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個別指導塾⑥
俺が遅刻した翌週から、高畑さんは塾に来なくなった。
塾長は何も言わないが、辞めてしまったのだろう。
俺は責任を感じながらも、なぜ塾長があの時フォローしてくれなかったのかを考えていた。
また、なぜ塾長が自分で授業をしないのかも。
答えは出なかった。
給料の未払いも続いている。
俺は今月末で辞めることを伝えた。
「は、急に言われても困る」
塾長は声を荒げたが、俺は折れるつもりはなかった。
最後の出勤の日
「お世話になりました。」と伝え、
俺は塾を蹟にした。
最後の給与は支払われなかったが、塾講師の経験を得たこと、退職の理由が正当化できること、これらは今後の就職に向けて大きな利点だった。




