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42 淫魔種族の撲滅

 マイアはアンネリーゼにゲノムアルツハイマーを治療してもらい、男のことを考えられるようになっていた。

 そして、最近楽しそうに学校に通うフラベーナのことを気にかけていた。


 あれはまさか、女ができた?

 いやいや、男ができたか…。今の私ならその可能性だって候補に挙げることができる。


「フラベーナ、最近学校によく通い、勉学に励んでいるようですね」

「はい、おかあしゃま。将来、おかあしゃまの跡をちゅぎ、王となれるよう邁進ちておりましゅ」


 フラベーナは一歳になったばかりとが思えないほど利発な子だ。この子を見ていれば、アンネお姉様が二歳で伯爵となったのも頷ける。

 さすがはアンネお姉様の産んだ娘。


 フラベーナほど特別ではなくとも、二歳になったデルスピーナも言葉を話し始めたし、文字の勉強を始めている。

 やはり、アンネお姉様の遺伝子はすごい。


 フラベーナは生まれつき少し大きめで、デルスピーナほどはないものの、二歳児に近い身長をしている。一方で、グリシーラは一年前のデルスピーナと同じくらいの身長だ。


 でもアンネお姉様の遺伝子を持つ娘は、大変不本意ながら、私の娘だけではない。ヒルダの娘パリナや、クレアの娘プレナも、デルスピーナに並ぶほど優秀だと思う。

 この子たちには、次世代を担うフラベーナの側近になってほしい。フラベーナと結婚してくれてもよい。愛しいアンネお姉様の血を引く娘なのだから。

 もちろん、フラベーナとは私も結婚するけど。


 まあ、デルスピーナやパリナが学校に通えるようになるには、もう少しかかる。

 今はそれよりフラベーナだ。


「誰か気になる者がいるのではありませんか?」

「はい。しゃいきん、とちの近い者が第二メタゾールから転入ちてちたのです。その者と一緒に授業を受けるのがとても楽ちいのでちゅ」

「そうですか…」



 私は気になって、第二メタゾールから転入してきた者を調べた。

 カルボス…。令嬢のいない領地の令息を集めて、改革を進めるために、ダイアナに提案された人材、男児。

 三歳でこのような仕事を任せられるということは、もしやアンネお姉様並に優秀なのだろうか。少なくとも学校の成績はそれを証明している。


 私の周りには貴族の令嬢しか置いていないけど、アンネお姉様は優秀な者なら平民でも登用する。実際に、メタゾールの使用人は貴族かと思えるほどしつけされている。それはアンネお姉様の考えた学校の方針によるものだ。


 この者は平民どころかスラムの出身だ。いくらアンネお姉様の考えた学校の方針で、貴族も平民も分け隔てなく等しい教育を行うといっても、私の大事な跡取り娘がスラム出身の、しかも男となれ合っているというのは腹立たしい…。

 いや、まだ三歳なのだから、あまり目くじらを立てるものではないか…。よく見ればこのプロフィール画像…、この男児はなかなか可愛い。もうしばらくは私のフラベーナの成長に役立ってもらおう。




 それはさておき、今日はアンネお姉様とダイアナを呼んで、ゾルピデム帝国への対応を話し合うのだ。


「先日の続きを話し合います」

「「はい」」


 先日はダイアナに対してなんだか変な気持ちになってしまった…。今日もなんだかダイアナのことが気になるけど、私はアンネお姉様一筋なので、このような者に惑わされたりしない。


「さて、私としてはひとまず向こうの使者を受け入れるか、こちらから使者を送って、動向を探ろうかと思います。

 ゾルピデム王国の王女を娶るとか、ロイドステラの王女を嫁に出すとかいうのはそのあとにしましょう」


『それでよいと思う。今は男のことを考えられないようなことはなくなったし、男が嫁いできても対応できるし、こちらの王女も向こうの王子に嫁がせられる』


「何を言うのですか。ロイドステラの王が女であると向こうが知って王子を差し出してきても、私は受け入れる気はありません。こちらから送り出す王女も、ゾルピデム王国の王妃か王女に嫁がせます」


『ふむ。それもいたしかたがない』


「とりあえず、手紙を送って返事が来るのは早くとも六ヶ月後なので、そのときに考えましょうよ…。まあ、第三王女が来てくれるのなら、私がもらいます」

「アンネお姉様は結婚禁止だと何度言ったらわかるのですか!」

「うぐぅ…」


『私がもらってあげるよ』

「ダイアナずるい…」


『あと、こちらから送り出す王族の娘も用意しておかなければね。マイア姫』

「髪の毛があればよいのでしょう…」


 先日と同じ流れだけど、変な気持ちにはならなかった。


『ちぇー』


「ダイアナ…、マイア様の子を産むのですね…」

『遺伝子の主張が強いのも治してもらったし、ちゃんとマイア姫の面影ある子が生まれるとおもうよ』


「そうでないと困ります」


 結局、ダイアナを第二王妃として迎えることになった。お披露目などしないけど、お触れは出さなければならない。

 大変不本意である。だけど、外交の面倒を押しつける以上、地位は必要だ。



「マイアよ…。ダイアナ・メタゾールを公爵に上げて第二王妃として迎えるとは…」


 アンネお姉様たちとのお話を終えたあと、キプレス(三十三歳)お父様が執務室にやってきた。

 私は王なので、自分の婚姻の誰の許可もいらないのだけど、もちろん、父としては心配だろう。

 このように心配してくれるお父様なのだけど、しばらく私はお父様のことを忘れていた気がする。


「大丈夫ですよ。後継者問題にはなりません。ダイアナはこの国を乗っ取る気なら、そのような回りくどいことはしません。

 私は他国の王女など愛せませんし、私の可愛い娘たちを余所に売り飛ばすようなことなどできません。ダイアナはそれを好んで代わってくれるというのです。ウィンウィンです」


「ふむ…。お前に任せてから、王都は目に見えて豊かになったが、あまり無茶はするなよ」

「はい。存じております」


 貴族は友好関係を結ぶために、他領に娘を嫁がせる。王となった私には関係ないことだと思っていた。国だって同じように他国に娘を嫁がせなければならない。

 血を分けた娘の顔を見たら…、乳を与えたら…、愛しいと思ってしまうかも知れない。ダイアナに隠して育ててもらうしかない。






 カルボスは予定していたすべての貴族令息の受け入れを終え、フラベーナ王女との学校生活を満喫していた。


 でも今日は仕事の日だ。憂鬱ではない。なぜならアンネリーゼに会えるからだ。

 数ヶ月ほったらかしだったけど、急にアンネリーゼからお呼びがかかったのだ。


「ごきげんよう、カルボス」

「ごきげんよう、アンネリーゼ様」


 ごきげんようって、女の挨拶ではないのかな。学校で普通に教えてもらったけど…。


 フラベーナちゃんも可愛いけど、アンネリーゼも可愛い。

 あれ…、アンネリーゼってフラベーナちゃんに似てないか?

 フラベーナちゃんって王女だよな…。アンネリーゼは…王妃…、って親子じゃんか!どおりで…。


「あの…、私の顔に何か付いていますか…」

「いえ、な、ななな、何もないです!」

「そう…」


 アンネリーゼはなぜか少し顔を赤らめてそう言った。よく分からないけど、親子そろって可愛い。

 でもアンネリーゼのほうがフラベーナちゃんよりぽやぽやしてるよな。


「もう!いいから座ってください!始めますよ!」

「申し訳ございませんっ」


 今度は怒りだした…。でも、ぷんぷんと怒っているのも可愛い。


 オレは席について、エージェント・アンネリーゼに、スマホの画面を会議室のディスプレイに転送するようお願いした。

 貴族令息の名前とやってきた日の載った表を交えて簡単に説明した。


「これで、予定していた三十五の令息はすべておいでになったのですが、令嬢も令息もいらっしゃらない貴族家が五つございます」

「放っておくという方針にしたと思いますが、どうかしましたか?」

「この五つの家からは、ご夫人に来ていただくのはいかがでしょう」

「貴族夫人に爵位の継承権はないのですよ」

「令嬢だって、爵位継承予定ではなかったところを、知識を付けさせて、家の主導権を握らせたのでしょう。ヒドルチゾン侯爵家ではそのようにしたと聞きました。

 夫人だって教育すれば、家の主導権を握れるのではありませんか?むしろ、最初から夫人のほうが強いかもしれませんよ?爵位はなくとも、夫をコントロールするのは容易だと思います」

「なるほど…。それは良い案ですね。とても良い案です…。それはこちらで進めましょう」

「分かりました」


 男のことはやる気がないようだけど、奥様ならイケるらしい。アンネリーゼの守備範囲が偏っててビビる…。



「ところで…、あなたは最近フラベーナと一緒に授業を受けているようですね…」

「あ、はい…」


 マズかったかな…。平民のオレなんかが王女となれ合っていたら、外聞が悪いだろうか…。


「あ、いえ、別に悪いなどと言うつもりはありませんよ。あなたがフラベーナに相応しくなればよいのです。最初は私の隣に立つためにがんばることにしたのでしょう。でも、フラベーナのほうが歳が近いし、良いのではありませんか?」

「その…、はい…。将来フラベーナ様を支えられるようにがんばっています…」


 むぅ。アンネリーゼには何でもお見通しか…。でも、アンネリーゼは実力主義のようだ。スラム出身のオレにだってチャンスはあるんだ。

 逆にいうと、貴族だってボンクラじゃ使ってもらえない。オレはアンネリーゼに拾われて良かったと思う。


「でも、フラベーナはのことは、私もマイア様も狙っていますし、正妻…ではなくて第一配偶者にしてもらえるかは、フラベーナしだいですよ」

「えっ…」


 狙っているって…、正妻って…、ああ、何でもアリのアンネリーゼだから、親子で結婚なんて当たり前のことなんだな、きっと。

 「私、パパと結婚するぅ」みたいなのが余裕なんだな…。アンネリーゼの場合「私、ママと結婚するぅ」だろうけど…。あれ…、アンネリーゼはパパなのか?ママなのか?

 ダメだ。両親が母親だなんて、ファンタジーすぎてオレにはついて行けない。


 てっきり、オレがアンネリーゼに思いを寄せていたのを、フラベーナちゃんに乗り換えたことについて気を悪くしたのかと思ったら、アンネリーゼもフラベーナちゃんを狙っていたということか…。

 男女関係がごちゃ混ぜすぎる。さすがファンタジー世界。


「フラベーナが大きなリボンを付けて、嬉しそうにしていました。この世界には髪飾りのようなものはありませんし、私が髪を自然のままにしておくのが好きなので、そこまで気が回っていませんでした」


 アンネリーゼのストレートヘアは、フラベーナちゃんのような金髪ではないけど、たしかに自然なままがいちばん綺麗に見える気がする。


「なるほど。アンネリーゼ様のブランドも類似のブランドもドレスばかりで、そういう装飾品を扱っていないのですね」

「ええ。あなたがリボンや髪飾りを扱うブランドを立ち上げてはいかがですか?」

「えっ、私がですか?」

「あれだけ可愛いリボンを作れたのです。前世の知識を活かして、ひと財産築けるのでは?」

「でも、資本金がありません…」

「ではフラベーナを巻き込んではどうですか?私があなたに出資するのは難しいですが、フラベーナになら出資できます」


 なんてこった。アンネリーゼはオレとフラベーナちゃんの仲を応援してくれるのか?


「あの…、アンネリーゼ様が私に良くしてくれるのは、私が転生者だからですか?」

「いえ、あなたが可愛いからです」

「へっ…」


 可愛いが正義…。エージェント・アンネリーゼが教えてくれた、アンネリーゼの信念…。

 前回は慌てて、可愛いから優秀に訂正しようとしていたけど、今回は堂々と可愛いって言いやがった。


「少し見ないうちに、可愛くなりましたね」

「ありがとうございます…」


 たしかに半年くらい前に比べると、鏡で見る自分の顔はちょっと可愛くなったし、太ももとかに脂肪が付いてきたし…。

 自分のちっぽけな自尊心を捨てて、アンネリーゼに可愛くなるようにしてもらってよかった…。


「所作も洗練されましたね」

「恐れ入ります」


 礼儀作法の授業もひととおりクリアした。それもお嬢様の作法だけど…。

 それとは別に、アイドル養成科でしぐさという授業ある。これはアイドルのような可愛い女が、いちいち可愛く見えるようなあざといしぐさだ。これは礼儀作法と一緒に使うものではないのだけど、癖になるまで練習させられているので、ときどきこういう場所でもポロッと出てしまう。

 つまり、今のオレは、お嬢様の所作で臨んでいるけど、ときどきお嬢様の仮面が崩れると、アイドルのしぐさが顔を出してしまうのだ。そのさらに内側にあるはずの男のしぐさなど、すでにどこかに行ってしまった…。


 オレを男に見せているのは、もはやズボンしかない。スカートをはいたら、どう見ても女の子にしか見えないだろう。ズボンは最後の砦なのだ…。

 今のオレは可愛い姿をしているからいいけど、前世のオレがなよなよしている姿など鏡で見るに耐えないだろう。前世の姿は思い出せないけど。


 ところで…、「キミ、可愛いね」と言ってひいきするだなんて、まるでセクハラ上司ってやつみたいだな…。


「何か不満がありますか?」

「いえ、いっさいございませんっ」


 アンネリーゼはぽやぽやしているくせに、ときどき、いや案外いつも鋭いなぁ…。やっぱり女神なんだろう。何でもお見通しなのがいい証拠だ。

 なんで女神であることを隠したがるのか。


「いちおう、フラベーナにも意思確認してみます。それまでは、リボンブランド立ち上げの話題を振らないように」

「はい」


 お坊ちゃんのお相手も一段落して、学校でフラベーナちゃんとの毎日を楽しんでいたけど、ここらで副業を持ってもいいな。それもフラベーナちゃんと一緒だなんて。

 ああ、楽しみだ!






 フラベーナはアンネリーゼに呼び出された。

 一般の応接室だ。なぜならアンネリーゼは執務室を持っていないから。なぜならアンネリーゼは執務をしないから。

 アンネリーゼには大部屋の寝室しかないのだ。昔から。


「アンネおかあしゃま、参りまちた」

「ごきげんよう、フラベーナ。今日はあなたの付けている可愛いリボンのことで話があります」

「うふふっ、これ、気に入っているのよ」


 フラベーナには三つの顔がある。

 一つは、アンネリーゼのおなかの中にいるときにエージェント・アンネリーゼから教わった、堅い言葉遣いである。生まれてしばらくは、これしか知らなかった。


 二つめは、親しい令嬢どうしで使う、柔らかなお姫様のような言葉遣いだ。


 三つめは、アイドル養成科で習った、砕けた可愛いしゃべり方である。少し、平民っぽくもある。


 マイアはしつけに厳しいので、マイアの前ではそのまま堅い言葉遣いを続けている。

 一方で、アンネリーゼは意外とゆるい人物だというのが分かったので、試しに柔らかお姫様モードのしゃべり方にしたところ、受け入れられたのである。


 しぐさについても同じだ。生まれてからずっと貴族の所作を崩さずに生活してきたが、学校に行っている間と、アンネリーゼの前でだけは、気を抜いてすごすことができる。

 アイドルのしぐさも、習ったものであることには変わりないのだが、お堅い貴族の所作よりは自然に振る舞うことができる。


 フラベーナが生まれたときからお堅い子だったことにアンネリーゼはげんなりしていたが、こうして普通の子のように振る舞うようになってくれて、アンネリーゼは満足しているようだ。


「そのようですね。今度はそれを自分で作って、世の中に広めてみる気はありませんか?」

「同じものをちゅくるのは簡単だけど、売れるのかちら」


 フラベーナに付けられた精霊の魔力は、ドリーの半分の土の魔力を持つため、今のアンネリーゼの土の精霊とは比べものにならない程に大きい。

 五歳のときのアンネリーゼでも、「これと同じティーカップ」というような指示で同じものを作ることができたのだ。フラベーナには、「これと同じドレス」とか「これと同じリボン」という指示で同じものを作るのは造作もない。

 ところが、別のデザインとなると話は別だ。精霊が「適当力」を発揮するには、術者の知識がそれなりに必要だ。

 ダイアナが「チャットアプリ」という指示で良い感じのチャットアプリを作れるのは、ダイアナの前世の知識と精霊の適当力のたまものだ。

 一方で、フラベーナには前世の知識がないので、いくら精霊が適当力に優れていても、良い感じのリボンはなかなか出てこないのだ。


「同じものばかりでは売れません。新しいデザインを考えるのです」

「あたらちいデじゃインなんてできるかしら…」

「ふふっ、ではあなたが懇意にしているカルボスを頼ってはどうですか?」

「アンネおかあしゃまはカルボしゅのことをちっているのね」

「ええ。そのリボンはカルボスが作ってくれたのでしょう。カルボスはデザインが得意なはずです」

「カルボしゅとリボンのおみしぇを出せるなんて、しゅてきね!」

「将来的にはあなたたちはデザインだけをして、雇ったスタッフに作らせるとよいでしょう」

「いっちゃいのわたちにできるかちら…」

「私が二歳のときに売り始めたドレスは、三歳か四歳のごろからブランドとして認知されるようになりました。一歳のあなたと三歳のカルボスにできないことではないでしょう」

「分かったわ!わたち、やってみるわ!」


 こうして、フラベーナとカルボスのリボンブランドは幕を開けた。






 アンネリーゼは、開発済みの領地の学校に留学した貴族令息と会うことにした。


 いや、ほんとうはやってくるたびにカルボスから面会要請があったのだけど、私はおそらくゲノムアルツハイマーにかかっていたので、可愛くない男と会うことが考えられず、ずっと無視していたらしい。先日カルボスに会って、始めて気が付いた…。

 だから、結局令息が全部そろってから会うことになってしまった。


 留学した領地から王都までは電車で数時間で来られるので、せっかくだから電車で来てもらうことにした。

 一人一人に面接と施術をするので、時間をずらしてある。といっても、地方からの高速特急は一日につき一本しか出ていないので、王都に来てからぶらぶらしているしかないだろう。


 カルボスから令息には、あらかじめ永遠の幼児か男の()になる必要性を説明してもらってある。苦渋の決断だろうが、結婚相手が見つからなくて困っていた者もおり、必要性を理解してもらえたと思う。

 だいたい、男は本能からかっこよくなろうとするのではない。女がそれを好むと知ってかっこよくなるのである。

 しかし、今は女が好むのは可愛い者なので、男はそれを知ったのなら可愛くなるべきだ。流行みたいなものである。私が定めた。私が法だ。


 そして、キャラメイキングアプリを渡してあり、自分のなりたい姿を作ってもらってある。留学してから今日までに時間が空いてしまったのだけど、けっこう最近まで弄った履歴がある。やはり、自分のなりたい姿だから、なかなか決められないのだろう。


 変えるのはいつでもできるんだけどね。一生ものだと思わせておいたほうが気合いが入るかな。

 どうしても後悔してしまうようだったら変えてあげよう。


 このアプリでは、基本的に私の射程外の容姿にならないようにうまくできているのだけど、私の好み…、つまりこの国全体の女性の好みの容姿になることと、自分のプライドとの間には葛藤があったようだ。

 それに、すでに成長しているのに、背が低くなるというのにも抵抗があるらしい。


 基本的に、幼い子は永遠の幼児を選んでいるが、将来的に男の()になりたいという子もいる。

 十代の子は男の()を選んでいる。中には、今の自分より少し身長が低い容姿を選んでいる子も少しはいる。

 中間は、幼児ともいえない、男の()ともいいがたい、絶妙な容姿だが、それもまた良い。



 カルボスをキャラメイクしたときは知らなかったんだけど、声質のカスタマイズもできたらしい…。たしかに、せっかく可愛くなっても声が男のままじゃ台無しだ。


 あらあらまあまあさん声とか、ツンデレ娘声とか、ボクっ娘声とか、なんだかプリセットがどこかで聞いたことのある声に似ている…。サンプルで聞けるセリフが、その名の通りのキャラのセリフだ…。だいたい、その名は口調であって声質ではないだろう…。

 そこからさらに細かくカスタマイズできるようになっていて、高音・低音とか、ロリ系・野太いとかをスライダーで調整できるようだ…。まあ、ゲームでもこれくらいあったね。


 うん、みんな可愛い声に調整してきたね。

 今日はまだ消音魔法をついうっかりわざと忘れたりはしないけど、将来的には消音魔法をついうっかりわざと忘れてしまいそうな声ばかりだ。

 いや、幼児の声は今でも消音魔法をついうっかりわざと忘れてもいい。



 というわけで改造開始だ。

 まだ好みの容姿の年齢に達していない子は、その年齢に達するときにその容姿になるように改造した。

 すでにその年齢に達しているか、それ以上の年齢の子は、一年かけてその容姿になるように改造した。


 領地に戻ったときに親にどんな顔をされるかは知らない。




 さて、お坊ちゃんたちのことはこれでしばらく放置なのだけど、ロコイアのつてで呼んだダメなお嬢様四人組って、もう三年もメタゾールにいるじゃん…。ここんところ忙しくて、全然フォローできていなかった…。

 たしか今十八歳だと思うけど、いいのかな…。行き遅れなのでは…。


 というわけでメタゾールに行こう。時速六〇〇キロで飛んでいってもいいのだけど、シルバーはお役御免になるまいと、走行で時速八〇〇キロ、飛行で時速四〇〇キロまで到達しているということなので、シルバーに任せることにした。


「シルバー、よろしくお願いします」

「はい、ご主人様」


 最近全然出かけていなかったので、せっかくメイドになった聖女の守り手は暇を持て余していた。もちろん騎士や魔道士の訓練も怠っていなかったけど。

 だから、今回は五人連れて行くことにした。


「みなさん、よろしくお願いしますね」


「任せて!」

「もちろんだ!」

「任された」

「久しぶりのアンネ王妃様とのお出かけ~」

「アンネ王妃様不足で干上がってましたぁ…」


 ほんとうに、みんなに頼るのが下手くそでごめん…。


 シルバーは時速八〇〇キロなので、王都からメタゾールまで二時間だ。鉄道に並走している高速道路を通っていたら、途中で時速四〇〇キロの高速鉄道を追い越したよ。シルバーの頭に付いているカメラ映像を馬車内のディスプレイで見ていたけど、一瞬すぎてなんだかよく分からなかったけど。

 その間に、みんなでお茶したり、一緒にお風呂に入ったりして、結局メイドでも何でもなくて、たんにお嫁さんたちとのひとときを過ごした。



 メタゾールに到着した。


「先に聞いておけばよかったのだけど、あの子たちは学校に行っているのですか?」

『いえ、メタゾールの屋敷でお茶を飲んでおります』

「屋敷で勉強したりしていますか?」

『いえ』

「はぁ…」

『連れてきたときに一回だけしか施術していませんでしたから、洗脳が足りなかったのだと思われます』

「なるほど。ロコイアとは違うのですね…」


 っていうか、こんなになる前にエージェントも教えてくれればいいのに。

 令嬢たちは一つの部屋に引きこもって暮らしていた。


『どうやら、女の子を好きになるという洗脳は、それなりに効いていたようです。四人で愛し合って暮らしています』


 なるほど。今は女の子どうしで結婚するのが当たり前の時代だった。

 でも、キミたち、勉強もせずに仕事もないのだから、互いに結婚しても何も得られないだろう。愛だけでは生きていけないよ。


 私は令嬢たちのクラス部屋の扉を開いた。

 着替えをしていたらどうしようとか思わなかったわけではないけど、ここは娘の着替え中にノックもせずに父親が入ってくるような世界なので、そんなことを気にするのはたぶん私だけだ。


「ごきげんよう、みなさん」

「「「「あ、アンネリーゼ様…」」」」


 しまったーという感じだ。何がしまったのやら。

 記憶をたどると、もう二年くらい勉強していないようだ。放置しすぎた…。


「みなさん、まずはお風呂に入りましょう」

「「「「えっ…、はい…」」」」


 領民のみんなが私に協力的なのは、私にマッサージで洗脳されていたからだ。それで豊かな生活が送れるようになったのだから、よいではないか。

 そして、この子たちがサボっていたのは、ろくに洗脳していなかった私の落ち度だ。この子たちが働いていないのは、私の責任だ。

 私は王妃なので、国民全員の生活を守る責任がある。私はこの子たちを働けるようにして、生きていけるようにしなければならない。

 この子たちをどのようにして働かせるかは、私次第だ。なぜなら私は王妃であり、私が法だからだ。


「イミグラたちもご一緒しましょう」

「「「「「はい!」」」」」


 どうせいつも、シルバーとイミグラたちは王族と一緒にお風呂なのだ。


 マッサージに何の魔法を込めるかは吟味しなければならない。

 まず、私を恋の対象と見るようになる魔法は込めない。

 込めるのは愛。この子たちに健康で美しくなってほしいのはもちろん、領地の発展のために賢くなってほしいという思いを込める。

 さらに、中毒性を与える。意識して中毒性を与えたことなんてない。最初から私のマッサージは誰もがやみつきだ。

 最近なぜか、私の子種がご褒美になってしまっていたけど、本来は私のマッサージがご褒美だったはずだ…。


「「「「あああああああああああん…」」」」


 うーん。ずいぶんやってあげていなかったから、ほとんど初期状態じゃないか…。


「「「「「「ああああん…」」」」」」


 そして、おまけでシルバーとイミグラたち。


 それから授乳をする。授乳することで、私はこの子たちのことを我が子のように思えるようになる。これをやっていなかったから、長らく放置してしまったのかもしれない。我が子にしてしまえば、もっと親身になってこの子たちの面倒を見られるはずだ。たぶん。

 「たぶん」とかいっているから効果が薄いのだ。私の思ったことがそのまま本能に刻まれるのだから、私が信じないでどうするのだ。


 あ、でも、実験するならもっと身近な子でやろっと…。私がこの子たちのことばかりにかまけるようになっては困る。

 そうだ、イミグラたちで実験しよう。いつもよりも、「母乳を与えた子が我が子に思えるようになる」魔法をかけるのだ。

 これって、母乳をもらったほうじゃなくて、与えるほうがかかる魔法なんだな。どうせなら、もらったほうも相手を親と思えるような魔法…、ってそれじゃ魅了になってしまうので、やめておこう…。自分で自分を洗脳するって勇気がいる…。つい最近も男のことを遺伝子から消し去っていたわけだし、慎重にならねば。



 お風呂で身も心も綺麗になったら、勉強を見てあげよう。

 そのあとは、ちょっと夕食には早いけど、ほんのり手間をかけた手料理。

 これで胃袋も掴んでおける。やっぱり魅了っぽい。


「アンネリーゼ様…、もうお帰りになるのですか…」

「寂しいです…」

「もっとお相手してください…」

「アンネリーゼ様がいないと私…」


「うふっ、勉強をして領地改革をしたら、王城の離宮で一緒に暮らせるようになりますよ。そして、優秀だと認められれば、国の仕事を割り振られるかもしれません」


 でも、来てもらっても一緒には寝られないんだよね…。


「私、必ずアンネリーゼ様の元に参ります!」

「私、頑張ります!」

「アンネリーゼ様のお相手してもらえるようになります!」

「アンネリーゼ様とまたご一緒できるように…」


「それでは皆さん、ごきげんよう」


 私はメタゾールをあとにした。

 王都に着いた頃にはすっかり遅くなってしまったけど、お嫁さんと娘たちとのお風呂は欠かさない。





 今日は、アンネリーゼが主催する、うちわのお茶会である。招待客はヒルダとシンクレアとロザリーのみ。


「アンネとは最近、夜しかご一緒してなかったのよね」

「うん。毎日一緒にいられるのは嬉しいけど、最近刺激が足りないんだよね」

「いいではないですか。こうして久しぶりにお茶できるのですから。ん!うぉいひーっ!」


 ヒルダとクレアの言うとおり、最近あまり会話がなかったなぁ。

 ロザリーはお菓子を口に入れると、思わず叫んでしまったようだ。なぜなら、今日のお菓子は私の手料理だからだ。


 手料理というのは手を使って手間暇かけた料理であり、食材に手が触れている時間や、込めた丹精が美味しさの決め手になる。

 ここにも知らないうちに私の魔力がこもっている。ここは私が込めた思いが現実となるファンタジー世界なのである。


「最近忙しくてごめんなさい…」


 私は何に忙しいのやら…。言っていて恥ずかしくなった…。

 いやいや、ここ最近は、新しい嫁も娘も作っていないし、恥ずべきことはないはず…。


 このお茶会には、私以外みんな娘を連れてきている。

 ヒルダの娘パリナ、クレアの娘プレナ、ロザリーの娘ペルセラ。三人は部屋をしっかり歩き回っているし、言葉もけっこう話す。一歳児とは思えないスペックだ。


 それと、娘といっていいのかはおいといて、ブルードラゴンのシンシア、レッドドラゴンのベニシア。子供たちの良い遊び相手だ。


 いや、パリナとプレナとペルセラは私の娘でもあるんだ。私だけ娘を連れていないというのはおかしい。むしろ私の娘がいちばんいる。


 でも…、自分の腹を痛めて産んだ子という点においては、私はフラベーナをマイア姫に預けっぱなしだし、私は自分の腹を痛めて産んだ子を連れていないというのが正しい…。私は自分で産んだ子もろくに育てていない…。


 フラベーナを連れてくればよかったのだろうか…。でもフラベーナはパリナたちとはスペックが違いすぎるし…。

 デルスピーナならどうだ。でもデルスピーナはマイア姫の産んだ子だし…。

 いやいや、スペックなんてどうでもいいじゃないか…。


「アンネ、なに百面相しているのよ」

「どうせ、自分で産んだフラベーナを連れてくればよかったぁとか思っているんでしょ」


 ヒルダとクレアの言うとおりだ。図星すぎる…。どうしていつも私は顔に出るんだろう…。


「えっ…、その通りです…。自分だけみんなと同じことをしていないと落ち着かない小心者なんです…」


「まあ、ここにいる子は、みんなアンネの娘なのですよ」


 ロザリーが優しすぎる…。


「そうですよね!みんな私の可愛い娘!」


「私だってペルセラのことをここまで自分で育てることになるとは思ってもみませんでした。

 ヒルダとクレアを見ていたら、いつも抱いているか側に寝かせているじゃないですか。それにときどきおしめを取り替えたりもしているし。

 私の小さい頃は、お母様よりはメイドと一緒にいる時間のほうが長かったのですよ。子育てはメイドに任せるものだと私は思っていました」


 なるほど。ロザリーの母親ラトニーは放置系か。


「それって、下位貴族か上位貴族かの違いじゃないかしら」

「そうだね、うちはレディースメイドだって他の仕事をしていたし、メイドが子育てばかりしているワケにはいかなかったもん。アンネのところだってそうでしょ?」


 なるほど。上位の貴族ほど子育てはメイドに任せて、下位の貴族は母親も子育てに参加するってことなのか。

 あれ…、私ってどうだったかな…。


「そうですね。私も生後六ヶ月で歩けるようになる前は、メイドに面倒を見てもらっていました」


「えっ…、六ヶ月で歩けたの…」

「そのあとは?」


「自分でトイレに行ったり、着替えたりですね。言葉は教えてもらいましたけど」


「はぁ…。さすがアンネね…。私は六ヶ月のころのことなんて覚えていないわ」

「ってことは、メイドどころかリンダお母様にも面倒を見てもらっていないってこと?」


「そうですね、たしかに面倒を見てもらっていたのは六ヶ月まででした」


「それなら、子供の育て方を知らなくてもしかたがないんじゃないかしら」

「まあ、アンネだからね」


 なんだかいつも変人扱いだ。メタゾール家では私は普通に受け入れられていたのに…。


「でも、フラベーナなんて、生まれたときからおしめが取れていたし、一週間で歩くようになったんですよ」


「まあ、アンネの産んだ子だしね」

「まあ、アンネだからね」


 フラベーナまで変人扱い…。いや、私も変な子って言っちゃってるけど…。

 そして、フラベーナのことを言ったのに、私が変人扱い…。


「まあ、アンネが子育てできなくても、アンネは最上位の貴族なんだし、べつに気にしなくてもよいのではありませんか?」


「そうですね!自信が付きました!」


 今日はなんだかロザリーがとても優しい!


 そのあと、お嫁さんたちが自分の産んだ娘に授乳して、私がすべての娘に授乳して、ドラゴンにも授乳して、それからお嫁さんにも授乳して…。

 今回は、「授乳した子が可愛く見える」魔法を、少しだけ強くしてみた…。なんか、あんまり強くすると、私って数え切れないほど子供とお嫁さんがいるので、子供とお嫁さんに付きっきりになって、仕事をしなくなってしまいそうなので…。

 でも、子供とお嫁さんをもっと大事にしなければならないと思えるようになった…、気がする…。



「そういえば、アンネの回りに付いていたすごく大きい光の精霊はどこに行ったのよ」

「私もそれ、気になっていたんだけど、隣にいるまぶしいほど強い光が精霊なの?」

「えっ、何の話ですの?」


 そうか、ヒルダとクレアは、私の光の精霊が見えるのか。それに対して、ロザリーは見えないんだ。


「ロザリーはまだ見えないかもしれませんが、クレアの言う通り、これが私の光の精霊です」


「私は火と水と風しか見えません…」


 ロザリーはお貴族様三点セットか。


「へー…、なんか嫌な予感がするわ」

「新しい嫁とか言うんじゃないだろうね」


「えっ…」


 ほんとうに、この子たちは心を読む魔法を持っていないのだろうか。


「出てきなさいよ」

「そうだよ。どうせ可愛い子を連れてきたんだよね」


『そこまで言われたらしかたがありません』


 メテーナは光の玉からヒト型に変身してしまった。私の望まないことをやっている気がするけど、長期的に見て私の利益になることは私の意に反してできるらしいから、これは利益になることなのだろうか…。

 っていうか、言葉遣いはちゃんとしてるんだね…。崩すのはダイアナの前でだけか。


「アンネが二人になったわ…」

「どうなっているの…」


『私はアンネリーゼの精霊、メテーナです』


「へー…。精霊ってことは、アンネと常に一緒にいるわけ?」

「いや、ドリーみたいにどっか行っちゃうんじゃない?」


『私はアンネリーゼを加護していますので、アンネリーゼから離れられません。ドリーは誰の加護もしていないので、好きなところへいけますが』


「つまり、いつでもどこでもアンネとキャッキャうふふできるワケね」

「やっぱりお嫁さんなんじゃないか!」


『それが、私はアンネリーゼと同じ姿をしているので、アンネリーゼは構ってくれないのです』


 よかった。いつもイチャイチャしているなんて言われたら、二人に何て言われるか…。


「ちょっとアンネ、どういうことよ!」

「そうだよ。いつも一緒にいるのに、構ってあげないなんて生殺しじゃないか!」


「えっ…」


 いつも一緒にいるから怒られるのかと思ったら、一緒にいるのにイチャイチャしてないからという理由で怒られた…。理不尽…。


「メテーナも今日から一緒にお風呂に入ったり寝たりしましょうよ」

「うんうん」


『受け入れてくださって、ありがとうございます』


「あ、メテーナはアンネからどれくらい離れられるの?」

「たしかに、今みたいに数十センチしか離れられないってのでは困るな」


『二メートルです』


「うーん、微妙ね。ローテーションでは二メートル以上離れる日もあるのよ」

「じゃあ、二メートル以上離れる日は精霊の形でいてもらおうよ」


 ローテーションって何!


「それがいいわね」

「じゃあ、これがベッド上での配置ね。メテーナがアンネの隣に寝られるのは、十日後ね」


『はい』


 クレアはスマホを出して、ベッドの俯瞰図と名前の一覧を表示して見せた。

 中心に私のCGが寝ており、その左右や上下の位置にヒト型輪郭が並んでおり、それぞれの輪郭にA、B、Cとラベルを振ってある。

 表にはA、B、Cとお嫁さんの名前が対応づけられている。

 これは今夜の配置であり、ページをスワイプすると、明日の配置予定が表示された。


 ポーンと、ヒルダとロザリーのスマホに通知が来た。


『『ベッドのローテーションが変更されました』』


 ベッドでの配置って、こんな風に決められていたんだ…。知らなかった…。いつも均等に隣の子が入れ替わっているなぁと思っていたんだ。

 しかもそれがみんなに通知されるんだね…。


 廊下からドタドタ音が聞こえてきた。

 バタンっ!茶室のドアが勢いよく開かれ、


「アンネお姉様!メテーナとは誰ですか!」


 マイア姫が殴り込みに来た。


「ひいぃ…」


 私は座ったまま上半身を後ずさってしまった。


「それに、ヒルダ!かってに嫁を加えるとは何事ですか!」


「メテーナはアンネの精霊なのよ」

「強い精霊は人の形を取れるんだ」


「アンネお姉様…、私に見えない嫁をこの部屋に連れ込んでいたということですか」

「そういうわけでは…。ヒト型になれるようになったのもつい最近でして…」

「捨ててらっしゃい!」

「そんな…、捨て猫ではあるまいし…。というか、精霊は主人が死ぬまで離れられないのです…」


「そっか、マイア様には光の精霊が見えないのね」

「あっ、そうだった。見えない人もいるから、ドリーはローテーションに加えていないんだった」


「ちょっと待ちなさい。ドリーとは誰です!他にも見えない嫁がいるのですか!」


「あーあ…」

「しまったぁ…」


 うわっ…。マイア姫にドリーの存在がバレてしまった…。なんてこった…。

 ヒルダとクレアはあちゃーという顔をしている。私はあわあわしていることしかできない。


 たしかに、ローテーションの表にはドリーの名はない。仮にドリーを加えても、見えない人にはその位置が空白になるだけだ。それはメテーナも同じだ。

 いくらメテーナが私の姿をしているからといって、精霊を見る視覚と普通の視覚は別だ。

 でもそれは、胎児の時から精霊を見てきた私だから区別できるのであって、後天的に精霊が見えるようになった者には区別しづらいようだ。普通の視覚と精霊を見る視覚は、いうなれば右目と左目みたいなもので、普通の人は右目と左目で別々のものを見て認識することはできないのだ。


 突然乱入してきたマイア姫には席が設けられた。王権の行使である。

 私はドリーとメテーナついて洗いざらい話をさせられた。容姿、出会った経緯、今までどういうときに一緒にいたのか。

 ドリーの葉っぱ水着について、細かく説明させられた…。でもなぜそのような服装なのかについては伏せることができた。私の趣味の服装をさせたなどと思われるのは困る。


 リーフについては触れずに済んだ。ロリ巨乳葉っぱ水着幼女の私のことなど話せるわけもない。

 娘たちに付けた精霊がヒト型になれることも伏せた。もちろん、その精霊たちがどのようにして生まれたかなど、言えるわけもない。


 こうして、お茶会はマイア姫の乱入によってめちゃくちゃになって幕を閉じた。




 ヒルダたちとのお茶会の数日後に、クローナ、メレーナ、ソラーナ、エリス、アレスタ、グリメサ、タルメア、ロコイアを招いてお茶会をした。

 七人は一歳になった娘を連れてきている。ロコイアの娘だけはまだ首が据わったばかりだ。


 私はお嫁さんに序列など付けたくないのだけど、マイア姫にはっきりと境界線を引かれてしまった…。今でもクローナたちとは一緒に寝ていない。

 たしかに、付き合いの長いロザリーやドリーくらいまでと、それ以降のクローナたちでは、明確な差があるんだよな…。クローナたちには私のことを愛称で呼んでもらっていないし。


 ちなみに、今回はなんとなく前回の反省の活かしてフラベーナを連れてこようかと思ったのだけど、フラベーナは学校でいちゃいちゃしていて忙しいので、かわりにデルスピーナを連れてきた。デルスピーナはヒルダたちの娘とはよく遊んでいるけど、こっちのメンバーとはあまり遊んでいない。

 デルスピーナの付き合いに差があるのもあまりよくないし、この機会に仲良くなってもらおう。



 その夜…。私は寝室の壁を見つめた。この壁の向こうにクローナたちがいる…。

 視覚では見えなくても、まとっている魔力を見れば誰か分かるんだよ。輪郭しか見えないので、可愛いとか感じないけど。いや、体型がはっきり分かるので、これはこれで良いかも…。胸の形とかくびれとかはっきり分かるよ…。って、胸の形とくびれの分からないドレスを着ている子はいないけど。


 この壁さえ土魔法で崩してしまえば…。


「アンネお姉様。ダメですよ」

「えっ…」


 みんな心を読む魔法を持っているのではないだろうか。

 それとも、私の考えを伝える魔法が、かってに発動しているのだろうか。メテーナ、やっていないよね?


『私のせいにしないでよ』


 側にいる白い球から声が聞こえた。うぐぅ…。


「でも、ときどき向こうの部屋で寝るくらいは許してあげます」

「えっ」

「あと、お風呂だって時間が違うのですから、向こうのチームとも一緒に入ったらいかがですか?」

「いいのですか…」

「私としては大変不本意ですが、アンネお姉様の寂しそうな顔を見るのはもっと嫌なのです」

「うう…、マイア様、ありがとう…」

「こんなに懐の広い王なんていないと思いませんか?」

「はい…」

「まあ、くれぐれもあの子たち以外の嫁を連れ込まないように。また、なし崩しに使用人が押しかけてきますよ」

「その通りです…」


 ほんとうはヒーラーガールAことリフラナとコーリルも入れてあげたい…。使用人から嫁になったシルバーと、嫁から使用人になった聖女の守り手が、いじめられそうで怖い…、けどそんなことはどうやらないようだ。私のお嫁さんは誰一人として嫉妬のような悪意を発したりしない。

 マイア姫だって「大変不本意」とか言っておきながら、怨みとか妬みとか感じたことがない。

 クローナたちだって寂しいという気持ちは感じるけど、やっぱり悪意を感じたことがない。


 とりあえず今日は、クローナたちと寝るんだ。

 私は壁…


「だからそっちじゃなくて、ドアから出ていってください」

「はい…」


 ふたたび壁を見つめたら、マイア姫に怒られた。

 壁を突き破らないで、ドアから隣の部屋のドアへ。クローナたちはとても喜んでくれた。

 マイア姫が王になって私が王城で暮らすようになって以来じゃないかな。

 その後、私はときどきクローナたちの部屋で夜を共にするようになった。

 いつのまにかクローナたちも、ローテーション管理アプリを導入していた。




 王城で暮らすようになってから風化してしまった習慣…、ヒストリア王国へ行くこと…。

 ただでさえ遠いのに、王都からメタゾールまでの距離が加わってしまったし…。


 でも、今だったら自分で飛んでいけばいいんじゃない?


『ママ、カローナとクラリスが来た』

「へっ?」


 自分の口で喋れるようになったはずのダイアナは、相変わらず合成音声で口を動かさずに喋っている。

 いや、それは置いておいて、なんて言った?


『レグラとリーフもきた』


「ごきげんよう、アンネ」

「ごきげんよう、アンネリーゼ様」

「ごきげんよう、アンネリーゼ様」

『ごきげんよう、お母様』


 カローナは相変わらず胸が重そうだ…。カーテシーで少し屈んだときに、胸が余分に下がってたっっぷんとなり、戻るときにもまた余分に上がってたっっぷんとなる。そして、身体はそれに振り回されまいと、必死にこわばっている。

 どんなに胸が邪魔でも、所作だけは乱さないカローナ…。そんながんばっているカローナはとても可愛い…。


 そしてクラリス…。もう五歳か…。しっかりしている。

 カローナともダイアナともかなり似ている。エッテンザムの遺伝子は主張が強いとはこのことだ。

 ダイアナと同じように筋肉がほとんどないけど、身体強化を使えるし、ダイアナほど怠惰ではないので、動くことには苦労していないようだ。


 レグラも久しぶり…。レグラって永遠の十七歳になってから七年くらいだったかな…。


 リーフ…。私の子供…。ロリ巨乳葉っぱ水着幼女の私…。可愛い…。


「ごきげんよう、四人とも。よく来てくださいました」

『ごきげんよう、カローナお母様、クラリス』


 何しに来たんだっけ…。


「あら、セレスは?」

「首脳陣が全員留守にするわけにはいきませんわ」

「それもそうですね」


 もしや今日はカローナの番ってことですか…。


『じゃあさっそく行こうか』

「えっ、どこへ?」

『進化の泉』

「えっ…、ああ…」


 ダイアナと同じで、カローナとクラリスもエッテンザムの困った性質を克服しに来たのか…。


 ダイアナはカローナたちにエッテンザムの性質を説明済らしい。セレスの出産のときにエッテンザム家に赴いて資料を探していたのも、このときのためだったようだ。

 あのとき、カローナは青ざめていた。光の魔力を鍛えると性欲が増して女の子を襲ってしまうと聞いたら、先祖が光の魔力を鍛えることを禁忌にしていたことも納得だろう。厳格に育てられたカローナは、もう国や家を追われたからと、その禁忌を犯してしまったのだ。青ざめもするだろう。



 私たちは第二メタゾールの屋敷にある進化の泉に赴いた。


 ダイアナは、マイア姫の子を身ごもっているので、体調が悪そうだ。私がたびたび看てあげているし、筋肉も付いたし、二回目だし、前回ほどではないはずなのだけど、非常に辛そうだ。それでも来たのだ。

 そして、ダイアナはフラーラを抱いている。フラーラ…、ダイアナと私の娘。私の面影も感じられる子。フラーラはまだ首が据わったばかりだ。

 もちろん、ダイアナを看たときにダイアナとフラーラには授乳している。


「あなたがフラーラですわね。わたくしはカローナ・ヒストリアです。あなたの祖母です」

「まあ、じゅいぶんお若いばあちゃんだこと。わたちはフラーラだよ。よろちくちておくれ」

「ダイアナと同じで、産まれたばかりなのに利発な子ですわね…。言葉遣いがなっていないところまでそっくりですわね」

「たちかに、ダイアナ母ちゃんとカローナばあちゃんは、しょっくりだねえ」


 二人の話はかみ合っていない。

 そういえば、カローナはフラーラのおばあちゃんに当たるんだね。っていうか、私もおばあちゃんだった。

 でも私はお母さんでもあるのだ。何度聞いてもカオスだ。



『それでは、スマホを読みながらお願いを暗唱』


 カローナたちの願いは、ダイアナが願った内容とほぼ同じ。


 女の子を片っ端から魅了してしまわないように、光の魔力を鍛えても性欲が強くなりすぎないようにする。

 女の子を好きなこと自体はそのまま。

 男を嫌いすぎない。結婚したいとは思えない程度に。

 容姿はそのまま。ただし、銀髪が子に受け継がれるかどうかは、普通の人間と同じように。人間と交配した場合、完全な銀髪になるか、相手の色になるか、混ざるかは運命に依ると。

 筋肉がまったく付かないのではなく、脂肪に見える筋肉が付くように。

 遺伝子の主張が強くて子供に七十五パーセントの遺伝子が引き継がれるのは廃止。


 表情筋はダイアナ固有の問題だったので、カローナたちには関係ない。



 今のところ、カローナは光の魔力がそれほど強くないので、性欲が強くなっているわけではない。魅了も使えない。

 たんに、ときめいてしまった相手を無意識に妊ませてしまうだけである。それはそれで問題だけど…。セレスも私もそれで妊まされたのだし…。


 クラリスもまだ五歳なので、性欲は発生していない。でもおそらくダイアナと同じように初潮とともに性欲が発生するのだろう。

 しかし、クラリスはまだ五歳。ダイアナと同じことを願うことができるのか。


 どうやら、エージェント・セレスタミナが時間をかけてクラリスを教育したらしい。変なことを教育させられたものだ…。

 そもそも、クラリスは男という存在を知らなかったらしい。箱入り娘だとそういうこともあるのか…。

 それに、クラリスはリーフという強力な光の精霊の加護を受けているので、脳の発達が早い。デルスピーナと同じだ。その程度のお願い事項を覚えることなど造作もない。

 いや…、ほんとうにそうだろうか…。まだ感じたこともない性欲を抑制するとか、意味が分かるのだろうか…。


 フラーラもまだゼロ歳で、性欲とはほど遠いはず。でも前世で七十歳だったのだから…、いやいや、女の子を襲ってしまうような性欲は、持ち合わせていなかったはず…。


 一応、お願い事項のカンペはスマホに表示されているのだけど、それが何を意味するのかちゃんと理解していないと、それが種としての進化などと認識できないだろう。


『それでは、本気でお願い開始!』


 カローナとクラリスは目を閉じて真剣に祈り始めた。フラーラもダイアナに抱かれたまま目を閉じた。

 カンペを見る必要はないらしい。


 ところで進化って何度もできるのかな。

 そもそも人間が進化できないのに、ほとんど人間にしか見えないエッテンザムが進化できるのはずるい。

 まあ、そのままにしておいてほしいこと以外は、全部人間に近づいているだけ?男嫌いの軽減とか筋肉が付くとか。


 いやいや、翼がが生えるとか、白馬になるとか、そういうのもできるはずだよね?


 もういいや。好きにしてっ。


 こうして、元祖エッテンザムは、進化することでその長い歴史に幕を閉じた。

 たんに、ちょっと男嫌いでぷにぷにの筋肉と無彩色の銀髪を持つお人形のように整った顔の美しい種族ができあがった。

 ちなみに、ダイアナの子孫は必ず銀髪になるが、他の子は普通の人間の遺伝に従うことになっている点が異なる。


「これで変わりましたの?あら…、なんだか身体が軽い…」

「お母様、とても身体が軽いです!」

「ありゃ…、赤ん坊の私まで立てちゃっていいのかい…」


 カローナは普段からシャキッとしているが、足りない筋肉とつたない身体強化を使って必死だった。とくに胸を支えるという点では、どっこらしょというような感じが少しあった。でも、余裕が生まれたようだ。必死にがんばっているカローナが可愛かったのに…。

 いやいや…、楽になったのだから祝ってあげなければ…。


 クラリスはぴょんぴょん跳ねている。


 フラーラはダイアナに降ろしてもらい、一人で立ったり歩いている…。

 まあフラベーナも一週間で歩いていたしね…。


『さあ、離宮に帰ってゆっくりするといい。私は気分が悪いのでご一緒できないけど』

「ダイアナはまた身ごもっていますのね…。おめでとう…」

『カローナお母様も今夜が楽しみだね』

「はい…」


 えっ、何それ。



 その夜…。

 私は廊下で突然後ろから襲われて、客室に連れ込まれ、ベッドに押し倒された…。そして、私のドレスを脱…がさないで、ビリビリと破いている…。力、強くなったね…。


 いや…、私は筋肉のきしみ音や、魔力の視覚、私に何かしようとする意志を読んだりとか、いろいろな感覚で周囲を監視しているので、私に死角などないのだ。私は誰に何をされるか分かっていて、されるがままなのだ。そうされたいのだ。


 部屋がほとんど真っ暗でも、顔は見える。うれし涙を流しているのはもちろん、


「アンネぇ!わたくし、ずっとあなたが欲しかったのです!」

「カローナ…。私はあなたに、いちばん最初にもらわれたのですよ…」


 性欲、抑えてもらったんじゃないのかな…。強くなってるような…。


「わたくし、何も覚えていないのです…」

「それは私も同じです…」

「やりなおしましょう!」

「はい!」


 初の妊娠が、無意識のうちだったとか、私としても悲しかった。

 愛しいカローナに妊まされたのだからと理屈では納得していても、やっぱり同意なしで妊まされたというのには思うところもあった。


 押し倒された私の上に四つん這いで塞がるカローナ。

 世界一大きなカローナの胸と、ロイドステラ一大きな私の胸が邪魔で、うまい位置が確保できていない…。カローナは四つのバランスボールに乗っているような状態だ。

 だけど、顔を近づけようとして、むにむにと胸が形を変えて、とても変な気持ちになってしまう…。


「わたくし、一年も我慢したのです…」

「ほんとうはセレスの出産後に欲しかったのですね」

「はい…」


 セレスの次はカローナと言われていたけど、カローナはダイアナからエッテンザムの性質を知らされて子を産むことを躊躇してしまっていた。

 でも、その性質は断ち切られた。タカが外れたカローナは、私を我慢できなくなったらしい。


 いつも思うのだけど、みんな私の子が欲しいと言っておきながら、私は襲われてばかりだ。

 私は女なので、こっちのポジションが自然なのだけど、最終的には逆にならなきゃいけないのに。

 いやいや、今はカローナとの大事なひとときなのだから、他の子でどうしているとかを考えてはいけない。


 私もだんだん気分が乗ってきた。


 筋肉も光の魔力もないのに、がんばって歩き続けてきた努力家のカローナ。

 無人島で出会ったとき、一目惚れした。カローナがその頃に魅了の魔法を持っていなかったしても、私は一瞬で魅された。この子と結婚したいと。

 お人形のように整った顔。ぷっくりとした唇。誘惑するような目。輝く波のような銀の髪。大きな胸。大きなお尻。くびれたウェスト。凹凸のはっきりした女性的な身体。

 カローナはまさに女性を体現したような体つきをしていて、とても柔らかくて抱き心地が良い。


 今夜、私とカローナは一つになった。



 翌日…。


「アンネ、おはようございます…」

「カローナ、おはようございます」

「そして、ありがとうございます…」

「私も嬉しいです」


 カローナたちはヒストリアに帰っていった。

 カローナはまだ膨らんでもいないおなかを大事そうに抱えていた。




 ところで…、ダイアナの娘って、フラーラ以外にも三十人いたような…。私が取り上げていないから頭になかったよ…。

 どうするのかな…。まだ性欲が芽生えるまで時間があるし、そのうちでいいか…。

 と思っていたら…、


『ママ、今日はこの子たちをお願い』

「えっ…」


 メイドに抱かれた銀髪の赤ん坊…二組…。


「ティノイカでしゅ。よろしくお願いしましゅ」

「プロセーラでーちゅ。よろちくねー!」


 しゃべる赤ちゃん来た…。

 ティノイカは前世が美術教授で、落ち着いている。

 プロセーラは前世がOLで、ちょっとアホっぽいけど…。どうして言語が変わったというのに、前世と同じような雰囲気でしゃべりたがるのだろうか…。


「もう一人、転生者いなかったっけ」

『それはママの娘』

「そうだった、ごめん…」


 自分の娘のことを知らないとか、私は酷い親だな…。他に知らない娘が何十人いるかも知らないんだけど…。

 ちなみに、コルトラという名前らしい。前世で交通事故で幼くして亡くなった記憶を持つ子…。


 二人を抱いているメイドは、ダイアナの夜の仕事専門のメイドだね…。お嫁さん三十人も娶ったのに、クビになっていなくてよかったよ…。


『それじゃよろしく…』

「えっ、行かないの?」

『気持ち悪いし…』

「おかしいなぁ。すぐに調子悪くなっちゃうね…」


 頻繁に体調を診てあげているのに、すぐに調子が悪くなってしまう。なんでだろう…。


「他の二十八人は?」

『まだ性欲とか理解できない』

「なるほど…」



 私は進化の泉に二人を連れていって、前回と同じことをやった。フラーラみたいに歩けるようになった。目に見える変化はそれだけだ。


 旧エッテンザムの種族は、身体強化と合わせてやっと人並みの筋力だ。それに対して、新エッテンザムの種族は、人並みの筋力と身体強化を組み合わせられる。私の子である精霊のサポートがあれば、乳児でも歩けるようになるのだ。


 二人だけなら前回に一緒にやればよかったのにと思ったけど、ダイアナは私以外との子をカローナに知られたくなかったのだろうか。

■ダイアナ・ロイドステラ第二王妃(十歳)

 マイアの子を妊娠した。


■カローナ・ヒストリア王妃(二十歳)

 アンネリーゼの子を妊娠した。


■クラリス・ヒストリア第一王女(五歳)

■レグラ・フェナージ(二十四歳)


■フラーラ・メタゾール公爵令嬢(ゼロ歳)

 アンネリーゼとダイアナの子。前世に、老婆の記憶を持つ転生者。口調はおばあちゃん。


■ティノイカ・メタゾール公爵令嬢(ゼロ歳)

 デビュタントパーティで魅了した貴族令嬢とダイアナの娘。前世に、美術大学の教授の記憶を持つ転生者。口調は丁寧。

 名前に含まれるメタゾールはダイアナの家名である。


■プロセーラ・メタゾール公爵令嬢(ゼロ歳)

 デビュタントパーティで魅了した貴族令嬢とダイアナの娘。前世に、IT企業のOLの記憶を持つ転生者。口調は丁寧。

 名前に含まれるメタゾールはダイアナの家名である。


■コルトラ(ゼロ歳)

 アンネリーゼが使用人に産ませた子。前世に、交通事故で幼くして亡くなった記憶を持つ。

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