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梅を見てお堀を浚(さら)ったはなし  作者: ぽすしち
 五

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香り静かに



「 『ご神木』ってくらいで、動かせねえくらい重いんだ。 枝だってひとかかえもある。 それが、堀の中につかってるんだから、切り落としたらそのまま枝は、堀の中へおちるだろ?」




 まあそうだな、とヒコイチがうなずくと、人足の男はさっきまでの勢いがうせた声で、よくねえことが重なった、とどこか遠くをみた。




 梅の花のかおりがみちるだけの静かな間ができる。



 隠居たちも先生も、ひどくさびしげな顔で男をみていた。





「 ―― 祠が、地蔵さんをいれたまま、うっちゃられただろ?」




 ふいに顔を見られ、ヒコイチはあわてておもいだす。



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