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幽霊
ああ、とヒコイチのくちからあきらめたような息がもれる。
「・・・ってエことは・・・」
まあ、あのかたは、幽霊ってやつですな、とダイキチは食べ終えた『梅の花』のことをはなすようにうなずいて、お茶にてをのばす。
「ゆ、 うれい? でも、―― 」
昼日中でもしっかりみえて、なんども膝をたたくほど、足もしっかりついていた。
「まあ、みえていたのは、わたくしどもだけかもしれませんなあ」
「そうだね。甘酒もこなかったしねえ」
年寄りたちはそろって湯呑を両の手でつつむようにした。
ああ、とヒコイチのくちからあきらめたような息がもれる。
「・・・ってエことは・・・」
まあ、あのかたは、幽霊ってやつですな、とダイキチは食べ終えた『梅の花』のことをはなすようにうなずいて、お茶にてをのばす。
「ゆ、 うれい? でも、―― 」
昼日中でもしっかりみえて、なんども膝をたたくほど、足もしっかりついていた。
「まあ、みえていたのは、わたくしどもだけかもしれませんなあ」
「そうだね。甘酒もこなかったしねえ」
年寄りたちはそろって湯呑を両の手でつつむようにした。
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