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44話 夜の訪問者

短くてごめんなさーい_(:3」z)_

「申し訳ありません。取り乱してしまいました」


 慌てて頭を下げているのはシスターハーヴェリア。ついさっき、呪いによって奪われていた視界を取り戻した。目が戻った時に真っ先に目に入ったホムラ。嬉しさのあまり彼に全力で抱きついていたのだ。


「いえいえ、最こ……う、コホン」


 なんか先生がじっと見てきている。これは余計な発言は慎むべきだろう。シスターの柔らかい抱擁に驚いてしまった。先生は、エルフだからかなんというかこう……ストーンとしている。


「特に目に違和感はありませんか?ああ、実際に目を合わせるのは初めましてですね。私がエルメティアですよ」


「予想以上に美しくて驚きましたよ、エルメティア。目を合わせることが出来て嬉しく思います」


 彼女のキラキラと輝く瞳が気持ちを語っていた。



「感謝致します、ホムラ様。シスターはようやく救われた」

 

 ネイチスが頭を下げる。言葉には出さないが彼女も自分のことのように嬉しそうな様子が感じられた。


 


 とりあえず、すぐさまホムラ達は撤収することとなった。誰かが来るとは思えないが長居も良くはない。


「また明日お礼に伺います!」


 シスターは嬉しそうに帰っていった。




「良くやったな、ホムラ。とんでもない快挙だ!これは国王陛下も腰を抜かすぞ!まぁ報告するとかは考えてないけど」


 楽しそうに答える父様。なんだか国王が不憫に感じてきた。


「そろそろホムラくんは寝る時間ですよ。それと部屋からは抜け出さないように。もしも森に行ったなら、魔法を教えませんからね!」


 先生はかなり本気だ。これは不用意に抜け出すわけにはいかない。当分の間夜の自主練はお休みだろう。


「わかってますよ。父様や母様、先生を失望させるわけにはいきませんし」


「ええ、良く言いました。今夜は良く休んでくださいね!信頼してますよ、ホムラくん」


 

 部屋を出たホムラはそのまま自室に向かう。父様達は、これからのホムラのことを話し合うらしい。流石に5属性使いというのはスケールが大きすぎる。それに王国では誰にも解呪出来なかった呪いを解いてしまったのだ。ホムラの価値は果てしない。



 部屋の扉を開けて中に入るとゆっくりと扉を閉める。窓の方を見ると、夜空に月が見えた。月や太陽という名称は変わらないようだ。それ以外の惑星には名前がないようだが。


「魔法をたくさん使って疲れたなぁ〜。早く寝るとしよう」


 服を着替えてベッドにダイブする。すぐにでも寝られそうだ。




「まだ寝るには早いんじゃなぁい?お姉さんと良いことしないかしら?」


 言葉が投げかけられる。いつの間にかベッドの近くの椅子に女性が座っている。普通であればホムラは慌てて声を上げ助けを呼ぶか、松明を構えることだろう。だが、それをしない。知っている人物なのだ。



「久しぶりですね。というかいつの間に部屋に入りました?」


 全くわからないものだ。心臓が持たない。


「ふふふ〜、ひ・み・つ!女神は謎を抱えているものよ?」


「じゃあいいですー」


 すぐさま興味をなくして答えるホムラ。それに対して女性はやや不満そうな表情になる。


「釣れないわね〜。まあ良いわ。それにしても見てたわよ、呪いを祓ってたじゃない!やるわね〜」


 パチパチと拍手をする女性。


「まあ5属性使いですし?」


 ドャっとしてみる。


「そんなこと言って、私があげた《聖なる剣》を使ってたじゃない。何か一言あっても良いかなぁ?なんてね」


 惑わすような妖艶な表情でこちらを見てくる。なんというか色気がやばいっす。


「はいはい、助かりました。ありがとうございます」


 あまり見ないようにして答える。実際助かってるから、お礼はしておく。


「でしょ〜?それと今回はまた良いものを持ってきたわよ」


 と言いながら、女性……女神へのセクハラ、露出で神界から追放された(ミルレイヌ神曰く)元神は、ニヤリと笑うのだった。

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