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こども
小さな木彫りの地蔵様のそばに、こどもが寝転がって、泣いていた。
「 ―― あれまあ、どうしたね?」
「あそんでくれる子がいねえ」
「ああ、そうか・・・」
「ととさんも、どっかいっちまって、もうこねえ」
「そうか。それはさびしかろう。 ―― おまえさま、このお地蔵様かね?」
こどもは首をふり、地蔵さんはおれのととさんが彫ったんだ、とうれしそうにおきあがる。
「 そんでな、地蔵さんのいるとこにいけば、ととさんと会える。 だけどな、まえにさわがしいことがあって、そんで、それからととさんの、声しかしなくなったけどな、まってろ、ってととさんがいうから、まってたんだ」




