お金のない僕の家に泥棒に入った少年。
___僕の住んでいる家は、、、?
おんぼろアパートの2階の隅の部屋だ!
家の中には、金目のモノなんて! 一つもないよ。
毎日その日、生きていくだけで精いっぱいだからだ!
こんなAI(人工知能)やキャッシュレス社会の時代に、、、!
僕は常に現金主義者で、携帯も持っていないんだよ!
つい最近まで、PHS携帯を持っていたのだけど、、、?
料金を払えなくなり、止められてしまったんだ。
家の光熱費も払ってないから、ガスも電気も水も止められてしまったんだ!
今は、ローソクがある生活をしているよ。
喉が渇いたら? 公園から水を汲んできて飲んでいるんだ。
常温保存しかできないけどね!
まあ、今の季節には丁度いいのかもしれないな~!
*
___僕の名前は、『渡口 青彦』22歳、フリーターだ!
バイトをつい最近まで、3つも掛け持ちしてたんだけど、、、?
喧嘩っ早い! 僕はバイト先の店長と喧嘩して1つバイトをクビに
なったんだ! 今は、また新しいバイトを1つ見つけるために探して
いるところだよ!
・・・朝早くから晩遅くまで毎日、休まずにバイトばかりしているよ。
夢も希望も、僕にはない!!!
何の為に、生きているんだか?
食べる為に、生活費を稼いでいるだけ!
何かやりたい事も、したい事もないよ!
ただ、家には寝に帰っているだけなんだ。
家とバイトの往復の毎日。
僕の人生は、なんのためのモノなんだろうな、、、?
▽
___僕が、家で一人ぼやいていると、、、?
押し入れの中で、“モゾモゾ” と音がするんだ!
僕は、ゆっくり押入れを開けてみると、、、?
そこには、、、!? 見知らぬ少年が居たんだ!
僕は、最初はびっくりしたのだけど? 少年を押入れの中から
出てくるように優しく話しかけてみると、、、?
『___おーい! そこで何してるんだ? いつから、ココに居るの?』
『・・・・・・』
『___黙ってたら? 何もわからないだろう! 怒らないから話してみて!』
『・・・ど、どっ、どろぼう、に入ったんだよ。』
『・・・えぇ!? お前! 泥棒なのか?』
『・・・・・・う、うん。』
『お金になるモノは、この部屋にあったのか? 欲しいモノがあるなら?
持ってていいぞ!』
『・・・そんなの、な、ないよ。』
『お父さんやお母さんは? 家族の人が心配してるんじゃないのか?』
『・・・ボクには、お父さんもお母さんもいないだ。』
『・・・1人なのか? どうして、この部屋に泥棒に入ろうと思ったんだ?』
『部屋のドアが開いてたから、だからね、どろぼうをしようと思ったんだ。』
『・・・お前! 帰るところはあるのか?』
『・・・ううん、』
『そっか! じゃあ、ココに居ていいぞ! お前がいいなら一緒に住まないか?』
『・・・えぇ!? いいの?』
『___あぁ!』
『・・・ありがとう! お兄ちゃん!』
___初めて感じるこの気持ち! こんな気持ちは、初めてだ!
誰かと? 一緒に暮らす事。
僕は、もともと両親はいないから、、、。
施設で育てられたんだよ。
それに、この少年は、、、何処か? 子供の時の僕に似ている!
なんだか? ほっておけなかったんだ。
*
___いざ! 僕はこの少年と一緒に生活してみると、、、?
喧嘩ばかりしてしまう! 僕も彼も折れないタイプだから。
なかなか? お互い素直に謝る事ができないんだけど、、、?
大人の僕が先に、謝ってやると、、、?
コウタも素直に、僕に謝ってくれるよ。
それで、僕たちは仲直りするんだ、、、!
・・・コウタの話を聞けば、、、?
僕と同じように、両親はいない! 親戚の家を転々とたらい回しに
されたらしい。
気が付けば? コウタは、泥棒をして何とか? 生活していたらしいよ。
悪い連中とも、一時は一緒に居たらしいんだけど、、、?
コウタは、逃げてきたらしい。
そこで、僕の部屋のドアに鍵がかかってない事が分かったコウタが、僕の
家に泥棒に入ったんだろうな! でも? 中には金目のモノは一切ない!
コウタは、押入れに入ってそのまま眠ってしまったらしいんだよ。
コウタが、目を覚ました時には、、、?
僕がバイト先から帰ってきていたという訳だ、、、!
___僕は、コウタと一緒に住むようになって、、、。
なんだか? 性格が明るくなったように感じるんだよ。
それに、前向きに自分の人生を考えるようにもなったしな!
コウタがいるから? バイト先で嫌な事があっても喧嘩しないように
なったし! なにしろ? “我慢”する事を覚えたよ!”
コウタには、僕みたいに辛い思いをしてほしくない!!!
もっと! 人生は楽しくていいもんなんだって知ってほしいから。
僕は、今日もコウタの為に、バイトを頑張るよ!
『___お帰り~兄ちゃん!』
『___ただいま! 飯食ったのか? これ! 買ってきたから一緒に
食べようぜー!』
『___うん!』
最後までお読みいただきありがとうございます。