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梅を見てお堀を浚(さら)ったはなし  作者: ぽすしち
  二

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18/70

穴へと


 ただ、あの近くにある大きなくすのきは、《ご神木》だときいたことがある、という者がいたため、残すことになり、御幣のついた細いしめ縄が幹にまきつけられた。

 



 そうして、埋め立てと治水のためのおおがかりな作業がはじまった。




 おやしろも、その近くで朽ちていた鳥居もこわされると、そのまま、ふかく掘った穴へとほうり込まれた。


 木材としてか、石垣の土台としてつかわれたのかもしれないが、ついでのように、ほこら厨子ずしも、そこへほうりこまれた。 




「なかには、地蔵さんがはいったままでな」




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