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ハンバーガーショップ⑤
宮本との対局が出来なかった翌日、俺はハンバーガーショップの開店作業にあたっていた。
朝は、トーストとサラダ、ドリンクがついたモーニングセットの注文が多い。
そのため、俺はサラダに入れる玉ねぎをスライスしていた。
(はぁ~、やっぱりあそこの塾もヤバいのかなぁ。生徒は少ないし、先生も少ない…って言うか、俺しかいなくね?)
「へぇ~、黒井さん、玉ねぎのスライス上手ですね。中々、包丁でこんなに薄く切れないですよ。」
副店長の梶谷さんが声をかけてきた。
「ありがとうございます。慣れると簡単ですよ。コツを教えましょうか?」
「あ、でも…」
「まあ、良いから、良いから。こうやって猫の手にして…少しずつトントントンって感じです。やってみてください。」
「こうですか? 猫の手にして…、トントトン」
「あぁ~、惜しい。トントントンです、トントントン。」
「トントントン、あ、何か良くなった気がします。」
「でしょう~?」
バンッ
その時、勢いよく店の裏口の扉が開けられた。
「おい!」
奥村店長だった。




