四十六万円。金貸しという商人
作戦会議。
十、九、八、太郎の三人がいつもの麻雀ルームに集まって会議を開く。
議題は、どうすれば一に勝てるのか? であり、今まで商人として培ってきた努力を発露する場だ。
「いい、太郎。私の話を聞きなさい」
八は言う。
これまで太郎は、麻雀、投資、ブログ、フリーランス、など様々な商人の勉強をしてきた。メイドたちの用意した数々の試練をクリアし、最後に最も大切な、金貸し、というものに挑戦する。
金持ちとは金貸しの事だ。ヤクザ、しかり、闇金、しかり、財閥、しかり、国、しかり。
債権と呼ばれるものを発行し、公共事業を斡旋し、政治とカネの世界を取り巻く魑魅魍魎。
金貸しと呼ばれるジャンルは闇。キリスト教が禁じた利子、複利とは世界のタブーなりえた。
「私たちはユダヤ人が残した遺産を攻略しなければならない。かのアインシュタインが魔法と呼んだ複利よ」
世界で最も巨大な金貸し、あのアメリカ合衆国よりも強大な存在。中央銀行。
国をも凌駕する貸し付けで世界を思うままに動かしている。ロスチャ&ロクフェなどは、日本に彼らの造った核爆弾を落としている。中央銀行と財閥の関係は切っても切り離せない。
太郎は驚愕する。
「広島&長崎だって!?」
「ええ、エピックは世界を支配する象徴をつかさどる。手下の一は、金貸しそのものよ」
あまりの巨大さにびびる太郎。当然だ。商人になるはずの予定がいつの間にか、日本やアメリカよりも巨大な存在にひれ伏そうとしている。いや、資本主義という世界中を支配するルールに、すでに従順しているのだけれど、改めて見ても金貸し、銀行という大きさに委縮してしまう。
世界中央銀行。FRB。
第三次世界大戦も資本主義も思うままに操る世界権威にたじたじだ。
「ノーベル賞や国際連合の裏話は置いといて、一は単純な金貸しよ。なぜならエピックを模倣しているから。でも正直、商人バトルではエピックより厄介」
「それはどうして?」
「エピックは太郎を成長させようと育てるけれど、一は潰しにかかるわ」
一は太郎のことを商売敵としか見ていない。敬愛するエピック様の邪魔もの。そんな感じだ。
実際問題。商人とはユダヤ人の教えであり、ユダヤ人の金貸し業であり、銀行を指す。それも地方銀行など身近なものではなく、アメリカにお金を貸し付けているすっごい銀行を言う。
太郎はNISA口座を作り、株をした。規模は小さいけれど、お金を企業に貸しているに等しい。銀行の真似事。個人の商人の出来上がりだ。
最後にエピックおよび一が課す太郎への試練。それは、
「軍事力よ」
「は?」
呆然とする太郎に、真正面から八は告げた。淡々と。
「知力、財力、軍事力。三力揃って初めて商人として認められるわ。太郎の場合は自衛力ね」
彼女はこう言っているのだ。自分の身は、知恵と金と強さを持って、自分で守れ、と、ね。




