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十話:ナーシ村 ②


 賛否両論ある。

 しかし俺はレベルの上がりやすいゲームは好きだ。


「ステータス」


――――――――――――――――


名前:トーヤ

レベル:1→5

職業:スカウト


力 :8→15

耐久:7→9

敏捷:12→22

器用:15→30

精神:9→16

魔力:5→10


スキル:【直感Lv.2】【弓Lv.2】【短剣Lv.2】【罠Lv.2】【採取Lv.1】

魔法:【】

ユニーク:【ミニマップLv.2】


称号:【渡り人】【トレジャーハンター】

――――――――――――――――



 全然上がらない。

 いや、一週間経ったといっても、移動に準備に覚悟を決めるのにも時間は掛かった。 そう考えると順当なんだろうか?


 スキルも今回の探索でレベル2に軒並み上がった。 新しく覚えた【採取】はまだレベル1だけど。 称号【トレジャーハンター】? 木のかぶを破壊しまくってたらゲットしたようだ。

 ステータスも順調に伸びている。 耐久が低いのは気になるが……職業的にしかたないのだろう。 なにやらジョブはステータスに影響を及ぼすのだとか。


「さて、今日は何を食べるかな」


 ナーシ村の冒険者ギルドの前に立ち、俺はそう呟いた。

 この村にきてから食事はいつも冒険者ギルド併設の酒場で取っている。

 なぜかといえば、安くて量が多くて給仕の女の子が可愛いからだ。

 うむ、新人冒険者(ルーキー)にはほんとう、ありがたい。



「あいつか?」


「あぁ、アレだ」


「ほう、噂のルーキーか……」


 なにやら俺が冒険者ギルドに入ると視線が飛んでくる。

 好奇の視線。 なんだろうか?


「トーヤ殿! 本日もご無事で、お疲れ様でございます!!」


 買取カウンターへと向かうと、いつものおっさん受付が揉み手で出迎えてくれる。 いやぁ、キモイわ。 クエストの受付は美人なのに、素材買取はおっさんしかいない。

 

「ども……」


 ナーシ村、近くに魔の森を有する農村である。 

 魔の森で取れる連金素材は迷宮都市フォッジに輸出され、冒険者の必須アイテムである回復薬や解毒薬などへと姿を変える。 つまりこの村の冒険者ギルドに求められているのは、畑を荒らす魔物討伐や近くの盗賊退治などではなく、連金素材の収集である。


「おお! 今日もこれだけの素材をッ……!!」


 ナーシ村近郊の魔の森のダンジョンランクはF。 初心者である俺でも、なんとかソロでの探索が可能だ。 もちろんそれを可能にしているのはクズとよばれたユニーク【ミニマップ】のおかげであるのは間違いない。


「見分けの難しいゲシ草を一つも間違えずにこんなにっ!?」


 ドサッとカウンターに出した素材を、おっさんは鑑定しながら唸る。 もしこれが可愛い女性受付嬢ならばなんらかの好感度イベントが発生するに違いない、あぁ、違いない。 


 ちなみにゲシ草は解毒薬の材料。 【ミニマップ】の検索機能で効率的に探せる。 気を付けないといけないのが群生する中によく似た毒草もあるので、【ミニマップ】のアーツ、詳細検索を使用して判別するのだ。 多少の魔力を消費するけど、フィールドに検索した物、場所をマークしてくれるので非常に優秀である。

 ちなみにアーツとはスキルを習得したことで使える技能のようなものだ。 うん、ほんとうにゲームのような世界である。


 ゲームの中ではないよね……?

 残りの一割を払拭できない俺は、迷宮都市フォッジでの冒険者達の対応を思い出しありえないなと、おっさんの仕事を眺めるのだった。


  





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