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53 親子の侵略のしかた

 ダイアナは国内の道路と(Bus)(Rapid)(Transit)の開発を終え、のんびりしていた。


 ママがヒストリアの戦争から帰ってきた。でも、敵軍が自国に帰り着いたら、また行くらしい。

 それはいいのだけど…。


『ママ…、ママのスカートからおぞましい気配が…』

「あれ?ジフラーナAはいないよね?」

『Aとか言わない』


 廊下で会ったママのスカートから、ヤバい思考が漏れてきている。スカートの中には夢が詰まっているのであって、おぞましいものを詰めてはいけない。

 私の胸の谷間に隠しているジフローラAとフルプレーナAとティノーラAとリグローラAが心を読む魔法で強い悪意を感じとっている。「巨乳は死あるのみ」だって…。


 ちなみに、ジフローラBはダイアナのドレスに背中に影収納の扉を開いて、ダイアナの背中を常になでている。ちょっと頬が赤らむくらいに気持ちいい…。どうせ本気を出すと活動できないくらいに気持ち良くなってしまうので、AでもBでもいいのだ。


「ちょっとこっち…」


 ママに手を引かれて、個室に連れ込まれた。


『で、何を拾ってきたの?』

「それはね…」


 光の魔力の強いママの心は、表層しか読めない。だからちゃんと話してもらった。


 ヒストリア王国の東にあるヘデイカ王国。ヘデイカ王国の王座を魔法の力で奪い取ったセレーナ・コークス。

 その魔法は、チートレベルの闇魔法。影にかかわらない扉で行き来できる異次元空間収納や、数メートルの短距離瞬間移動、サイコキネシス、数秒間のタイムリープ。


『なにそれすごい!教えて!リグローラの精霊なら覚えられるかもしれない!』


「リグローラ?それがダイアナの胸に入っている子なの?」


『あ、うん。いいから早く、そのヤバい子だして』


「大丈夫かなぁ」


 ママはスカートの下から手を突っ込んで魔道テントを出して設置した。

 テントから出てきたのは…、前世の母国人のような人種。黒髪、平たい顔。だけど小柄で貧相な体つきに似合わぬ巨乳…。死あるのみじゃないのか。自殺する前に魔法を教えてほしい。

 黒髪の女…セレーナは他国のロングスカートのドレスを着ている。だけど、胸は収まりきらないのか、不自然に前が開けられている。

 そして、強烈な黒い光を放つ闇の精霊…。


「銀髪?まさかエッテンザム?」

「あ、うん。そうだけど…」

「ころ…あああん」


 セレーナはすごい形相になったと思ったら、いきなり顔がゆるんだ。ママが背中を押したらしい。


 そして、ダイアナ本体はまったく気が付かなかったけど、胸の谷間にいるAたちが悪意を感じとって、とっさにダイアナ本体を回避させようとしていた。

 記憶のリアルタイム同期といっても、ダイアナの処理速度はジフローラたちよりかなり遅いので、気が付いたときにはダイアナの靴の裏に影収納の扉が開かれ、ジフローラたちによりダイアナが横にスライド移動していた。


 そして、ダイアナが遅れて認識したセレーナの悪意は、ダイアナの心臓の中に影収納の扉を開き、心臓の内部から外にナイフを突き刺し、そのまま胸を切り落とすというものだった。


 そんな攻撃は、指輪やイヤリングに扮しているドローンも対処できない。ヤバい。ヤバすぎる。

 ドローンにリアルタイムの(Magic)(Resonance)(Imaging)機能を付けて、体内への攻撃も監視しなければならないだろうか。消費がバカにならないな。


 じつは生き物の体内に影収納の扉を開くには、相手よりかなり強い闇の魔力が上回っていなければならず、消費魔力もシャレにならない。ダイアナでそれをできる相手は、闇魔法を学んでいない未開発の地の者のみだ。


 セレーナの闇の魔力は、ティノーラと同等…、いやそれ以上か。さっきママの言っていた空間と系か時間系の魔法はティノーラでも使えるだろうか。


「もう、自分の胸をよく見て。あなたのほうが大きいでしょ」

「あっ…、そうだった…」


 今さらだけど、記憶のバースト転送担当のジフローラAが、この女の記憶を吸い出し終わった。酷い前世を持つ転性者だ…。この世界に来てからも不遇だったんだな…。

 記憶から推察するに、セレーナの魔力はティノーラの魔力よりけっこう大きい。セレーナで数メートルの瞬間移動とか、数秒のタイムリープというレベルだと、ティノーラでは仮にできたとしても数センチ、数十ミリ秒になってしまう…。むう…。


 よし、コイツの髪の毛をもらおう。セレーナのドレス内に影収納を開いて…。と思ったけど、闇の魔力の抵抗を受けて、体内どころかその周辺にも影収納を開けない。

 他の属性でも抵抗力みたいなのはあって、それなりに魔力の差がないと、土魔法で服を脱がせられなかったり、人体やその回りを加熱・冷却できなかったりする。ママの記憶を読めないのも同様だ。

 というわけで、機会をうかがって髪の毛をもらおう。


 セレーナは巨乳をとことん憎んでいるが、自分で巨乳になることでその悪意を断ち切ろうとしているらしい。しかし、大きすぎると今度は前世のトラウマが蘇ってきそうになるので、調整が難しいらしい。

 すでに邪魔になるほど大きいと思うのだけど、この城には邪魔になるほど大きな胸の持ち主しかいないので、胸が大きいからといって襲われたりする可能性はほとんどないのではなかろうか。



 ママから考えが伝わってきた。記憶を読んだみたいだから、協力してほしいと。

 私、というかジフローラは、いいよと返す。


「とりあえず、みんなにセレーナを紹介したいんだ」


 だけど、セレーナがヘデイカ王国の暴君だったことを伏せて、囚われの姫だったことにするらしい。真逆で笑える。


『問題はマイア姫か』

「うん…」

『じゃあ私がもらってあげるよ』

「えー」


「私、いやよ…。アンネリーゼが良い…。気持ちいいから…」

「じゃあ私が気持ちよくしてあげるよ」

「えっ、あああああああああああああん…」


 ママはセレーナが危険な考えに至るたびに、気持ちよくさせて考えられなくしていたらしい。セレーナは今まででいちばん中毒症状の強い子になってしまっている。

 私はセレーナの背中に回り、右手の親指でセレーナの背中を押した。そして右手の袖口から八本の乳児の右手を出して、それぞれの親指セレーナの背中を押した。

 ついでに、ジフローラAの手刀で髪の毛を数本切って入手した。


「ダイアナ…、なんか小さい手がいっぱい見えた…」

『むふふ』


「もっとぉ!」

『はいはい』

「あああああああああああああん…」


 やり過ぎたかも…。


「はぁ…はぁ…。あ、あなた…素敵…」

『えっ…』


「あれえ…、私は?」

「アンネリーゼも好きだけど、この子が良い」

「がーん…」


 セレーナをゲットした。

 さすが、A四人とB四人では、ママの六倍の威力に相当するだけはある。


 この子って言われたけど、体格はあまり変わらない。


 マッサージによる魅了は、じつは特定の誰かに魅了されているのではなくて、気持ちよさへの中毒症状なので、気持ち良くしてくれさえすれば、誰でもいいのではなかろうか。


『コンプレックスを感じない程度で襲われない程度の大きさにすればいいんだね。一番とは言わないけど、三番くらいの大きさにしておけばいいかな』


「えっ…、どうすればいいかよく分かんない…。それよりもっとさっきの…」

『はいはい』

「ああああああん…」

『じゃあ、不満があったら、言ってくれればすぐ変えてあげるよ。だから他の人に当たらないように』

「はぁ…はぁ…。分かったわ。だからもっと」

『うーん』

「ああああん…」


 もう完全な中毒じゃないか。いろいろと病んでいる。

 監視と殺人防止のために、リグローラAを背中に忍ばせておこう。リグローラの闇の魔力なら、本人の同意を得たら、なんとかドレスの裏くらいに影収納を開けた。

 セレーナと離れるときは影収納を別にしなければならないけど、リグローラは数十キロ離れたところで影収納の扉を維持するくらいの魔力回復力はあるので、同じ影収納に置いておける。セレーナに闇の魔道石を補充してもらってもいいな。


「はぁ…。ダイアナに取られちゃった…」

『マイア姫を説得するのが大変だから、べつにいいでしょう』

「気をつけてね…。見えないところで何するか分からないから」

『危なくなったらすぐ押すよ』

「うん」


「ねえ、もっとやって…。はああん…」


 常に押してなきゃいけないとは…。私の言えた義理ではないが。

 いやいや、光の魔力はそこまで強いわけではないので、魅了してしまおう。いざとなったら洗脳もできる。




 セレーナの精霊はとっくにヒト型になれるような魔力を持っているけど、どうやら「大きくて邪魔」という意志が反映されて、ただの小さくて強い黒の光を放つ玉にされてしまったらしい。


 精霊は出会った精霊どうしで魔法を教え合ったりするものであり、それを拒むこともない。リグローラの闇の精霊はセレーナの闇の精霊から魔法を教えてもらったようだ。

 とはいえ、セレーナの魔法を教えてもらっても、このままだとリグローラでさえ使いこなせない。


 セレーナの魔法が魔力バカ食いなのは、原理が分からず、精霊の適当力に全部お任せだからだ。原理解明できれば圧倒的に効率がよくなるのは、どの魔法についても同じだ。

 とはいえ、瞬間移動とかタイムリープなんて、いろいろと実験するしかないな…。完全に原理解明できなくても、「どうやって?」を一部でも掘り下げていったり、ただたんに慣れるだけでも、効率はそれなりに上がる。




『ワイヤ、新しい子を育ててほしい』

「もうやだ。こいつらも早く出しちゃいたい」


 むぅ…。ワイヤは頑丈な母体として優秀なのに…。


『あとちょっとだから我慢して』

「ダイアナママかアンネばぁばの子しかいらない。もう腹を切り裂いて無理矢理出す」

『わかったわかった…。出してあげるからちょっとまって…』


 なんてこった…。二ヶ月くらい早産になってしまうけど、とりあえずもう出せるかな…。未熟児でも、どうせ一四〇センチまでしか伸びない永遠の少女になるのだし、きっと大丈夫だろう。


 というわけで、魔道便器を使って、十二人の胎児を取り出した。ドラゴンハーフではないし、未熟児だから、さすがに自分ではい出る力はなかった。

 だから、今度こそダイアナが手を突っ込んで赤子を取り出すことになった。でも、もう羊水を残しておく必要はないので、和式便器の排水口の位置ではなく、屋根のある側の側面に扉を開いて、破水させた。ライトアップ機能があるから取り出しやすい。赤子らも自力ではい出ることはできないが、ダイアナの視界をもとに自分で出ようと努力できるので、十二人すんなり取り出せた。



 フラベーナ、デルスピーナ、グリシーラのそれぞれに、ジフラーナAを掛け合わせた三種類の遺伝子をそれぞれ四つに分けて、それぞれ一卵性の四つ子にした、合計十二人。

 フラベーナの子をアンテベーナ、デルスピーナの子をデルモゾーラ、グリシーラの子をグリスティーナと名付けた。

 それぞれ四つ子にα(アルファ)β(ベータ)γ(ガンマ)δ(デルタ)の識別子を付けた。αとβにはメテーナの子である白い精霊を付けて、γとδにはドリーの子である薄緑の精霊を付けた。


 フラベーナの魔力は全体的にワイヤより高いので、アンテベーナの魔力はジフローラたちよりもわずかに優秀だ。

 デルスピーナとグリシーラはそこまででもないので、デルモゾーラとグリスティーナはジフローラたちとどっこいどっこいだ。


 だけど、身体能力は圧倒的にジフローラたちのが上だな。ドラゴンハーフにはかなわない。

 未熟児はそのうちなんとかなるから、ジフラーナ並にはなるだろう。



 この子たちは全員ジフラーナAの子なので銀髪だ。第五から第七の王女として作ったけど、実のところマイア姫の実子ではなく孫に当たる。

 でもマイア姫の血を五〇パーセント引く二人を掛け合わせたから、この子たちもマイア姫の面影を五〇パーセント持っている。この世界で遺伝子検査するのは私だけなので、誰もマイア姫の子であることを疑わないだろう。


 この子たちは、他国を侵略するときまで用がない。

 胸の谷間の住人が十二人増えて二十人になった。いつも誰かしらダイアナのブラのカップの裏に扉を開いて、母乳を飲んでいる。そうすると、ダイアナはこの子たちに母性を抱く。そしてその気持ちを同期すると、自分で自分に母性を感じることができる。うーん、自分を大事にするというか、自分愛というか…。


 ジフローラたちと違って、まだよちよちしているので、ジフローラたちに面倒を見させよう。自分で自分の子育てをするなんて胸熱。



 しかし、頑丈な母体であるワイヤを遊ばせておくのはもったいない。


『ねえワイヤ。自分の子孫とママの子孫の子なら育ててくれる?』

「うーん。それならいいよ」


 というわけで、ここに取り出したるは、薄金色のうろこ。

 ジフローラA×アリス、フルプレーナA×アリス、ティノーラA×アリス、リグローラA×アリスという四種類のゴールドドラゴンハーフ×ホワイトドラゴンハーフを試してみることにした。もちろん、それぞれが一卵性の四つ子だ。

 エウレカとアリスは仲良く戦っているけど、エウレカは身体能力でアリスにまったくかなわない。

 頑丈な母体は有用だ。そして我が儘を言わずに代理出産してくれるのは自分しかいない。どんどん自分の分身を増やしていくしかないな。




 順当に行けばアンテベーナたちよりも先にミスリーの出産だったのだけど、代理出産の親のワイヤの希望もあって、アンテベーナたちを先に取り出すことになった。

 というわけで、今度こそミスリーの出産だ。


「っつ…」

『陣痛が来たのですね』

「はい…」

『痛くない御産のやり方があるのですよ』

「ダイアナ様はお優しいのですね」

『ミスリーに痛い思いをしてほしくないのですよ』

「ダイアナ様…」


 ミスリーに魔道腹巻きを巻いて、魔道便器…、じゃなくて魔道御産器を使って赤子を取り出した。産道を傷つけないからとても楽だ。

 へその緒を切って、御産器の扉を閉じた。


 この和式便器の形に文句を言うのは、転性者だけだ。洋式便器は、もう国中に普及させてしまったので、洋式便器型を作ったら文句を言われるだろう。そもそも洋式便器ではろくに影を作れないから、影収納の扉を開けないけど。


「おぎゃあ、おぎゃあ」


「まあ、もう生まれたの?全然痛くなかったわ。さすがダイアナ様ね」

『さあ、この子を祝福してあげてください』


 ミスリーが身体をおこした。

 私は赤子をミスリーに渡した。


「生まれてきてくれてありがとう!あなたの名前はアンビエーナよ!」


 アンビエーナは私とミスリーの面影を持った、銀髪の赤子だ。

 生まれてから薄緑の精霊や他の精霊を付けたので、スペックは他の銀髪娘と同様の、乳児の魂百まで級だ。

 私の子なので、アンビエーナの子孫も銀髪になる。また、成人しても永遠のロリ巨乳美少女になるはずだ。


 それにしても…、ちょっと可愛すぎやしないだろうか…。というか、ミスリー本人もこんなに可愛かっただろうか。

 フラベーナたちにマッサージさせたから?フラベーナたちはマッサージと可愛くする魔法の区別が付いていないということか…。

 まあ、可愛すぎて困るということはない。これでよかったのだ。



 ミスリーのあとは、ティノイカの親とプロセーラの親の第二子を取り上げた。取り上げたというのは産婆をしたという意味である。

 ティノイカとプロセーラを取り上げてしまったので、自分の家の跡取り娘を欲しいと言われたので授けた。こっちの取り上げたというのは奪ったという意味である。


 それで、ミスリーの出産も終わったことだし、ミスリーを大部屋に移そうと思うのだ。

 ミスリーは私の正妻なので、他の三十人の嫁と同じように十把ひとからげに扱うつもりはないけど、二重生活はそろそろ限界だ。


『じつは、私には側室が三十人いまして…』

「まあ!ダイアナ様の魅力にはかないませんものね」


『みなさん、私の正室として迎えたミスリーです。仲良くしてくださいね』

「「「「「はーい」」」」」


 ミスリーも三十人の嫁も、さんざん魅了しているので、ここですごくがっかりしたりはしない。この世界は一夫多妻など当たり前なのだ。

 だからといって、ミスリーはまったくショックがなかったわけではない。ちょっと心苦しい。

 三十人の嫁だって今まで十把一絡げだったけど、ここに来て正室が登場したら少しはショックを受けているみたいだ。


 まあ、三十人の嫁のほうは置いておいて、ミスリーについては…、


『今度はミスリーの子を私に授けてくれませんか?』

「まあ、ダイアナ様が私の子を産んでくださるの?」

『はい』


 というわけで、ミスリーの髪の毛を使って、自分で妊んだ。

 実際のところ、これはダミーだ…。


 本命はセレーナの子だ。私はあらかじめ魔道便器で採取しておいたリグローラAの卵子、先日入手したセレーナの髪をで作った精子を掛け合わせて、自分の胎盤に着床させた。セレーナにはセレーナの遺伝子をもらったことを知らせていない。


 ワイヤが代理出産してくれないので自分でやるしかない。でも、ダイアナが誰か別の子を妊んだらミスリーがショックを受けてしまう。

 そういうわけでミスリーの子に合わせて、セレーナの子を胎むことにしたのだ。


 今回はミスリーの子をダミーで妊んだので、セレーナの子を双子にするかは迷う。闇の魔力は多ければ多いほどいいのだけど…。

 ダイアナの身体はそれほど頑丈ではないので、ジフラーナA・B・C、三つ子でもきつかった。でも、常にジフローラたちに押してもらっていれば、つらさを感じずにいられるだろうか。

 よし、セレーナの子を双子にするか。十ヶ月間つらいけど、ミスリーとごろごろしていよう。


 ダイアナは妊娠してこもっているしかなくなったので、ジフローラA、フルプレーナA、ティノーラB、リグローラBで分隊を結成して、独自に国内開発して回ることにした。


 はぁ…。ダイアナはもう、母体とか母乳サーバーとしての役割しかないな…。あとは、ダイアナはマッサージされていちばん気持ち良がることができるので、気持ちよさを供給することもできる。それから、まだまだ分身は性欲を持っていないので、性欲を満たす快感を提供することもできる。

 なんだかんだいって、まだまだできることはあるな。




 一方で、ゾルピデム帝国を侵略中のジフラーナは…。


 第一皇女であったルネスタ(十四歳)に無理矢理皇帝の座を継がせ、ルネスタにジフラーナAの子、エスピクローナ第一皇女を産ませていた。

 一歳のジフローラは、自分で産んでいないとはいえ、自分よりたった一歳下の娘ができるなんて胸熱。


 そして、女性どうしで子供を作れることを国民に公表し、女性どうしの結婚を法律で定めた。

 ロイドステラからヒーラーガールズを派遣して、不妊治療を開始した。


 さらに、男性のうち希望者は女性に性転換できる制度も定めた。

 希望者といっておきながら、実際には広場に国民を集めて洗脳し、無理矢理性転換を希望させた。


 こうして、国民男性全員を性転換させることになったのだが、さすがに数が多い…。

 性転換の施術には、ジフラーナAで二分半、BとCで五分かかる。


 ジフラーナA・B・Cで力を合わせれば、一分ちょっとでできる。


 さらに、エスピクローナはダイアナの記憶をコピーしてあるので、エスピクローナにも手伝ってもらった。

 もう、一歳の幼女や産まれたばかりの新生児が言葉をしゃべったり走り回ったりして、やりたい放題である。いちいち驚かれるのも面倒だから、洗脳してしまっている。

 最初はもうちょっと穏やかに侵食していくつもりだったのに、エッテンザムに対して予想以上に備えていたため、強引にやり始めたら、何もかも面倒くさくなってしまった。


 四人で力を合わせれば、一時間で八〇人ほど施術できる。一日に付き、六四〇人。

 帝都民は三〇〇〇人。そのうち男性一五〇〇人を三日かけて性転換させた。


 ゾルピデム帝国にはすでに地下道を整備して(Bus)(Rapid)(Transit)を運行しているので、全領地の男性二五〇〇〇万人を帝都に来させて性転換させた。さすがにジフラーナ三人とエスピクローナで捌くのには苦労した。


 ちなみにエスピクローナは次期王だ。ルネスタを操っている今でも満足しているが、王になるのも悪くない。



 ジフラーナはおよそリアルタイムでダイアナと記憶を同期している。

 ジフローラとかアンテベーナが二〇人も産まれたことを知らされて、派遣してほしかったくらいだ。だけど、母乳からしか栄養を摂取できないので、せめて歯が生えてからじゃないと、派遣するのは難しい。ルネスタの乳腺を鍛えて母乳サーバーにするまでに、ジフローラたちは離乳してしまいそうだ。

 今まで考えたことなかったけど、粉ミルクとか作った方がいいだろうか。


 それで結局、ジフラーナ三人とエスピクローナで、国民男性二五〇〇〇を全員、洗脳して性転換をさせて、ついでに可愛くして、魅了した。

 続いて、元からの女性も二五〇〇〇人全員も帝都に来させて可愛くして魅了した。


 これでゾルピデム帝国を征服できた。性転換を逃れた者がいたとしても、周囲のものは全員魅了済みなので、すぐにあぶり出されるだろう。


 ここは帝国。皇帝の権力が絶対の国。私はルネスタを使って理想の国家を築き上げた!






 ヘデイカ王国に放ったドローンから、ヘデイカ王国軍がヘデイカ王都に帰り着いたという知らせが届いた。

 アンネリーゼはヒストリア王国に寄ってから、ヘデイカ王国に赴くことにした。


「アンネ、よく来てくれたわね」

「ごきげんよう、アンネ」


「ごきげんよう、セレス、カローナ」


 ヒストリア王城のヘリポートで、セレスとカローナが出迎えてくれた。


「それから、ごきげんよう、マイア様」

「ごきげんよう、マイア様」


「ごきげんよう、セレス、カローナ」


 なぜか付いてきている、マイア・ロイドステラ王。王って、こんなにホイホイ他国に来ていいのかな。


「「「ごきげんよう」」」


 さらに、ヒルダ、クレア、ロザリー。


「「「「「「「「ごきげんよう」」」」」」」」


 さらに、クローナ、メレーナ、ソラーナ、エリス、アレスタ、グリメサ、タルメア、ロコイア。


 それから、お母様、シルバー、アリシア、ドリー。


 それから私のメイドとして来ている、イミグラ、ゾーミア、レルーパ、マクサ、アマージ、リフラナ。


 エミリー。ヒルダ、クレア、ロザリー、それぞれのメイド。マイア姫のメイド四人と騎士二人。


 はぁ…。みんな何しに来たのかな…。


「それでは行くわよ」


 セレスとカローナ、クラリスとフェニラが加わって、シルバーはヘデイカ王国に向かって羽ばたいた。


 ちなみにレグラは、一歳のファルナとゼロ歳のレジーナのおもりでお留守番だ。

 ヒストリアは人員不足が問題だよねえ。



 ヘデイカ王国は、セレーナが王族と公爵家を皆殺しにしてしまったので、セレーナが処刑されたことになっている今は、ヘデイカ軍の指揮をしていたタリオン・ベポタス侯爵が、実質トップになっている。

 私はタリオンにいろいろ進めておくよう言ってある。


 ヘデイカは敗戦国。これからヒストリアの支配を受け入れるのだ。

 だけど、ヒストリアはヘデイカの人々を虐げはせず、食糧や女性・子供不足で困窮しているヘデイカを支援するのだ。


「セレスタミナ・ヒストリア王、カローナ王妃、聖女アンネリーゼ、ようこそおいでくださいました」


 聖女じゃないっての…。


 タリオンは初めて目にするカローナの胸に目を奪われている。


 ここ数年、胸の膨らみのある女性というのを見たことがなかったのだ。

 ヒストリア王国軍には女性兵が多く見られ、大きな胸や華やかな衣装をまとっていた女性兵に目を奪われたことが戦況に影響なかったとは言い切れない。そして、そのヒストリア軍を率いるのは、見たこともないような大きな胸と美しさを備える聖女アンネリーゼ。


 そして、今日訪れたカローナ王妃はどうだ。そのさらに上を行く大きさの胸を携える…。


 ヒストリア王国とは、国が豊かなだけではなく、胸も豊かなのか…。


 タリオンを始め、ヘデイカの多くの者は、そのように思っていた。



「私はセレスタミナ。ヒストリア王国の王です。

 このたびヘデイカ王国が我が国に戦争を仕掛けたことは遺憾です。

 しかし、あなた方も暴君に虐げられ、我が国に攻め入ることを強いられたのでしょう。

 そのことは情状酌量の余地に値します。

 賠償を免除するとは言いません。ですが今すぐ賠償をしろとも言いません。

 ヘデイカは食糧不足、女性不足、子供不足で困窮しているのでしょう。

 そこに追い打ちをかけるようなことは私にはできません。

 つきましては、まずはヘデイカの情勢を安定させるために支援を行います。

 そして、ヘデイカが安定し余裕ができてきたら、そのときに賠償の支払いを初めていただきます」


「多大なる温情に感謝いたします…」


 タリオンは涙を浮かべて感謝している。


「具体的な支援内容は、

 食糧支援。生活支援。就業支援。

 田畑を整備する土魔法。

 男性から女性への性転換する魔法。

 女性の出産と子育てに適した体格へ変化する魔法。

 女性どうしで子供を授かる魔法。

 以上の魔法の伝授を含む、学校の整備。

 です」


「それは…」


 タリオンはセレスの支援内容を聞いているうちに、顔が引きつっていった。

 前半はとてもありがたい。食料や田畑の整備など。

 しかし、性転換?女性どうしで子供を授かる?


 出産と子育てに適した体格…。それがセレーナの言っていた、胸を大きくスタイルを良くする魔法だろうか…。


「お言葉ですが、ヘデイカの女性は、セレーナの圧政により、肉付きを良くしないことをしきりに求められてきましたので、子育てに適した体型というのに忌避感があるのです…」


「心配には及びません。私たちはヘデイカの国民を説得するだけの材料を用意してきましたから」


「はあ」


 説得がうまくいくかは別として、少なくとも、セレスタミナ王は誠意を持ってヘデイカを立て直そうとしてくれている。

 どのみち我々は従うしかないのだ。我々はヒストリアのやり方について行く。我々の敗北した相手がヒストリアであったのは不幸中の幸いであろう。

 と、タリオンは考えていた。




 こうして、ヘデイカ王国への支援は始まった。

 と見せかけて、すでに地下トンネルを掘り終わっているし、(Bus)(Rapid)(Transit)もすぐに開通できる。通信インフラも整っている。魔道炉も設置してあり、魔力線も近いところまで延ばしてある。


 まずは、腹を満たしたからといって戦をしないでほしいけど、腹が減っては働くこともできない。八ヶ月の間に、大量の食料を用意してきた。栄養もたっぷりだ。


 生活のサポートのために、スマホの配布、生活家電の配布、魔道炉の魔力を家庭へ供給、魔道ナプキンとパンツの配布。


 スマホによる、仕事の斡旋。


 ヒストリアのスタッフによる田畑の整備。種を巻き、土魔法での成長促進。


 そして、今回の支援の目玉商品。ヒーラーガールズの治療院!女性どうしの不妊治療!

 ちなみに、男性から女性への性転換と可愛くなる魔法は、リフラナ級にならないと無理だった…。

 そういうわけなので、私とクラリスとフェニラで手伝った。


 最後に、生活に余裕ができてきたら、学校に行って、生活の知恵を付けるといいよ。


 しかし、セレーナのせいで可愛くなることに恐怖をいだいているとは…。

 そこで…


「今日はお集まりいただきありがといございます」


 セレスの所信表明演説と称した歌とダンスステージである。

 巨大な会場が設置され、ステージが華々しくライトアップされている。


 ヘデイカ王都民は女性も男性も、紐なしブラの胸と、ミニスカートから覗くお尻をたぷたぷと揺らしている私たちに、引きつり気味だ…。

 こんな顔をされるのは初めてだ…。これは癒やしが必要だ…。


 セレスの所信表明演説を歌詞にした歌が始まった。

 主に支援内容だ。一番歌詞は食糧支援、便利な家電、仕事の斡旋。

 二番の歌詞は…、みんなで可愛い女性になって幸せな家庭を築きましょう!


 ここでセレスの胸の下の影に開かれた影収納の扉から、フェニラが飛び出てきた!そして、カローナの胸の影からクラリスが出てきた!まるでぽーんと生まれてきたかのよう!

 どっちもセレスが産んだ子だけどね!


 女どうしで夫婦になると、どちらも子を産める。対等なパートナー関係。


 そして、私たち間では当たり前になっていて忘れがちなのが、魔道ナプキンとマッサージの存在。これは女性の社会進出の第一歩だった。女性が生理の悩みから解放され、さらに学校で魔法を学ぶことにより、男性と同等に働けるようになるのだ。


 女性になることの重要性が訴えられ、そして可愛い女性の魅力をとことんアピールした!


「「「「「わああああああああ!!!」」」」」


 会場は大歓声につつまれた。


 所信表明演説歌のあとは、いつもの歌を披露した。最初の怖がりようとは打って変わって、みんなノリノリだった。


 そして、一〇〇人のヒーラーガールズによる、恒例の一押し会…、だけではなかった。

 男性向けには私とリフラナ、あとクラリスとフェニラによる性転換と可愛くなる魔法。女性向けには可愛くなる魔法。四人で捌くのはちょっと大変…。今度からフラベーナたちを連れてこようかな…。


 だけど、国民はみんな栄養不足だ。肉付きが足りない。胸とお尻に回す脂肪が足りない。


 しかたがないので、炊き出しも一緒にやった。食べた栄養は全部、胸とお尻、あと太ももに回った。いやいや、それじゃダメじゃん。子宮にも栄養を送るよ!


 栄養を付けたところで、希望するカップルには不妊治療も実施。多くのカップルが夫婦で妊娠していった。


 あれ?王都に男が一人もいなくなってしまった。

 まあいっか!



 こうして、ヘデイカ王都から始まった所信表明ステージと、炊き出し、マッサージ、性転換魔法、可愛くなる魔法、不妊治療は、ヘデイカ中の領地で行われることになった。

 領地は五十個。小さめの領地は一日に二つ回ったりして、一ヶ月で全領地を回った。


 あれ?ヘデイカ王国に男が一人もいなくなってしまった。

 まあいっか!




 ヘデイカ王国は王が不在だ。


「タリオン・ベポタス侯爵。あなたにタリオーナ・ヘデイカの名を与え、あなたをこの国の王に任命します」


「王の任、拝命いたしました」


 すっかり可愛い声で華奢なボンキュっボンになったタリオン。跪いたときにミニスカートから覗くパンツと、大きく開いた胸の谷間が眩しい。

 だけど女の子っぽいしぐさは、これから学校で身につけてほしい…。いや、男のしぐさをする女の子というのもなかなかイケる…。


 こうしてヘデイカ王国はあっという間に情勢が安定し、ヒストリアへの賠償の支払いと支援の返済を始めることができるようになったのであった。




 私たちはヘデイカ王国の件を片付け、ロイドステラ王国に戻った。


 ダイアナの執務室に赴いた。

 ダイアナは三人のヒーラーガールズをメイドとして連れている。メドロラとドレニザとオイラナというらしい。やっぱヒーラーガールズは可愛いね。


「ダイアナ、今度は誰の子?」

『ミスリー』

「それと誰?」

『セレーナ』

「へー…。もう一人は?」

『セレーナの子は一卵性双生児』


 ダイアナのおなかに、三つの薄緑の精霊が付いていた。まだ魔道腹巻きをするほど胎児が成長していないらしい。

 ダイアナは最近、常に頬を赤らめている。影収納の中にいる自分の分身にいつも背中を押してもらっており、常に気持ち良いようだ。

 それに、胸も常にむにむに動いている。自分の分身が母乳を吸っているらしい。ダイアナが私の想像を超えた生き物になりつつある。


「はぁ…。セレーナ取られちゃった…」

『ママでは幸せにしてあげられない』

「まあね…。それで、報告書を見たんだけど、ジフラーナがゾルピデム帝国を統一したんだって?」

『うん』

「国民全員を魅了と洗脳で女の子にしちゃったとか…」

『うん』

「まったく…強引だね…」

『なに言ってんだ。ママだってヘデイカ王国の国民全員女の子にしちゃったんだろう』

「あれは少子化問題対策だし、みんなの同意の上だし…」

『ふーん。同意ねー。ママのステージには洗脳魔法に効果があるよ』

「あれ…」

『ママは無意識だからタチが悪いよねー』

「うぐぅ…」



 このあと、ゾルピデム帝国のように、男を駆逐してしまうエッテンザムの治めるロイドステラ王国のことを探りに来て、ダイアナにスパイ王女を送られて、国民全員を可愛い女の子にされてしまうロイドステラ周辺国は増えていくこととなった。


 そして、ヘデイカ王国のように、とはちょっと違うけど、美しい女性目当てでヒストリア王国に攻め入って返り討ちに遭い、ヒストリアの支配と説得により国民全員が可愛い女の子になってしまうヒストリア周辺国も増えていくこととなった。






 ダイアナは、というかダイアナの胸の谷間の住人たちは、セレーナの精霊から伝授された闇魔法のを解析を進めていた。


 ママとセレーナの戦いの映像を解析して思いついた。

 ママはセレーナの影収納の扉、というか影でない空中に開いた扉を、力でこじ開けていた。闇の魔力を使わなくても、扉を維持していたのだ。

 闇の魔力以外で扉をこじ開けようとする現象を阻害することで、なんと闇の魔力を生み出すことに成功したのだ。新しい魔道炉の原理だ!


 閉まろうとしている影収納の扉を運動エネルギーで広げようとすることで、闇の魔力を得られるのである。既存のピストンエンジンの魔道炉に簡単に組み込むことができた。

 逆に影収納の扉の開閉の力を運動エネルギーにすることもできる。


 これで、電気の魔力と、火・水・風・土・光・闇の六属性との相互変換が可能になった。すべての魔力を永久機関で生み出せるようになったのである。


 大きな影収納の維持やワープゲートなどが実用化できる。でも、それを普及させるだけの闇の魔道石がないのだ。王家での個人使用から始めるしかないな。


 まずは、ロイドステラとヒストリア、ゾルピデムを繋ぐワープゲートでも作ってみよう。


 ちなみに、セレーナから、影ではない任意の場所に扉を開く魔法を教わっているのだけど、消費が激しいので、すなおに影収納の扉を使ったワープゲートにする。

 セレーナも同じ原理で、ヘデイカ王城からヒストリア最東端のピラノア侯爵領付近まで来ていた。セレーナの魔力だと、その距離…およそ二〇〇〇キロ往復できる限度らしい。


『というわけなのでセレス、転移の間という専用の部屋を作って、監視カメラを設置してほしい』

『分かったわ!』


 扉を遠くに開く場合は、扉までの方角と距離とか、扉付近に様子を明確にしておくことで、魔力の消費効率が上がる。監視カメラやスマホを駆使したSLAM(位置推定システム)よりロイドステラ王城内の転移の間とヒストリア王城の転移の間の位置関係を正確に把握しておく必要がある。

 消費魔力は、扉と扉の距離と、扉の面積に比例するので、消費効率を上げるのがとにかく重要だ。


 ジフローラA分隊を派遣して、ロイドステラの最南端であるメタゾールと、ヒストリアの最北端のバステル男爵領に、もう一棟ずつ魔力波レーザー通信のアンテナ塔を建てた。魔力波測距装置である。

 魔力波は電波よりも高速なのだが、光や電波でやるのと同じように、三角法を使ってロイドステラとヒストリアの位置関係を正確に測定するのだ。

 何もない海上の地図をSLAMで作成するのはムリなので、ロイドステラとヒストリアの大陸の位置関係は今までなんとなくしか分かっていなかったが、これで正確な地図を作れそうだ。ここまで大規模な測定をすると、それぞれの緯度と経度も分かりそうだ。惑星の半径とかも分かるかもしれない。


 それにしても魔力をバカ食いだ。ロイドステラとヒストリアを影収納の扉で一秒間繋ぐだけでも大変だ。まず、闇の魔道石がそんなにない。

 しかたがないので、今回開発した闇の魔道炉を使って、電気の魔道石に貯めている魔力から変換する。

 それでも、王都民の生活をまかなっている魔道炉で十日分充電してやっと一秒扉を維持できるような規模だ。急遽魔道炉を一〇〇基増設したけど、それでも一日充電して扉を十秒開けるだけだ。


 そして、十秒分以上は、火、水、風、土、電気、光、闇の魔道石を、今持っている分、全部をかき集めてもムリだ…。


 ちなみに、プロセーラの闇の魔力を全部使えば、数十ミリ秒分になるかな…。セレーナなら一秒くらいいけそうだ。


 十秒あれば行き来できるかもしれない。でも何より怖いのは、魔力が切れると扉が閉まってギロチンされるということだ。

 その、閉まろうとするゲートを指でこじ開けたのがママであるが、おそらくこの距離のゲートが閉じようとする力は、それ相応の力を持っているだろう。どうやってもギロチンは免れないのだ。


 そういうわけで、そんな危ない扉の行き来を人間に任せるのは怖い。そこで、移動させる人をコンテナに入れて、コンテナをコンベヤで送るシステムにした。

 扉の面積が小さいほど消費を小さくできるので、いくつかのサイズの人転送用コンテナと荷物転送用コンテナを用意した。


 これで、一人を転送するために必要な扉も小さくできるし、扉を開く時間も短くできる。


 あれこれ考えているうちに、魔道テントのようなものに人や荷物詰めて、魔道テントを送ればいいことに気が付いた。これなら、人と荷物の大きさは消費魔力としてほとんど無視できる。


 まず、魔道テントのようなコンテナに人や荷物を入れる。

 魔道テントを折りたたんで、さらに小さな魔道テントに入れる。

 これを折りたたんでさらに小さく…。とマトリョーシカのように魔道テントを多重化して、一ミリメートルのカプセルにしてしまう。


 一ミリのカプセルを通すだけなら、扉も小さくできるし、開く時間も百ミリ秒もかからない。

 と思ったら、扉は十センチ四方より小さくできなかった。それに、開く時間も一秒より短くできなかった。

 結局、ダイアナ本体の闇の魔力程度では、ロイドステラ王城からヒストリア王城までの転送は、一日に一回使えればいいところだろうか。でもプロセーラなら何百回でもいけそうだな。

 だけど、闇の魔道炉があれば一日に何度もいけそうだ。


 あとはカプセル内の影収納を維持する魔力だけど、これは魔道馬車で数日すごすことに比べればたいした消費ではない。


 最初に想像していた、転移陣とか、転移ゲートのようなものとは裏腹、転送ポッドのようなSFチックなものができあがった。


 そして、こんなにたくさん魔道炉も作らなくてよかったな。まあそれは他の国を侵略したときに役に立つだろう。


 これなら、今までの技術でも作れたと思うだろう。でも大間違いだ。

 今までの魔道馬車や魔道テントは、闇の魔力だけの簡単な魔道回路でできた魔道具である。いっぽうで、今回の転送ゲート部分は、コンピュータで闇の魔力を制御している。扉の正確な位置や大きさ、開く時間を制御するには、闇の魔道回路だけではできなかったのである。

 今回、電気信号を闇の魔力に変換できるようになって初めてできるようになったことなのである。


 あれ?やっぱりセレーナの魔法は関係なかった。そっちはそっちで研究しなければ。



 とりあえず、普及させる時期は後で考えるとして、まずはものを送って実験するか。

 作業をするのはジフローラBだ。ダイアナは部屋でぐったりしながら、経過を見守っているだけである。


『セレス、部屋に誰も入れないでね』

『ええ』


 セレスの電話にダイアナの声を送っているのも、ジフラーナBだ。AIが合成音声しゃべっているだけなので、分身の誰が指示を出しても同じだ。


 ジフローラBは箱状の転送ポッドにお菓子を詰めて、スイッチオン。

 転送ポッドは自動的に潰れて薄くなり、巻き取られて細くなり、その細さが通るだけの十センチ画の小さな転送ポッドにすうっと入っていった。

 そして、その十センチ画の小さな転送ポッドは、床に開いた十センチ画の扉の中に落ちていった。


 ヒストリアの監視カメラ映像を見ていると、こちら側の扉が開くと同時にヒストリア側の床に扉が開き、転送ポッドが床に落ちると同時に、ヒストリア側の床から転送ポッドが出現して、すぐに扉が閉じた。


 転送ポッド扉が開いて、中から細長く巻き取られている転送ポッドが出てきた。

 巻き取られている転送ポッドは展開されて面になり、膨らんで箱状になった。


『何か箱が現れたわ』

『もう入って開けてもいいよ』

『ええ』


 監視カメラ映像を見ていると、セレスが部屋に入ってきて箱を開けている。


『いい匂い。お菓子ね!んー!美味しいわ!新作?』

『無事に届いたみたいで何より。じゃあ、もう一つ送るから、部屋の外に出ていて』

『分かったわ』


 セレスが部屋を出たのを確認して、今度は人間大の転送ポッドに…。


『行ってらっしゃい』

『人身御供になってやる』


 ジフローラBは転送ポッドに入ったジフローラAを見送る。完全に一人芝居だ。一人ボケツッコミのようなレベルである。


 万が一のことがあっても、ギロチンされるのは物理的には空っぽの転送ポッドだけである。

 影収納の魔力供給をやめると、最後に扉を開いた場所に中身がでてくるという性質がある。転送ポッドが壊れても、この部屋かセレスのいる方に中身が出てくるだけなのである。


 万が一死んでしまっても、ジフローラは換えの効く分身なのである。痛いのはイヤだしもったいないが。


 ジフローラAはこれから遠くに行くので、ダイアナの胸の谷間とは別の魔道ルームを用意して、自分のスカートの裏に扉を設置した。ジフローラAのスカートの中には、フルプレーナAとティノーラBとリグローラBが住んでおり、今回ロイドステラ側に設置した機材と同じものもスカートの中に入っている。

 スカートの中は夢いっぱいだ。


 ジフローラAの入った転送ポッドを閉じると、お菓子のときと同じように、薄くなって細くなって十センチ画の転送ポッドに入って、そして床が抜けてヒストリアの部屋にぽんっと現れた。

 そして、転送ポッドが開いて、長いものが面になって膨らんで、人間大の転送ポッドになった。それが開いて、中からジフローラAが出てきた。


『銀髪ちゃんが出てきたわよ?カローナの言っていたジフラーナかしら?もう入っていい?』

『うん』


 ジフローラのお披露目である。もちろん、AとかBとか言わない。

 セレスはジフラーナに会っていない。


『私はジフローラ』

『あら、別の子なのね』


 そして、ジフローラAのスカート、というか股から、明るい金髪のフルプレーナAとティノーラBとリグローラBがはい出てきた。


『あら…、金髪ちゃんがいっぱい…』


『私はフルプレーナ』

『私はティノーラ』

『私はリグローラ』


「この子たちもダイアナの娘なの?しっかりしているわね」


『うん』


 代表としてジフローラAが返事をする。

 ちなみに、ジフローラたちは、ジフラーナAの娘なので、ダイアナの孫である。


『こちらからもロイドステラに行けるように機材を設置する』


「わかったわ。あとで使い方、教えてね」


『うん』


 ジフローラAとフルプレーナAとティノーラBとリグローラBは機材の設置を始めた。たくさん作った魔道炉もいくつか持ってきた。影収納の維持に必要な魔力も無限に生み出せるので、影収納に入れておけばいいだけである。

 ちなみに四人は同じワイヤの腹から産まれたジフラーナAの子であるが、もう片方の親は別なので異母姉妹なのである。

 顔はまあまあ似ているが、区別できないということは全くない。また、カローナの血はだいぶ薄いので、カローナの面影も薄い。


 とりあえずできたけど、一応ものを送って実験をする。

 ジフローラAはさっきのお菓子の空箱を転送カプセルに入れて、ロイドステラに送り返した。

 ロイドステラの転移の間に待機していたジフローラBは、転送ゲートから転送カプセルが出てきたのを確認し、中身が展開されるのを待って、お菓子の空箱を確認した。


『できたよ』


「まあ!カローナを呼ぶわ」


 セレスは電話をかけてカローナを呼んだ。

 カローナとクラリスとフェニラ、それからレジーナを抱いたレグラやってきた。


「ワープゲートというのができましたの?あら、小さい子がいっぱい…。ジフラーナ…でもないみたいですわね」


『ジフローラです』

『フルプレーナです』

『ティノーラです』

『リグローラです』


「金髪でも小さい頃のダイアナそっくりですのね…。口が達者なのはけっこうですが、礼儀作法も学びなさいな」


『『『『はい、カローナおばあさま』』』』


「…」


 四人は少しずつ声色が違う。AIは本人たちの声色を元に、完全に同じタイミングで合成音声を鳴らし、電気魔法でで口パクさせた。

 ちなみにほんとうはひいおばあさまである。


「カローナ、そういうのは後にしましょうよ。さあ、ジフローラ、お願いね」


『うん。ここに入って』


 セレスたちに転送カプセル入ってもらった。

 ジフローラAはフルプレーナAとティノーラBとリグローラBをスカートの中にしまって、転送カプセルに入って、内側からスイッチを押した。


 ロイドステラの転移の間にいるジフローラBは気が付いた。ジフローラが双子であることは非公開なのである。慌ててスカートからフルプレーナBを出して、ジフローラBはフルプレーナBのスカートに潜った。


 そして、ロイドステラの転移の間に転送カプセルが現れ、カプセルが展開されると、中からセレスたちが現れた。


 フルプレーナBは、しれっとカプセルから一緒に出てきたような振りをする。


「ここは…ロイドステラなの?」


『うん』


 カプセルから一緒に出たジフローラAが返事をした。

 ジフローラAが転移の間の扉を開け、みんなで廊下に出た。


 ちなみに転移の間は危険なので、限られたものしか入れるようにしていない。

 ヒストリア側は、今は誰も入れない。王族不在であるが、用があるなら電話で呼んでくれればよい。


「良い匂い。丁度夕食?」


『セレスたちの分も用意してある』


「あら嬉しい!じゃあ、ヒストリアに電話しておかないと…。もしもし?今日ロイドステラでご飯食べてくるわ。だから夕食はみんなで召し上がってね」


 何その、友達んちでメシ食ってくるから晩飯いらねーみたいなの。


「えっと…、ここはどこですの?ロイドステラ?」


 カローナはあわあわしている。


 どっどっどっどっ…。廊下をどたどた走ってくる音が聞こえる。


「あれ?セレス、カローナ?」


 ママ登場。


『じゃあ、あとよろしく』


「へっ?ひゃっ」


 ママにいきさつを魔法で伝えて、ジフローラAとフルプレーナBは、ダイアナの胸の谷間の魔道ルームへの扉を、ママのスカートの裏に開いて、人知れず消えた。

 ジフローラはアンテベーナのような政略結婚用の王女ではないけど、隠密部隊みたいなものなので、ここらでおいとまだ。ほんとうはこの場をダイアナが引き継げればよかったのだけど、あいにく身重なので。あとはお若い者どうしで。






 アンネリーゼは夕食ためダイニングルームに向かっていた。


 メイドの聖女の守り手を連れて、廊下を歩いていたら、気配と声が…。セレスとカローナの!


「あれ?セレス、カローナ?」


 なんでこんなところにいるの?


『じゃあ、あとよろしく』

「へっ?ひゃっ」


 ジフローラBに考えを伝える魔法でいきさつを伝えられた。そして私のスカートに影収納を開いて、入り込んでしまった。太ももがくすぐったくて、変な声を上げてしまった。


「「アンネ!」」


 セレスとカローナがハモった。ヘデイカ遠征から帰ってきて間もないので、そんなに久しぶりというわけではないのだけど。会えるとやっぱり嬉しい。


「えっ、魔法でここまで来たのですか?」

「そうなのよ。急にダイアナから電話が来てね、さっきまでダイアナの娘のジフローラに…、あら、どこへ行ったのかしら」

「えっと、なぜか夕食を余分に用意してあるのですけど」

「ジフローラが食べていってって」

「そのあとにお風呂も?」

「なんなら泊まっていっちゃうわよ!」

「嬉しいですけど、ヒストリアは大丈夫なのですか?」

「いつでも帰れるんでしょ?城の者には何かあったら電話するよう言ってあるわ」


 ジフローラB…ではないな、そのスカートの中にいるジフローラAから伝えられた、転移の間の話…。ヒストリアと一瞬で行き来できるワープの魔道具…。すごい!


 クラリスとフェニラ、それからレジーナを抱いたレグラまでいる!

 先日のライブツアーで、レグラは出産間もないレジーナとお留守番だったからね。



「アンネお姉様…。なんでセレスたちがいるのですか…」

「それはですね…、ダイアナが……」

「そのような魔道具を開発したのですね…」


 転移の間のことを話した。

 マイア姫は驚いていた。その影響をいろいろ考えているようだ。

 つい最近、路線バスやトラックが運営されるようになって、全国に流通革命が起こったというのに、今度は一瞬で移動できるんだもんな。


「「マイア様、ごきげんよう」」

「あ、はいごきげんよう」


 セレスとカローナがカーテシーで挨拶。

 マイア姫もとりあえずカーテシーを返す。


「なんと…。まさかこれから毎日、お風呂とベッドで?」

「そうしたいわ!」


 セレスとカローナはマイア姫の前からいる私の嫁だ。一緒に暮らさなくなって十年になる。六年前にマイア姫が王位を継いでからは、マッサージにも行かなくなっていた。

 それがまた、毎日一緒に寝られる?


「どうしたの?アンネ」

「アンネ…」

「アンネお姉様…。はぁ…」


 セレスとカローナが心配そうに私を見ている。

 マイア姫が呆れている。


 私は涙を流していた。


「うふふ、私と寝られるのがよっぽど嬉しいのね」

「アンネはわたくしの胸に包まれるのが好きなのです」

「アンネお姉様は私のものです!」


 三人の目から、つたない電気の魔力が飛び交っている。



「さあ、夕食が冷めてしまいますよ」


 セレスたちも一緒に夕食をいただいた。


 そしてお風呂で、


「「「ああああああああああああああああああん」」」


 セレスとカローナとレグラの声が響き渡る。


「はぁ…。今日のアンネお姉様は激しいですね…。って、あああああああああん…」


 手が滑って、マイア姫にも激しくしてしまった。


「アンネ、私も!」

「アンネ!」

「アンネ!」


「ああああああああああん…」


 ヒルダとクレアとロザリーにも激しくやってしまった。


「アンネちゃん!」

「アンネリーゼ様!」

「お母さん!」


「ああああああああああん…」


 お母様とシルバーとアリシアにも!


「アンネ王妃様!お願い!」

「すごいのくれ!」

「私の背中を診断して!」

「ボクにもちょーだい!」

「アンネ王妃様の…はぁはぁ…」


 イミグラとゾーミアとレルーパとマクサとアマージにも!


『アンネちゃ~ん!』

『私にも!』


『『ああああああああああああん…』』


 ドリーとメテーナにも!


「「はう…」」


 クラリスとフェニラにも!


「「あうあうあー」」


 ファルナとレジーナにも!



「はぁ…はぁ…。今日はすごかったわ…」

「アンネの本気、見せていただきましたわ…」


 セレスとカローナは、ほかほかのまま寝室へ。


「あら、ダイアナは?」

「そういえばいませんね」


「ダイアナはダイアナで、別の離宮で幸せに暮らしているんですよ」


「あらそうなの」

「明日顔を見てから帰りますわ」


「そうしてあげてください」


「アンネ、ちょーだい」

「アンネ…ください…」


「はいどうぞ」


 セレスとカローナは、私の母乳を飲み始めた。


「セレスちゃん、カローナちゃん、私のも飲んでぇ」


「はい、リンダお母様」

「リンダお母様…」


 無人島でセレスとカローナを拾ってすぐ、二人はお母様の母乳を飲むようになっちゃったんだよな…。


「アンネ、今度は私のをあげる」


 セレスの母乳をいただいて…


「次はわたくしの…」


 カローナのこの世で最も大きい胸から母乳をいただいて…、


 そしてみんなに授乳して、みんなに授乳されて。

 まあ、その辺はいつもどおり。


 そして、カローナの胸に顔をうずめたり、私の胸にセレスの顔をうずめさせたりして、マイア姫の歯がみの音を聞きながら寝た。



 翌日。セレスとカローナたちは、朝ご飯を食べて、転移の間からヒストリアに戻っていった。

 そして、夕食のころにはロイドステラにまた来て、夕食、お風呂、ベッド。


 しばらくは私の前のポジションはセレスとカローナで占有していたけど、いつの間にかセレスとマイア姫が乗っていた。






 ジフローラA分隊はロイドステラ王城の転移の間からゾルピデム帝国に赴き、ゾルピデム帝国城に転移の間を設置した。


 ゾルピデムの皇帝に仕立て上げたルネスタをロイドステラに連れてきて、ダイアナの大部屋で一緒に寝ることにした。そして、セレスと同じように、通いで国を統治させることにした。

 正直、ルネスタはジフラーナを可愛がってくれるのだが、ジフラーナはにゃんにゃんできないのでつまらないのだ。まあ、ダイアナも妊娠中で性欲が失せてしまっているのだが。


 ママが、ヘデイカ王国の王に仕立て上げたタリオーナも通いにさせたいと言って、ヘデイカにも転移の間を設置しようとしたが、マイア姫に怒られるからやめとけと忠告しておいた。


 ちなみに、転移の間は一般開放していない。これについては、まずはマイア姫とセレスと協議して決めようと思う。



 セレーナの魔法の研究は進んでいるが、まだまだ実用的ではない。


 プロセーラの闇の魔力があれば、十メートルを十回瞬間移動したり、一秒前に十回タイムリープしたりするくらいはできるようになった。


 影に頼らない異次元ゲートは、影に開く扉と比べて魔力一〇〇倍消費するので、あくまで影がないときの非常用という感じだ。



 スマホに変わる新しいデバイスを開発した。指輪型で、魔力立体ディスプレイを備える。

 魔力ディスプレイは、電気から闇の魔力に変換できるようになったことで、ほぼ完全な色再現をできるようになった。指輪からエージェントの立体映像を表示したりできる。


 指輪には影収納が付いている。影収納の中には結構大きな魔導炉が入っていて、すべての属性の魔力を生み出すことができる。ただし、生み出す魔力の半分は影収納の維持に使われている。魔導炉の魔力をすべて闇の魔力にすれば、1DKの魔道ルームを維持することもできる。


 エージェントは使用者の要望を聞いて複雑な魔法を行使するという、精霊のまねごとをするようになっている。魔導炉の魔力にはそれほど余裕があるわけではないので、使用者の魔力をつぎ込むと、エージェント経由で複雑で強力な魔法を行使することもできる。


 ほんとうは心を読む魔法を実装したかったのだけど、魔力をバカ食いしすぎて実装できなかった。心を読めれば、精霊が願いを叶えてくれるように、使用者が心の中で望むだけで魔法を行使できるのだけど。


 だけど、使用者の健康状態を常に把握しているので、危険になったら治療魔法をかけてくれたり、危険を与える対象を排除するような魔法を使ってくれることもある。みんなで自動HP回復になろう!


 と、いいたいところだが、今までスマホは格安で売ったり、タダで配布したりしてきたけど、この指輪型デバイスはタダではない。中に入っている魔導炉はけっこうなお値段だ。

 そんなわけで、指輪型デバイスは、裕福な平民の一年分の給料くらいの値段になった。

 開発が進んだおかげで、裕福な平民は昔の子爵くらいの資産を持つようになっている。だから、男爵や子爵でも、けっこうなお金を掛けないと、指輪型デバイスを買うことはできない。


 国内開発は落ち着いてきたし、また外交を進めようかな。国交を望む国がいくつがあるんだ。

 アンテベーナたちの出番だ。また第一王女に嫁がせて、支配してやろう。

■ダイアナ(十二歳)

 ミスリーと自分の子を妊娠した。

 セレーナとジフローラAを体外受精した一卵性双生児を自分に妊ませた。


■ワイヤ(十一歳)

 二十人の子を出産した。

 ジフローラA×アリスの子×四、フルプレーナA×アリスの子×四、ティノーラA×アリス×四、リグローラA×アリスの子×四を妊娠した。


■ジフローラA・B、フルプレーナA・B、ティノーラA・B、リグローラA・B(ゼロ歳)

 ワイヤの産んだ八人のドラゴンハーフ。

 ワイヤとジフラーナAの子がジフローラA・B。ワイヤとフラーラの子がフルプレーナA・B。ワイヤとティノイカの子がティノーラA・B。ワイヤとプロセーラの子がリグローラA・B。

 白の精霊を付けたのがAで、薄緑の精霊を付けたのがB。AとBは一卵性双生児の関係。

 ジフローラだけが銀髪。他は薄い金髪。


■アンテベーナα・β・γ・δ、デルモゾーラα・β・γ・δ、グリスティーナα・β・γ・δ(誕生)

 ワイヤに代理出産させた十二人の王女。八ヶ月で産んでしまったため未熟児。

 全員銀髪。マイアの孫に当たるが、マイアの面影を五〇パーセント持つ。

 フラベーナ、デルスピーナ、グリシーラの三人と、ジフラーナAを掛け合わせた子。

 フラベーナの子がアンテベーナα(アルファ)β(ベータ)γ(ガンマ)δ(デルタ)

 デルスピーナの子がデルモゾーラα・β・γ・δ。

 グリシーラの子がグリスティーナα・β・γ・δ。

 それぞれのα・β・γ・δは一卵性の四つ子の関係。


■セレーナ・コークス(十六歳)

 アンネリーゼの前世の母国人と同じような人種。腰ほどまでの黒髪。平たい顔。

 前世の母国人の平均的な十六歳よりも、かなり胸が小さい。ドレスを着ると真っ平ら。

 しかし、巨乳にしてもらった。


■ミスリー・メタゾール公爵夫人(十二歳)

 出産した。元ゾルピデム第三皇女。


■アンビエーナ・メタゾール公爵令嬢(誕生)

 ミスリーの産んだダイアナの子。


■ジフラーナ・ゾルピデム皇妃(一歳)

 ダイアナの産んだマイアの子。A・B・Cの三つ子。

 ゾルピデム帝国を乗っとって皇妃になった。


■ルネスタ・ゾルピデム皇帝(十四歳)

 金髪。元第一皇女。ジフラーナの工作により皇帝となった。


■エスピクローナ・ゾルピデム第一皇女(ゼロ歳)

 ルネスタの産んだ、ジフラーナAの子。


■イミリジーナ・ゾルピデム元第三王妃

 ミスリーの母親。


■ジアゼピーナ・ゾルピデム元第四王女(七歳)

 ミスリーの妹。イミリジーナの第三子。


■ハルシオン・ゾルピデム前皇帝

■トリアゾラ・ゾルピデム元第一王妃

■ロラメット・ゾルピデム元第一皇子(八歳)


◆ゾルピデム帝国

 ロイドステラより東に一五〇〇キロの国。



■アンネリーゼ、ヒルダ、シンクレア、ロザリー、シルバー(二十二歳)

■リンダ(三十二歳)


■クローナ、メレーナ、ソラーナ、エリス(二十二歳)

■マイア、アレスタ、グリメサ、タルメア、ロコイア(二十歳)


■アリシア(十一歳)

■イミグラ(二十八歳)、ゾーミア(二十七歳)、レルーパ(二十八歳)、マクサ(二十六歳)、アマージ(二十七歳)

■リフラナ(二十歳)、エミリー(三十二歳)


■ドリー、メテーナ


■マイア姫のメイド四人と騎士二人

■ヒルダとシンクレアとロザリーのメイド三人


■セレスタミナ・カローナ(二十二歳)

■レグラ・フェナージ侯爵(二十六歳)


■クラリス・ヒストリア第一王女(七歳)

 セレスタミナとカローナの子。


■フェニラ・ヒストリア第二王女(三歳)

 セレスタミナとアンネリーゼの子。


■ファルナ・エッテンザム公爵令嬢(一歳)

 カローナとアンネリーゼの子。


■レジーナ・フェナージ侯爵令嬢(ゼロ歳)

 レグラとアンネリーゼの子。


■タリオーナ・ヘデイカ(タリオン・ベポタス侯爵)

 ヘデイカ軍の総指揮であったが、アンネリーゼに性転換させられて、ヘデイカの王となった。


◆ヘデイカ王国

 ヒストリアより東に五〇〇キロの国。


◆ピラノア侯爵領

 ヒストリア王国の最東端。

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