Chapter 9 ある部屋(3)
仮面の男は、ファイルから紙をとりだすと
アダム・タイラーに3問目のクイズを出題した。
紙には次の文字が書かれていた。
【Pot oooooooo】
「これを何と読む」仮面の男のボイスチェンジャーの声は、
あざ笑うかのようにアダム・タイラーの感情を逆撫でした。
「この問題が解けたら、この部屋から出してくれるか?」
アダム・タイラーは、真剣な眼差しで仮面の男を見つめた。
「いいだろう」仮面の男も、その真剣な眼差しに答えた。
「「Pot 」とゼロが8個」と言ってアダム・タイラーは、両肘を机に付き
両手を握って額に押し付け考え出した。
しばらくするとアダム・タイラーはひらめいた。
「そうかゼロではなく、8個の(o)オー。Potとエイトオー。
【ポテト】だ!」
「正解だ」
そう言うと仮面の男は、机に置いてあったスタンガンを
アダム・タイラーの手に当て、トリガーボタンを押した。
バチバチと放電の音が響き、アダム・タイラーは椅子から転げ落ちた。
「何をする?問題に正解したんだぞ!」
アダム・タイラーは、床に倒れながら痛々しい声で仮面の男に訴えた。
「いいか!お前はアダム・タイラーではない!」
仮面の男は、強い口調で叫んだ。
「私の名はアダム・タイラー。30歳。小売店舗で販売員や在庫管理などをしている」
「私の名はアダム・タイラー。30歳。小売店舗で販売員や在庫管理などをしている」
「私の名はアダム・タイラー。30歳。小売店舗で販売員や在庫管理などをしている」
アダム・タイラーは、何度も仮面の男に訴え続けた。
「お前の名はジェイク・ハリスだ!
デバイスの暗号を教えろ!一生お前はこの部屋から出られないぞ!」
仮面の男は、スタンガンを空中で放電させながらアダム・タイラーに迫った。
「私の名はアダム・タイラー」
「私の名はアダム・タイラー」
「私の名はアダム・タイラー」
アダム・タイラーは頭を両手で抱えて激しく首を振った。
「私の名はFBI捜査官ジェイク・ハリス」
「私の名はFBI捜査官ジェイク・ハリス」
「私の名はFBI捜査官ジェイク・ハリス」
アダム・タイラーの顔が徐々にジェイク・ハリスの顔に変化していった。
そして完全にジェイク・ハリスなった顔が無表情でつぶやいた。
「デバイスの暗号は、85673455」