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18話 散策開始in王都

 王都への道のりは特に何かが起きるということもなく、無事に王都に辿り着くことが出来た。


 流石は王都というだけに馬車の中からでも街の賑わいはよく聞こえている。


「ホムラくん、どうですか?王都は」


「お店がたくさんあって、面白そうですね!遊びに行きたいです」


 様々なお店が窓から見える。屋台や、装飾品売りを始めとして様々なものが手に入りそうだ。

 元の世界では、海外の屋台の動画を見るのも好きだった。いつか実際に見て食べてみたいと思っていたが、ある意味その願いが叶いそうだ。


「そうですね、私も用事が済んだらぜひホムラくんと遊びに行きたいですね」


「デートみたいですね。エスコートさせてもらいます、先生!」


 自分は、6歳の子供だ。先生にデートといっても引かれることはないだろう。

 すでに自分は一度、先生の変態属性に引いているがな……


「まあ!楽しみです」


 目に見えてエルメティアの顔が嬉しそうになる。そんなに喜ぶことかねとホムラは思うが。


「ほう、女性を誘うとはやるじゃないかホムラ。ふふっ、私がまだ騎士団にいた頃は、よくミレイラと……」


「父様、お小遣いをください。遊んできますので」


 父様が母様の話をし始めるとかなり長い。ここは別の話題に無理に転換する。


「そうか、まあ良いだろう。賭け事に使うんじゃないぞ?」


「運も実力もありませんからね。真っ当な使い方をします」


 ギャンブルもあるようだ。この世界のギャンブルだとイカサマとか酷そうだなと思わずにいられない。


 



 宿に到着し、ホムラ達は自由時間となった。明日には、朝に王城に赴き国王に挨拶するとのことだ。そして、夜には目的である公爵令嬢10歳の誕生日とのこと。


「遊びに行くならミルリルを連れて行ってこい。彼女のいうことをちゃんと聞くんだぞ?」


 父様に言われる。ミルリルとは、今回連れてきたメイドの1人である。元々騎士団に所属しており、荒事にも慣れているとのことだ。



 ちなみに先生は、用事があるらしく王宮に飛んでいった。デートはお預けだ。


 父様は、今回の護衛に入ってくれた冒険者の2人に依頼の達成の書類を書くなどしている。他にも仕事があるようで忙しそうだ。


「よろしくね、ミルリル!」


「はい、ホムラ様。誰が来ようとお守り致します!」


 黒髪ショートのクール系メイドさんだ。もうなんか素敵です。





「さーて、どこのお店から見に行こうかな!ミルリルは、どこか行きたい所ないの?」


「いえ、ホムラ様が行きたい所に私はついて行きますので」


 メイドさんなだけあって、流石に遠慮するようだ。とりあえず、お腹が空いたホムラは屋台に行くことにする。


 ちょうど昼食時ということもあり周囲の屋台からいい匂いがする。まずは、焼き鳥のお店で買うことにした。


 ミルリルにお金を渡してあるので、お会計をしてもらう。何気に、お坊ちゃんな服を着たホムラとメイド服のミルリルは目立つものだ。屋台のおじさん、ミルリルに鼻を伸ばしているのが丸わかりだ。サービスしてくれたけど。


 街中に幾つもあるベンチで食べることにする。


「それじゃあ、頂きまーす!」


「ホムラ様、先に毒見をさせて頂きたく!」


 食べようとするも、ミルリルに止められる。流石に自分に毒をもる奴なんていないだろうと思うが、彼女も真剣だ。


 どうしても譲れないとのことなので、


「はい、ミルリル。あーん!」


「ホ、ホムラ様!光栄です!」


 クール系メイドさんの顔が緩んでいる。あーん!なんてそんなに嬉しかったのだろうか?


 それに見惚れてる奴多いな。彼女に怒られてしまえ!


「大変、美味です。9割9部9厘、ホムラ様のお陰ですね」


「いやいや、全部屋台のおじさんの実力だから!」


 クール系メイドさんの意外な一面を見られて喜ぶべきなのだろうか。


「うん、美味いな!」


 自分でも食べてみることにする。確かに美味かった!この様な屋台に憧れがあった分、なおさら美味い気がする。



「ミルリル、飲み物どうぞ!」


 焼き鳥を食べた後、ホムラは店で買った飲み物を渡す。


「よろしいんですか?」


「うん、僕が初めて倒した魔物の魔石を売却して手に入れたお金で買ったんだ!いつもお世話になってるミルリルに!」


「な、なんと……感謝します!この飲み物は、家宝にして次代に引き継ぎます!」


 なんか涙を流して喜ばれている。彼女にも、歩けない時に何度もオムツを変えてもらったこともあり簡単なものだが、感謝の気持ちで飲み物を買ったが、ここまで喜ぶとは思わなかった。


「腐っちゃうから、今飲んでね?」


 とホムラは苦笑いを浮かべるのだった。後に、この話を聞いたエルメティアは、羨ましいと呟くのだった。

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