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さそい
だが、あの年寄りも、不思議がよってくる質なのだから、これはべつに、ヒコイチたちが巻き込んでいるわけではないのか、などと考えていると、ダイキチと目があった。
「 ―― ああ、ヒコイチさん。・・・それと・・・」
やはり、となりにいる人足の男がみえているようだ。
「 まあ、こちらさんがな、じい、・・・西堀のご隠居に、なにか頼み事があるってことで、梅をみながらはなしをきいてるところなんだ」
ああさようで、とダイキチが頭をさげると、人足の男もあわてて頭をさげた。
「こりゃおどろきだ。 あんたら、だれひとりおれのことをこわがらねえ」
首をかきながら感心する男とセイベイたちをみて、ダイキチが、「よろしければ、あちらにゴザをしいておりますので、梅見酒などどうです?」と、むかおうとしていた方をしめした。




