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課金六十六万円目。VS龍神

 スーパーアルティメット天使エピックが宇宙から終末の矢を放つ30分前。


 ドラゴンを倒した太郎と歌子はイゼルローン砦に戻り、十を捕虜にした。また、龍神と別れたタイガは太郎の元に戻り、状況を説明した。


「龍神!?」


「ええ、自分のことをゲームマスターと言っていた」


 太郎、歌子、十、九、タイガの五人が集まる。


 龍神はバトロワの結果に不満を持っており、今から王国を滅ぼし、のじゃロリ様を勝者にすると言った。そう聞いたとタイガが説明する。


「のじゃロリが俺たちより何倍もすごいことは認める。でも、」


「ええ、あるじ様は日本に帰りたがっていない」


 のじゃロリ様はこの世界にたどり着いた際、太郎の前身の勇者に救われ、一緒に暮らし、育ててもらった。勇者の人となりに惹かれ、ずっと傍にいた。孤児院出身の勇者に興味を持ち、一緒にこの世界を繁栄させようと誓った。


 魔王の名無しがこの世界に残ったように、のじゃロリ様も名残がある。だから、恩を返そうと太郎や歌子に協力した。


 人々の好意を無下にする龍神が許せなかった。


「大丈夫です皆様、あるじ様は龍神に介入させられる展開を読んでおりました」


 画竜点睛を知る。十に予知能力があるように、のじゃロリ様は合成人間のチート能力を応用することができた。


 彼女いわく、日本人たちと龍神で最後のバトルになる。


 日本人チームが勝てば、4人全員日本に帰り、任意で残ることができる。


 龍神が勝てば、バトロワは強制終了となり、のじゃロリ様だけが日本に戻る。また、ついでに王国が滅ぶ。


 ゲームマスター自身が介入するなんとも不条理な展開だと思った。ただし、のじゃロリの予知では突破口はあるとのこと。


「プレイヤーがしらけるのはイカサマなど勝ち目ゼロの勝負です。勝敗が決まっている戦いは誰も面白くありません。勝負は公平だからこそ面白いのです。龍神は私たちが勝つ可能性の目を残しています。それを太郎さんと歌子さんが見つけるんです」


 十はあるじの予知を粛々と語る。


 タイガが王国の城に出向き、眠らされたエピックやのじゃロリを起こしてもまったく反応なかった。名無しも同様にピクリとも起きなかった。天使と魔王の助けは期待できない。ここにいる五人で危機を乗り切らなければならない。


 太郎は考える。


 エピックはFRBをモチーフにした合成人間。一は銀行。スーパーアルティメット天使エピックに変身した彼女らは最高峰の金の力と龍の力を得ている。財力が大きく関わる世界でFRBの暴挙を止めるのは絶望的だ。


 10分話そうが、20分話そうが、解決策は見つからなかった。


 五人は砦の外に出る。戦場は王都解放軍が優勢に進み、王国内に侵入する所だった。大将を失った王国軍に守る力はない。いずれ王様が解放され、戦争は終わる。


 戦争が終わる瞬間、滅びの矢が宇宙からやってくる。十の予知は逃げきれないみんなの全滅を示していた。


 このままじゃいけない。このままじゃいけない。このままじゃいけない。


(俺たちだけなら逃げ切れる。でもそれじゃ、のじゃロリが日本に攫われちまう)


 太郎は王国を脱出することを考えた。龍神を倒すすべなんて思いつかない。終末の矢は地球に隕石が落ちるほどの衝撃を与える。無理だ、無理だ、無理だ。


 このまま逃げても誰も文句を言わない。現に、太郎はドラゴンを倒した。王都解放軍の一万七千の兵を壊滅するドラゴンを捕虜にしただけでも大金星ではないか。


 何かないか。何かないか。何かないか。


 のじゃロリはなんて言っていた?


 ――戦力で相手が上なら逃げること。


「逃げること?」


『与えよ、さらば与えられん』


『求めよ、さらば与えられん。

 探せよ、さらば見つからん。

 叩けよ、さらば開かれん。

 神に祈り求めなさい、そうすれば神は正しい信仰を与えてくださるだろう』


 龍神を倒したいと求めた。でも違った。


 突破口を探した。でも違った。


 扉を開けようとがむしゃらに挑んだ。でも違った。


 絶体絶命の大ピンチ。太郎のやることはただ一つ。


 ――祈ることだ。奇跡は自分で起こせ、そうなるように努力しろ、とね。


「みんな聞いてくれ」


 世界が終わる5分前。太郎はのじゃロリ様を信じることにした。


「のじゃロリ様は俺のために修行を付けてくれた。日本に戻れるように、つまり、龍神に勝てる特訓をしてくれた。彼女を信じるならば、奇跡を起こすピースはすでに揃っているんだ」


 そうだ。何のためにここまできた? のじゃロリやエピックに勝つためか? 違う。日本に戻るためだ。天使様が最大限の協力をしてくれていたならば、今、ここにすべてを覆す鍵が揃っているはずだ。


「俺はのじゃロリを信じる」


 空に禍々しい赤い彗星が飛来する。宇宙に逃げた龍神、やつを討つ準備は整っていた。


『そうじゃ、太郎』


「え?」「おお?」「あるじ様!?」「あるじ様?」「あるじ?」


 突如、五人の脳内に通信が入る。


『龍神の妨害を受けながら、夢から通信しておる。わしはこのために太郎を信じ、託した。よいか、太郎?』


「ああ、信じてたぜ。俺の天使様」


『この世界がドラゴンボールに影響を受けておるなら、強力な一撃を迎え撃つ対抗策があるのも頷けるじゃろう? その名も、元気玉じゃ!』


 世界中央銀行。FRB。富のほとんどを保有し、アメリカに金を貸し付ける超巨大組織に対抗するのは、世界中の人々の意志だった。スーパーアルティメット天使エピックに、この世界のすべての世論をぶつけるのが、のじゃロリ様の勝算だった。

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