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ハンバーガーショップ⑥
「開店…」
奥村店長が俺を睨み付けながら言う。
俺はハッとした。
トントントンに夢中になり、いつの間にか開店時間になっていたのだ。
入り口の前には、3組のお客さんが並んでいる。
「今すぐ開けます」
俺は、店長やお客さんに聞こえる声でそう言った。
店長が3組のお客さんのオーダーをとり、俺が商品を提供する。
その後、店長と梶谷さんは、バックヤードで何かを話していた。
俺は、レジの前で次のお客さんを待ちながら、聞き耳をたてた。
「梶谷、お前の指導係は誰だ?」
「奥村店長です。」
「だよな? だったら、何で黒井に教わってたんだ?」
(え、え、何これ? ん、ん、俺が悪い?)
その時、1人のお客さんが入ってきた。
「いらっしゃいませ~」
俺はレジを打ちながらオーダーをとる。
「モーニングセットを1つ」
「ドリンクは何になさいますか?」
「ホットコーヒーで。」
お決まりの受け答えをし商品を提供した後、聞き耳をたてる。しかし、もう店長と梶谷さんの会話は聞こえなかった…。




