このプリントだけ仕上げたいので。」

細川さんは答えた。


「じゃあ、戸締まりよろしくね。お疲れ様でした。」

寺内さんも帰っていった。


校舎の事務室内には、俺と細川さん、山田さんがいた。


細川さんがタイムカードを切る。


(あれ、急に帰る気になったのかな?)


俺が見つめていると、それに気付き細川さんが言った。

「最近、総務がうるさいんですよ。残業するなって。でも、生徒に少しでも良い点数をとって欲しいじゃないですか。だから、タダ働きでもプリントを作ってあげたいんですよ。」


(……惚れた、この人こそ、本物の教育者だ。)


「俺も手伝います!!」

俺は考える間もなく言葉を発していた。


「ね、そうなりますよね? 僕も最近、細川さんの手伝いをしているんです。考え方に感化されてしまって。」

山田さんが言った。


(うぉ~、同士! 心の友よ)


こうして、俺たちはタイムカードを切った後、午前1時までプリント作りに励んだ……。



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