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四十一万円目。稽古

能力解説


(ドラゴン) 麻雀+画竜点睛を欠く、の合成人間。能力は、画竜点睛を知る


(ブル)  投資+二兎追うものは一兎も得ず、の合成人間。能力は、二兎追うものは一兎を制限する


(タイガー) ブログ+七人の侍、の合成人間。能力は、七人の分身


・一(???) ???+学ぶは真似ぶ、の合成人間。能力は、???


・エピック(???) ???+時は金なり、の合成人間。能力は、金は時なり


・のじゃロリ様(???)

 次の日。十の部屋で目覚める太郎。早めに潰れてしまい、体に毛布がかけられていた。


 楽しい宴会、豪勢な料理、のじゃロリ様の秘密を聞き出すことに成功し、昨夜はどんちゃん騒ぎだった。


 どうやらメイドは三人しかいないらしく。残りの七人を次のブログ勝負の対戦相手である八、一の能力で誤魔化していたらしい。十人のメイドではなく、本当は三人。(タイガー)本人はメイドではなくて、引きこもっているらしい。合成人間とは恐ろしいもので偉くチートな能力を授けられている。


 宴会場にいなかった八。彼女の能力は『七人の分身』。己が七人に増えて(タイガー)が八人になるという厄介な能力だ。


 今度の勝負はブログ勝負。俗にフリーランス勝負ともいえる。フリーランサーは質より量。素人なら数や時間で勝負するしかない。のだけれども彼女は八人いる。本人+七人の分身でフリーランス勝負したら絶対に勝てない。なぜなら太郎は素人で数の暴力に弱いからだ。投資勝負で(ブル)が八倍の920万円をNISA枠で使って挑戦してきたようなものだ。


 商人勝負は対等だから勝てたのであって、資金力の差を見せつけられたら二度と勝ち目はない。


 本当に厳しい戦いになると予想される。


 太郎は起き上がり、周囲を見回すと、十、九、のじゃロリ様はまだ就寝中。起こしては悪いと静かに立ち上がり、洗面所に移動する。朝の五時。二日酔いをとるために水でうがいし、持ってきた歯ブラシで歯磨きをする。顔を洗い、目くそをとって、タオルで拭いてから、十の部屋を出た。


 朝早く起きると、久しぶりに運動したくなった。エピックの屋敷のトレーニングルームでジョギングしようと決めた。向かってみると先客がいた。


「びくっ!?」


 びくっと反応する小柄な彼女。屋敷で見たことがない。金髪に鋭い目つき。赤のトレーニングウェアを着て木刀で素振りしていた。


「君は一体?」


「ふう、驚いた。太郎さんですね、初めまして。引きこもりの八です」


「ああ」


 妙に納得。不健康な引きこもりのイメージと全然違う。八は色白でスマートで創造と真逆の健康的な体をしていた。太っていない。細身で引き締まっている。


「引きこもりって聞いたから、驚いた」


「いや、間違ってない。私はエピック様の屋敷内、引きこもりだ」


「そうかい」


 確かにエピックの屋敷は広大で、引きこもりか、と問われれば、ノーと答えたくなる。現に太郎だって一回も外出していない。大型ショッピングモールのようにエピックの屋敷は必要な施設がすべてが揃っているのだ。


「今度の勝負はブログ勝負って聞いたけど、あってるかい?」


「ええ、ブログは引きこもりに最適な労働よ。たくさんお金を稼ぐニートもいるのだから、剣術が得意な引きこもりがいても問題ないでしょう?」


 そう言って八は素振りを再開する。


 太郎はひどく懐かしい思いに襲われる。そういえば商人を目指す前は勇者の体を借りて剣で戦っていたんだな、と。


 数分後。


「ひどく興味のありそうな目ね」


「分かるかい?」


「分かる。太郎さんは剣に飢えている」


 素振りをやめた八は、部屋の隅に移動し、木剣をもう一本取り出して太郎の方へ投げつける。


 太郎は片手でそれをキャッチした。


「何を?」


「元勇者の実力。試させてもらうわ」


 部屋の中央。広い空間に移動して剣を構える八。どうやら稽古をつけてくれるらしい。


「いいね。俺も久しぶりに腕が疼く」


 今まで麻雀や投資などゼロサムゲームに興じてきた太郎。たまには木剣でスポーツをしてみたいと感じた。


 前に進み、部屋の中央で八と相対した。

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