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Chapter 5  罠

ジェイク・ハリスは一人、廃工場の管理用の事務室で、

パソコンからの暗号データが来るのを待っていた。



ゾラクス・ダークウッドが出て行って20分ほど経った頃、

博士からのデバイスの暗号データが届いた。

パソコンの画面には、入金の確認が完了したこととデバイスの暗号が書かれていた。

博士は、連絡を絶ってしばらく姿を消すとも書かれていた。



ジェイク・ハリスは、スマ―トフォンを取り出すと

FBI捜査官のトム・ミラーに電話を掛けた。

テロ集団「Blastブラスト」が居る廃工場の場所を教えた。

そして、小型爆弾ヴァニッシュの起爆デバイスの暗号を言いかけた時、



ゾラクス・ダークウッドとメンバーが銃を構えて部屋に入ってきた。

とっさにジェイク・ハリスは、胸のフォルダーから銃を出すと

パソコンを打ち壊した。



博士からのデバイスの暗号データは消滅し

ジェイク・ハリスしか知り得ない暗号になってしまった。



ゾラクス・ダークウッドはがっかりした表情でうつむき、

言葉を口にした。

「お前がスパイだとは薄々感ずいていたが、証拠が無かったので、

 罠をかけたのだが、銃でパソコンを打ち壊すとは想像も出来なかった。

 これで、お前を殺せなくなってしまったな」



その言葉とともに、ゾラクス・ダークウッドはゆっくりと顔を上げ、

怒りに満ちた表情と鋭い眼光でジェイク・ハリスを睨みつけた。

「ジェイク・ハリス!博士からのデバイスの暗号を教えるんだ」


ゾラクス・ダークウッドの拳が、容赦なくジェイク・ハリスの腹部に強烈に打ち込まれた。


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