表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/53

28話 友達が出来ました

「ホムラ様、ぜひお話を!」

「あのご趣味は?」

「好きな人はいらっしゃいますか?」


 ルチール嬢に対して行った、アイテムボックスを使ったパフォーマンスがウケたせいか、現在ホムラは数人の同年代の女の子達に囲まれていた。


「趣味は魔法ですね〜、好きな人はいません。誰か僕を好きになってくれる人が見つかると良いんだけどなぁ」


 いやぁ、モテモテですよ。ローリエ義兄様にお土産話しが出来そうだなと思う。可愛い子達ばかりで嬉しい。


 それにしても、みんなやけに積極的に話をしてくるものだ。もしかすると、親に仲良くなっておけと言われているのかもしれない。


 自分で思ったよりも自分は貴重なのかもしれない。エルメティアを超える魔力を抜いてもホムラは、欲しい人材なのかもしれないと考えるのだった。



 まもなく本日の主役が登場ということで、集まっていた女の子達も散っていく。若干、他の貴族の子供に睨まれている感があったが気にしない様にしよう。おぉ、怖い怖い。




「本日は、娘の誕生日に集まってくれて感謝する。我が娘もついに10歳を迎えた。今日は、みな楽しんでいってくれ!」


 大広間の入り口の扉が開いて、父と歳が変わらないだろうと思われる男が入ってくる。間違いなく彼が公爵だろう。


 そして、その後ろに続くのは主役に相応しい綺麗なドレスに身を包んだ美少女が続く。彼女が本日の主役公爵令嬢だろう。



「エミーシャ、挨拶を」


「はい、お父様。本日は、私の誕生日にお集まり頂きありがとうございます。紹介に預かりましたエミーシャ・レイヴェンクルです」


 優雅な動きで挨拶を行う。流石は公爵令嬢なだけあって動きも一級品だ。大広間には拍手が鳴る。


「素敵……」


 近くにいる女の子が言葉を漏らしていた。小さい子にとっては、公爵令嬢であるエミーシャは憧れの存在になるのかもしれない。


「さて、硬い挨拶はここまでにして。今日は無礼講だ。身分など気にせず楽しんで行ってくれ。食事も用意してある。なんなら娘に求婚したい者がいるならしても良いぞ?フラれるやもしれんがな」


 おお!と声が上がる。公爵とお近づきになるチャンスである。どの貴族も見逃せないことだろう。息子を連れてきている者達は、すぐに動こうと考えている様子だ。


 大広間には食事も用意されているが、むしろ求婚が目的の者も多いだろう。


「ホムラ、ちょっと良いか?」


 父様だ。なんだ?これは自分に求婚に行ってこいと言うことだろうか?田舎者には厳しいと思うので勘弁してほしい所だ。


「どうしました、父様。フラれて来いと言いたいのですか?」


「ん?なんだそれは。とりあえず、どれから食べる?どれも美味しそうな料理ばかりだ」


 おっと、何を食べるかの相談だ。さすが父様!最高だぜ!


 公爵との繋がりは特に気にしてない様だ。



 食事をする場所は、大人と子供で分けられていた。立食形式であるため子供では大人と同じテーブルでは届かないのだ。



 メイドさんがお皿を渡してくれるので、感謝を告げて受け取る。


「お腹すいたなぁ……」


 大人達の方を見ると、食事は会話の二の次というように見受けられる。それぞれ、大切な話があるのだろう。父様も話をしている。内心、お腹すいたとか思ってそうだ。



「さっきは、随分と人気だったな?」


「ん?あ、どうも」


 赤毛の自分より歳上であろう少年が声をかけてきた。もしかして、妬んでる系か?と不安になる。イタズラとかされなければ良いがと思う。


「なんもしないって!ただ良かったら友達になれねーかなって思ってよ」


「友達ですか?僕と?」


「そうそう!なんとなく俺の勘がお前と友達になれと言っている。意外と当たるんだぜ?」


 ほう?いい勘をしているじゃないか。僕に目をつけるとはお目が高い、なんちゃって。と頭で思いながら


「僕なんかで良ければ、ぜひ。唯の田舎貴族の次男坊ですけど」


「うちも子爵家だからそんなに大してことないぞ?さて、友達なら握手だな!俺は、ギリーア・ローウェルズ」


「ホムラ・レーミングです、よろしくお願いします」


 握手をする。よくよく考えると、この世界ではじめての友達ではないか?と思う。自分ってもしかするとボッチだったのかもしれない。いやいや、美人な先生いるし……変態だけど。


「言葉遣いとか気にすんな、疲れるぞ?それにしても、見てたんだが魔法上手いな!何歳なんだ?」


「6歳だよ。魔法は先生が凄い人だから上達出来たんだよ」


「その歳ですごいなぁ〜、俺は9歳だけど魔法はそこまで使えてね〜」


 と話し始める。そこから、魔法についてのことや趣味など話題が広がっていく。


 ギリーアと話しているうちに、同性の友達って話しやすいねとホムラは思うのだった。

良かったらブクマ評価貰えると喜びます_(:3 」∠)_

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ