Chapter3 ある部屋(2)
仮面の男とアダム・タイラーは、
対峙するようにテーブルに座っている。
仮面の男「では、2問めのクイズを出すぞ」
アダム・タイラー「待ってくれ、ここは何処なんだ?
くだらないクイズなど止めろこの部屋から出してくれ」
仮面の男はアダムの問いに冷静な口調で応えた。
「君の疑問は理解している。しかし、答えが欲しければクイズに答えるんだ。
何も分からないまま部屋からは出られない」
アダム・タイラーは腕組みをしながら眉を寄せ、
再び問いかけた。「君はなぜ私をここに連れてきたんだ?ここは何処だ」
しかし、仮面の男は答えることなく、次のクイズを読み上げた。
仮面の男「重力の中心にあるものはなんだ?」
アダム・タイラーは、仮面の男の問いに苛立ちながらも、ため息をつきながら
質問の意味を考えた。
アダム・タイラー「そうか重力は英語で「gravity」だから、「gravity」の中心は「 V」だ。」
仮面の男「正解だ」
「クイズに正解したぞ!ここが何処なのか教えてくれ」
アダム・タイラーは、仮面の男に問い詰めた。
仮面の男「では、ここが何処かヒントを出そう、それは数字だ。」
「数字が何だというのだ。数字と、この部屋がどう関係してるというんだ。」
アダム・タイラーは、不満そうに机を叩いた。
「あまりこんなことは、したくないのだが」と、
仮面の男は、カバンからスタンガンを取り出した。
「君の態度によっては、このスタンガンを使わせてもらうよ」と、
仮面の男のボイスチェンジャーの声が冷酷な口調に聞こえた。
そして、スタンガンのトリガーボタンを押して空中で放電させた。
バチバチと青い電流が、アダム・タイラーの不穏な表情を照らしていた。