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七話:ゴミ


 俺は字を読めなかったが、ルークとアーリャは読めていたようだ。

 警戒(・・)していたルークは力を抜き、アーリャは落胆の表情を一瞬みせた。 すぐにクール美人な表情に戻ったけれど。


「なるほど。 これならば、問題はないでしょう」


 神父のお墨付きをもらった。 危険なスキルはないってことかな? 濁していたけど、もし危険だと判断されるような物があれば監禁でもしていたのだろうか……。

 まぁいいや、それよりステータスを教えてください。

 俺はジト目で神父を見つめる。


「すでにステータスの魔法は刻まれています。 唱えてみてください」


 なんですと?

 神父の言正しくば、俺はすでに魔法を覚えているだと!?


「ステータス!!」


――――――――――――――――


名前:トーヤ

レベル:1

職業:スカウト


力 :8

耐久:7

敏捷:12

器用:15

精神:9

魔力:5


スキル:【直感Lv.1】【弓Lv.1】【短剣Lv.1】【罠Lv.1】

魔法:【】

ユニーク:【ミニマップLv.1】


称号:【渡り人】

――――――――――――――――



 目の前に浮かぶ青白いディスプレイ。

 不確かな存在が徐々に確立されていくように、見慣れたゲームのステータス画面が現れる。 


「チッ……」


 俺が自身のステータスを確認し、ディスプレイをタッチすることでスキルの詳細が見れるのかと確認していこうと思ったところで、舌打ちが聞こえた。


「ゴミ、ね。 噂に聞く収納スキルも、転移スキルもない。 人族の低ステータスに弓系統のジョブ。 ……ユニークは持っているようだけど、効果は? 言いなさい」


 舌打ちの犯人はアーリャ。

 殺意すら浮かぶ冷たい視線。 ゾクゾクするとか言っている場合ではない。 彼女から得体の知れない、いや、恐らく魔力であろうオーラが噴き出る。 ステータスの儀を受けたからだろうか? なんとなくだが分かる気がする。


「っ……周囲の、自分の周囲把握と索敵能力」


 俺は自身の固有能力(ユニーク)【ミニマップLv.1】の能力を簡単に説明した。 ステータス画面でタップすることで能力を理解できた。

 正確には違うが、おおむねそんな能力だ。


「……ゴミね」


 二度目のゴミ発言いただきました。

 それほどゴミではないと思うけど、索敵に地形把握なら優秀なスキルだろう? ユニークとしては微妙ってことか。


 つか、大丈夫かよ? このゲーム。 NPCのくせにガンガンプレイヤーの精神(マインド)削ってくるんですけどぉ!?


「ぐふっ……」


 大聖堂の床に手と膝を突く俺をシカトして、アーリャは去っていった。


「ははは、スマンな? ……期待していた分、落胆も大きかったようだ。 普段はあんな、いや、普段からああか? まぁあいつのことは気にしないでくれ」


 そういったルークは神父に一つお辞儀をして、アーリャの後を追う。 しかし、すぐに立ち止まり俺に別れの言葉をくれた。


「見込みがあれば俺たちのギルドに、【紅蓮双碧】に勧誘するつもりだった。 ……まぁ、なんだ? 頑張れよ!」


 くっ、つまりステータスを見たけど、見込み無しってか?

 

 俺は床に付けた拳を、力いっぱい握り込んでいた。 ステータスなんてただの数字だろう? ほんとうは俺に凄い才能とかあったらどうするつもりだ?

 ……それが分かるのがステータスか。









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