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個別指導塾①
ハンバーガーショップと掛け持ちしながら、俺は個別指導塾の講師として働き初めた。
「黒井さん、今日からよろしく。今日は中学2年生の数学と高校1年生の英語を担当してもらうから。」塾長の山本さんが言う。
「最初のうちは、1コマだけだけど、慣れてきたら増やしていくから。」
「はい、分かりました。」俺はそう答えると、教室に入って行った。
(ん、誰もいない…)
授業時間の20分も前だから、生徒がいないのは当たり前だが、他の先生が見当たらない。
「塾長、他の先生はお休みですか?」
俺が恐る恐る尋ねると、
「ああ、今日は元々授業がない曜日だったんだが、黒井先生が優秀だから、生徒に無理を言って曜日を変えてもらったんだよ。」
塾長が答えた。
(優秀…、やっぱり見る人が見ると分かるのかぁ。分かっちゃうのかぁ…www)
(そして、黒井先生… 良い、最高に良い響き…
先生かぁ、先生かぁ…)
そんな余韻に浸っていると、2人の生徒がやってきた。
「ところで、塾長。授業って、どう進めれば…?」
「黒井先生の好きなようにやってもらって良いよ。優秀だから型にはまらない方が良いでしょ。」
「www… お任せください」
俺はそう答え、意気揚々と2人の生徒のもとに向かった。




